Information

SCP-1547-027発現中に発見された構造物
Name: ある母の愛
Author: Raihachi
Rating: 2/6
Created at: Tue Mar 24 2020
アイテム番号: SCP-1547
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル
機動部隊シグマ-08("我は勝つ")は、SCP-1547-Aが現在出現している位置を特定するものとします。すべての民間人は治安上の問題を装ってその地域から排除され、尋問を受けるものとします。影響を受けていない民間人は、クラスC記憶処理を施された後に解放されます。1547-プサイ群を含む影響を受けた民間人は、SCP-1547が消失するまで、あるいはクラスB記憶処理を施されるまで拘束されます。
SCP-1547-Aに対しては、消失するまで殺傷力の高い武器を行使してください。その他の収容プロトコルは必要ありません。 更新: 2003年6月現在、SCP-1547-Aに対する武力の使用は許可されていません。ラザク博士によって考案されたプロトコル・ペトルーシュカを、代替として以下に概説します。
プロトコル・ペトルーシュカに基づく現在の収容プロトコルは遵守されなければなりません。1547-プサイ配下の民間人は、日中かつ直射日光の下でのみ拘束されます。いかなる状況下においても、機動部隊シグマ-08または他の非Dクラス職員は、夜間にSCP-1547-Aあるいは1547-プサイに接触してはなりません。
プロトコル・ペトルーシュカに従わない場合、収容違反につながります。SCP-1547に対して行われたすべての実験結果は、ジェスロ管理官およびラザク博士の承認を得るために提出されなければなりません。
プロトコル・ペトルーシュカ: SCP-1547発現が明確に確認された後、適切な人数のDクラス職員1は、機動部隊シグマ-08によって最寄りの存在するサイトから、SCP-1547に最も近接の地点まで護送されます。
Dクラス職員はワイル・テストに不合格(スコア45未満)であった人物でなければなりません。Dクラス職員にはプラスチックあるいは金属製の道具を提供してはなりませんが、保護手袋およびヘッドギアは許可されます。身体障碍を有するDクラス職員の参加が奨励されます。
夜間に、割当てられたDクラス職員を1547-プサイ群に参加させる必要があります。機動部隊シグマ-08はSCP-1547-Aおよび1547-プサイ儀式を綿密に観察し続ける必要がありますが、夜間に直接干渉してはなりません。
民間人は可能な限り日中に拘束し、治療のために最寄りの財団セーフハウスに搬送してください。ただし、1日につき3名以上の民間人を移動させることは許可されません。
現在のステータス: プロトコル・ペトルーシュカが正常に適用されたため、発現期間が245日間延長され、2018年5月まで継続する見込みです。機動部隊シグマ-08は、プロトコル・ペトルーシュカ終了しても引き続き厳戒態勢を維持するものとします。
説明

SCP-1547の発現014中に発見された構造物
SCP-1547は東南アジアの島々、特にスラウェシ島(記録された症例の38%)およびボルネオ島(26%)に関連する現象です。
SCP-1547の発現は、SCP-1547-Aの出現を指します。最新のSCP-1547イベント終結から数日後、SCP-1547-Aは、ここでは"標的"と呼称される人々の集団に対して発現します。異なる標的間に相関関係は認められず、最大の記録された事例では354名に影響を及ぼしました。これに制限があるかどうかは明らかになっておりません。
SCP-1547-Aは、不定な外観の漠然とした人型実体です。目撃者のインタビューおよび現地報告によると、当該実体は身長が約2mで、黒色の毛皮に覆われていると説明されています。2つの漠然としたイヌのような眼の他に、識別可能な顔面の開口部または特徴はありません。SCP-1547-Aは、二足歩行によって歩行する様子が観察されていますが、より顕著なものとして転移能力を有しており、物理的損傷を回避するために当該能力を使用します。SCP-1547-Aは火災や大規模な砲撃といった、当該実体が発現した領域を離脱せずに物理的損傷を回避することが不可能な場合、消失します。あらゆる形態の物理的接触を回避しているため、追跡の試みは成功していません。SCP-1547-Aはまた、日光を避けるために主に夜間に出現し、日中は潜伏しているように見受けられます。
SCP-1547-Aは軽度の幻覚誘発/強制作用を有しますが、この影響はワイル・スコアが70以上(世界人口の1.6%)の人物、あるいはレーガー反強制訓練を受けた人物であれば、本作用に対抗することができる程度に薄弱です。
SCP-1547の強制作用に対抗できない対象は、視覚的な幻覚を報告し、常に背の高い木の構造物が見えるようになります。SCP-1547発現の間、幻覚および衝動に抵抗することができない対象(現在では1547-プサイと呼称される)は、祭壇の役割を果たすと考えられている構造物を組み立て建造することを試行します。同一の構造物は全く発見されていないものの、SCP-1547発現が中断された場合に再出現したしたモチーフが見られました。
構造物が完成すると、稀な場合を除き、1547-プサイ群の大部分は意識不明状態に陥ります2。通常、意識不明に陥らなかった残りの1547-プサイ構成員はSCP-1547-Aを支援し、特にSCP-1547-A、あるいは時として1547-プサイ実例の死をもって完結する未知の儀式に本構造物を使用します。詳細については補遺1547-1: 記録済発現を参照してください。
当該儀式を完了させた場合、即時的な影響は現れません。しかし数時間後、近辺すべての植物、特に被子植物は萎れ始めて枯死します。いかなる植物種も生存できません。影響はこの時点で不可逆的なものとなり、影響を受けた地域においていかなる植物も生育できなくなります。この異常性は動物や菌類には影響を与えません - しかし、局所的な植物個体群の完全な破壊は、特定地域の生態系に壊滅的な影響を与えるため、当該地域の動物個体群は飢餓で死滅するか、影響を受けていない地域に移住せざるを得なくなります。影響を受けた地域は25km範囲まで観測されており、SCP-1547の発生源から離れるにつれて縮小します。
SCP-1547の影響を受けて1547-プサイ群に参加した民間人は、治療を受けた後、SCP-1547の影響下での活動を思い起こすことが可能ですが、広範囲な聞き取り調査では結論は出ていません。民間人は一般的に、食生活の著しい変化および農業活動への著しい嫌悪感以外に永続的な影響を呈しません。
補遺1547-1: 記録済発現
発現001
場所: サラワク州セリキン、農場労働者として働き、共同生活を行う8名の男性グループに発現。
期間: 推定7日間。
背景: 最初期に明らかになった発現 - SCP-1547がこれ以前に何回発現したかは不明であるものの、3回以下であると考えられている。財団は予想される異常発生の時点では通知されなかった。当該記録は、関係する民間人が彼らが築造した構造物の周辺で意識不明に陥っているところを発見された後に入手し、警察の事情聴取および物的証拠に基づいて作成された。
説明: 大型のイチジク(Ficus obliqua)の樹木は樹皮を剥ぎ取られ、枝からすべての葉を除去された。円形の溝(半径約5m、深さ約2m)が樹木の周囲に掘削され、すべての除去された葉は溝の内部に配置された。8名の男性はが溝の周囲に等間隔で立ち、同時に排尿した後に意識を失った。本記録はイベント後の事情聴取から作成されたたため、その後に何が起こったかについての記録は入手できていない。
推定影響範囲: 半径約1.5km。
発現002
場所: ミンダナオ島イピル近辺、人口約30名の村で発現。
期間: 2日間。
背景: 村民の1名はワイル・スコアが92であり、SCP-1547の影響に抵抗して関係当局に通報することが可能であったとされる。警察に対する供述の中で、彼女は友人や家族の突然の強迫行為に恐怖を覚え、村人たちを覚醒させようと数時間試みた後、車で最寄りの村まで来たと説明した。予想される異常発生の通知を受けたものの、本報告も同様に、民間人への事情聴取および警察の報告があった後で初めて入手可能であった。
説明: 複数本のビンロウジュ(Areca catechu)が掘り起こされ、無人の学校のサッカー場に各辺が5×5となる正方形が、約5m間隔の配列形式で配置された。各区画の中央にはビンロウでできた小型のピラミッドが組み立てられており、例外として中央の正方形には深さ約3mの四角形の穴が掘られ、水が満たされていた。内部は村人たちが噛み潰して穴に吐き出したビンロウの果汁で赤く染色されていた。SCP-1547-Aはその上で穴の中に水没し、その後村人たちは意識を失った。
推定影響範囲: 半径約3km。
発現005
場所: 海辺の集落、サンキマの近辺に位置しており、4名に発現。
期間: 3日間。
背景: 大規模水域近辺で観測された初めてのケースだった。
説明: いくつかの流木の枝を蔓で縛って即席の筏にし、これによりSCP-1547-Aは海上へと漂流していった。その後、筏を分解して沈没させる様子が観察された。特筆すべき点として、SCP‐1547は近隣海域の海草に影響を及ぼさないように見受けられる。
推定影響範囲: 半径約20km。
発現012
場所: 南スラウェシ州のスターアップル(Chrysophyllum cainito)果樹園、3名の労働者が影響を受けた。
期間: 6時間後に終了。財団の介入により完了は阻止された。
背景: 壊滅的な影響が要因となり、初めて財団がSCP-1547の完遂を意図的に中断させた。瞬間移動は以前より記録されていたが、本発現はSCP-1547-Aの再発現に関する以前の仮説を覆した。
説明: 果実は採取されて岩を用いて潰され、その結果生成された液体は平坦な道路上に慎重に稲妻状に広げられた。この時点で財団エージェントが介入し、1547-プサイ配下の民間人全員を拘束した。SCP-1547-Aは消失し、ジャカルタの集合住宅内に再発現した。
推定影響範囲: N/A
発現013
場所: ジャカルタ東部のクラマト・ジャティにある集合住宅
期間: 3時間。
背景: 財団は儀式の完遂を妨害することに失敗。
説明: N/A
推定影響範囲: 半径約3km。
補遺1547-2: ラザク博士からの書簡
ジェスロ管理官宛
SCP-1547との幸運なことに稀な交流のせいで、我々は比類なきジレンマに直面していると考えています。
SCP-1547はあまり知的ではないようです - 日光や銃声、およびその他の物理的接触に対して原始的な恐怖を覚えます。私は、それが避けているのは人間だけでないことに着目しました - 我々に渡っている記録の中では、今のところ3回、野ウサギや特定の鳥に対しても物理的な消失反応を引き起こすことが示されています。
現在、SCP-1547の起源に関する情報は0件です。現地の民話、観察されたイベントの儀式的な性質、および実施されたインタビューなどから、その起源には超自然的な要素があると私は考えます。しかしながら、SCP-1547には我々がすでに観察してきた以上のものはほぼ無いように見受けられます。私は薄弱な心理的影響力および瞬間移動はその能力の限度であり、宗教的あるいは神話的起源を有する他のSCPのような現実改変能力は保持していないと考えます。もしこれが神格的実体であるならば、かなり弱いものです。
ご存知のように、SCP-1547の最も強力で直接的な影響は現地の植生に対してのみに現れるのです。SCP-1547はこれまでのところ、財団の監視下において7年間に16名の死亡を発生させるに止まり、そのうち11名はDクラス職員でした。しかしながら、死亡率が比較的低いことを安全性の指標とすべきではありません。なぜならば、"儀式"が一度実行されてしまった場合、SCP-1547の影響を元に戻す方法は発見されていないからです。影響を受けた土壌試料の分析では、化学的および生物学的組成は影響を受けていないため、広範囲の植生破壊の理由は分かっていません。
それならば解決策は非常に明白です - 儀式の完了を妨害することで、SCP-1547が実施可能な唯一の影響を打ち消すのです。
ここが厄介なところです - 先に述べたように、SCP-1547はあまり知性的ではないようです。恐らく感覚は有しており、ある程度知恵はあるのかもしれませんが、最も賢いという訳ではありません - そして私がすでに指摘したように、ひどく扱いづらい存在です。当初、SCP-1547は殺傷力の高い武器を行使された後に消失するため、その行使によって本現象の試行を中止するだろうと考えていました。
このことから1つの大きな問題が発生します - SCP-1547がどこへ向かうのか明らかでないことです。現在のところ、追跡装置を取り付ける方法は発見されておらず、特定の規則に全く従っていません。初期の収容試行において、SCP-1547は主にボルネオ島を中心とする人里離れた小さな村を素早く動き回るのみで、影響を受けたのは最大でも10名ほどでした。しかしながら、SCP-1547に対する敵対的な反応がそれを少しずつ大規模な集落や町、そしてより都市部へと追い立て、最初に観測され始めた地点からますます遠くへとに出現し始めました。ある目撃情報によりジャカルタの集合住宅にたどり着いた際、我々は問題を抱えていたことが分かったのです。
人口密度のより高い都市部へ移動するにつれて、目撃情報を隠蔽することはますます困難になります - "儀式"に必要な構造物の建設速度は、より多くの人々が曝露して1547-プサイ群に加わるという単純な要因で加速します。最初に観察されたSCP‐1547発現時、1547-プサイを構成していたのは10名であり、妨害を受けなかったため、完了に約6日を要しました。ジャカルタのインシデントではおよそ300名が被害を受けました - 財団職員がSCP-1547の位置を特定したのは、最初の目撃からわずか2時間ほどしか経過していませんでいたが、手遅れでした。建設プロセスを妨害し、民間人を拘束し、構造物を破壊しました - そのすべては消失および建設プロセスを加速させることが可能なより人口密度の高い居留区への再出現という結果に終わりました。同時に、構造物の完成を許すことは、我々が回避したい不可逆的荒廃につながります。
繰り返し示されているように、SCP-1547は必ずしも妖精の瓶の中で最も輝いている精霊ではありません。プロトコル・ペトルーシュカはこれを利用しています - SCP-1547は日中に発現するので、築造を妨害するような方法で構造物を破壊しても安全です。
ペトルーシュカ・プロトコルは慎重に編集されています - 構造物の完全な破壊および明確な損傷は回避されます。1547-プサイ集団が素手のみを使用しているように、道具を使用することなく達成できる妨害行為は、発覚を回避する唯一のものなのです。最も単純な人工の道具を必要とする人為的損傷 - 単純な刃、木槌、さらには炎でさえ - 重大な妨害行為と見做されます。ここでは複雑さは我々の味方ではありません。
もちろん、これは大いに非効率的です。これは本当に上手く行く唯一の方法でもあるのです。
記載事項に従えば - 私たちは安全です。記載事項および規則に違反すれば - 我々は曝露あるいは環境破壊のいずれかのリスクを負うのです。
ある意味で、プロトコル・ペトルーシュカは単なる時間稼ぎの方法です。通常ではSCP-1547-Aが完了するのに1週間ほどかかりますが、今や数ヵ月にわたって長引いており、現在の発現は最大で1年間続く可能性があると我々は予測しています。もちろん、これは恒久的な解決策ではありません - 僅かながらも、漸進的な進展はそれでもなされています。しかしながら、これはSCP-1547を収容する上で発見されている最も安全かつコストのかからない方法であり、そのひどく基礎的な奇行を満たしているのです。
ある意味で、我々は自らの手で準宗教的な儀式を創造し、小さな神格を宥めると同時に悪い結果を回避することを試みているのです。このようにして昔の先祖は儀式を創造したのでしょう。結局のところ、単に神を鎮めるだけのものでないとしたら、儀式とは何なんでしょうか?確かに小さな神格ですが、それでも鎮まりました。
プロトコル・ペトルーシュカは科学的かつ神秘的に聞こえますが、単なる儀式に過ぎません。これが私の考案した収容プロトコルの本質を明瞭にできれば幸いです。
敬具
ラザク博士