Information
Name: 腐敗の手袋
Author: krt_w
Rating: 9/13
Created at: Sun Jan 01 2017
アイテム番号: SCP-1035
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-1035はその性質の調査が行われる間、サイト-19の生物学的物品保管施設に保管されます。[編集済]計画に割り当てられたレベル3の研究員は、Dクラス職員割当申請書を1週間以上前に提出することにより、SCP-1035の研究目的での使用を申請できます。SCP-1035に長時間曝露した物体はクラス2生物災害として扱い、焼却処分してください。
説明
SCP-1035は1枚のピンク色の羊毛製手袋です。おそらく手作りで、幼児が着用するように作られています。家族へのインタビューによると、同じ見た目のもう片方の手袋は発見の█ヶ月前より最近に失われています。その現在の所在、およびSCP-1035と同様の効果があるか否かは分かっていません。SCP-1035がその効果を獲得した正確な日時を特定することは困難ですが、現在入手可能な医療記録から、19██年の2月下旬に最初の効果が始まったと推定されています。
SCP-1035は、当時[データ削除済]の疑いについて調査するために████████記念病院に潜入していた財団諜報員により、初めて財団の注意を引きました。諜報員はその病院内での立場により、サリー・██████が緊急手術中に死亡するのを目撃することになりました。これはSCP-1035への長時間の曝露による記録上の最初の死亡例です。本件に関係する、本児の両親や医療従事者をはじめとする全ての一般人に種々の記憶処理が施され、壊死性筋膜炎の症例に関連するカバーストーリーが流布されました。その後間もなく、エージェント・███████が██████一家から安全にSCP-1035を回収しました。
SCP-1035内部に存在するあらゆる有機質は、その腐敗速度が急激に増大します。SCP-1035への短時間(連続して2時間以内)の曝露は、通常ヒトの健康に対して無害です。これは一般的なヒトの免疫機構がSCP-1035の効果に対抗可能であるためです。目に見える症状はおよそ2時間を超えて曝露したときに生じ、健康上の問題は24時間以内に対象者の死亡がほぼ確実になる程度まで進行します。対象はそれが無生物であるか、ヒト以外の生物であるか、またはどのような健康状態のヒトであるかにより、SCP-1035への曝露時にそれぞれ異なった影響を受け、特に[データ削除済]。SCP-1035の効果に関するより包括的な概要およびSCP-1035に関する実験の総括は、文書1035-█を参照してください。
SCP-1035への曝露は累積し、短時間の曝露を繰り返すことでも死亡し得ます。ヒトがSCP-1035に2時間曝露した場合、完全に健康になるには1週間より長い期間がかかります。
以下の表は文書1035-█の情報を元にした、SCP-1035に影響を受けたヒトの典型的な症状進行の詳細です。
付記:
以下は、19██年2月██日に行われたインタビューの転写です。
エージェント・███████: 気分はどうだい、サリー?
サリー・██████: ……寒い。腕の感覚がないの。私、よくなるよね?
エージェント・███████: もちろんだよ。いくつか質問をさせてもらうよ。最初にあのピンクの手袋をはいたのはいつ?
サリー・██████: わからない。それがどうかしたの?
エージェント・███████: 大切なことなんだ。質問に答えてくれるかな?
サリー・██████: わからないってば! 先週かな? プレゼントだったの。おばあちゃんが作ってくれたの。私 —
エージェント・███████: よくなるとも。さあサリー、君の腕を手術することになったんだ。痛くないから —
サリー・██████: 先生、みんな、腕を見ちゃだめって言うの。そんなに悪いの? ねえ……
この時点から患者は涕泣しはじめ、それ以上質問に答えなかった。
エージェント・███████: インタビューを終了します。ここの医師は我々に切断手術をしてほしがっています。彼女の症状を調査しても、これ以上得るものはありません。また、彼女があのような腕を残したまま生きてゆけることはないでしょう。これは未分類の異常な感染症によるものです。エージェント・███████からは以上です。
注: 救命措置のための格別の試みにもかかわらず、サリー・██████はSCP-1035への曝露による悪影響で死亡した。家族には後に財団職員によるインタビューが実施された。以降の調査では異常な点は見出されなかった。家族に対する監視は19██年3月█日をもって解除された。
以下は、[編集済]計画を発足した█████博士に対するインタビューの転写です。
█████博士: 最初の24時間が過ぎるとすぐ、影響部位の腐敗はそれ以上進行しないと言えるようになる。さらに、腐敗速度の増大は物体が完全にSCP-1035の内部にあるときだけ観測される。つまり、例えば私がこれに手を入れればただちに私の手は腐れ落ちるが、肩には何も起こらないはずだ。
もちろん、これは私の体の残りの部分全てが完全に無事であるという意味ではない。そうだな、あの19世紀の戦争について本で読んだことはあるかね? 当時最も問題視されていたことの一つが、壊疽などだ。自分の一部が死ぬとどうなるか分かるかね? いいことではない。たいてい、ひどく悪くなり、バクテリアの巨大な温床になり果てる。それに対処しようと思うことは問題ではない。あれが全てを容赦なく加速させることが問題なのだ。Clostridium perfringensが悪いものだと思うかね? Schistosomaは? クソったれ、我々はSCP-1035によって百種近い新種の寄生虫を発見しているんだぞ。 追加実験のためにもっと多くのDクラス職員を要請する。これから我々が得るものは多い。
補遺
本稿執筆中に、SCP-1035に類似した性質を有する衣類型オブジェクトが財団エージェントにより新たに█点回収されました。これらはSCPオブジェクトへの分類待ちで、SCP-1035-2から█に指定されます。(元のSCP-1035はSCP-1035-1に再分類されます。)SCP-1035群の性質、応用方法、起源に関する調査を行うために、[編集済]計画が発足されました。