SCP-1111 : ホワイト・ドッグ

Information

Name: ホワイト・ドッグ
Author: KirisakiMarie
Rating: 47/49
Created at: Sun Jan 18 2015
アイテム番号: SCP-1111
オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル

SCP-1111-2を中心とした半径2㎞の領域が制限領域に設定されました。その場所は気象観測事務所と公式には発表されています。気象観測気球にぶら下げたカメラで、囲いの中は絶えずモニタリングされます。レベル4もしくはそれ以上の研究員の明示的許可証なしには、SCP-1111-2の周囲1㎞に近づくことを許されていません。万が一SCP-1111-1がSCP-1111-2から離れることがあったならば、SCP-1111-1がSCP-1111-2の下に戻ってくるまで全職員は制限領域外に退避することとなっています。

説明

SCP-1111-1は家庭で飼われる犬としてよく知られている_イエイヌ(学名Canis familiaris)_のそれに姿が類似した実体です。SCP-1111-1の大きさはSCP-1111-2からの距離によって変わります。直下ではSCP-1111-1の地上から肩までの高さは大体150㎝です。SCP-1111-1の正確な種類は分かりませんが、ラブラドール・レトリーバーとジャーマン・シェパードの両方の特徴がハッキリと見て取れるのでそれらの混合種と思われます。SCP-1111-1は白い毛並と赤い目を持ち、ともにSCP-1111-2との距離に正比例した光度で輝きます。SCP-1111-2との距離が500mを超えると、SCP-1111-1は徐々に半透明になっていきます。加えて、SCP-1111-1の速さ、強さ、機敏さはSCP-1111-2との距離に反比例しているようです。

鑑札(訳注:犬を識別する名札のようなもの)はSCP-1111-1の色あせた赤い首輪につけられています。タグは次のように読めます:

忠義(Loyal)

ただ一匹、SCP-1111-1はSCP-1111-2の下で横たわっています。眠っているようにはみえず、もし眠っているのだとしても、目を完全に開けたまま眠ることができます。食事、水分補給、呼吸の一切を行いません。

SCP-1111-2に近づくいかなる人や物にSCP-1111-1が気付いたならば、即座に敵対し、侵入者を破壊しようとします。SCP-1111-1は標準的な犬よりも著しく増大した身体的特徴を有します。録画記録によると、60㎞/hを超過する速度で走り、中空へ向けて6m跳躍し、15㎜チタン装甲を噛みちぎります。SCP-1111-1は霊的な存在のように見えますが、それとして効力を打ち消し、SCP-1111-2をより接近して調査する試みは、どちらも失敗に終わりました。詳細は事件ログ1111-Bを参照してください。

SCP-1111-2は木にかけられた縄の輪で吊るされた男性のように見えます。対象は背広と革靴を見につけています。どちらもメーカーを特定するにはあまりに擦り切れすぎています。SCP-1111-2は首を括った人と同様に絶えず痙攣していて、時折、呼吸をするような喘ぎが聞こえてきます。これらの痙攣の激しさと勢いは、SCP-1111-1とSCP-1111-2の距離に正比例します。両者の距離が広がると、痙攣の頻度と激しさは減少していきます。

日付: 19██年05月02日
█人のエージェントチームが格納施設への輸送のためにSCP-1111-1の無力化を試みた。SCP-1111-1の向いていた方角と反対方向である北側からチームはSCP-1111-2に接近した。エージェント達はSCP-1111-2の300m以内にまで接近することができたが、その地点でSCP-1111-1は立ち上がり警告なしで攻撃してきた。

任務が失敗したと気づいたエージェント████は、エリアからの脱出を開始した。SCP-1111-1は殺意をもって追いかけるが、SCP-1111-2から遠のくにつれて、大きさ、輝度、速度が減少していった。SCP-1111-1とSCP-1111-2の距離が900mに達した時、SCP-1111-2は完全に動かなくなった。この地点でSCP-1111-1も動きを止め、SCP-1111-2のほうへと方向転換した。SCP-1111-1は数秒ほどその場に留まった後一声吠え、SCP-1111-2の下へと駆け戻った。SCP-1111-2は再び痙攣し始めるのが観測された。

事件の録画記録は次のことを示していた。エージェントへの攻撃によって歯や爪が固いと確認できるにも関わらず、SCP-1111-1への発砲された弾丸は接触することなく通り過ぎた。エージェント████は事件から生還したたった一人の人物であった。

O5-█: これ以降、Dクラスと遠隔操作無人機のみでSCP-1111へと接近を試みること。

日付: 19██年05月20日
[削除済]で武装した█人のDクラスがSCP-1111-2へ様々な方向から接近した。事件は前回と同様の展開を見せた。その場にいたDクラス全員をSCP-1111-1は殺し始めた。

事件の間、D-83011は殺される前にSCP-1111-2まで50mというところまで接近することができた。この時、カメラはSCP-1111-2の異常を記録した。痙攣はゆっくりとなり、目を見開きD-83011を視界に捉えた。SCP-1111-2の腕はD-83011のほうに上がり、それは観測者には歓迎の抱擁のように見えた。SCP-1111-1にD-83011が殺される直前、SCP-1111-2の唇が動いたのが認められ、"だめだよ…座りなさい…"("no, down boy")と口にしたように見えた。D-83011が死んだ後、SCP-1111-2は力を抜きいつも通り痙攣し始めた。

O5-█: まるでSCP-1111-2を隔離することがSCP-1111-1を効果的に収容するのに十分だと言わんばかりのようだ。よって、重要な進展を除いて、これ以上の全ての実験は追って通知があるまで中止とする。


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