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Name: 風に吹かれて
Author: Kevin Nguyen_JP
Rating: 10/12
Created at: Fri Apr 25 2025
特別収容プロトコル

台湾西部、雲林県で記録されたSCP-190-VN。

SCP-190-VN-Aを製造する試験装置。
財団は、SCP-190-VN-Cが設置されている地域に潜入エージェントを配置し、当該機器を一般市民の視界から遮断してください。ヴェールの外側の異常現象作戦は、CNĐLT-100-VN1 (要注意団体「春光」(はるひかり) の代表者)と共同で維持されます。
説明
SCP-190-VNは、物体を航空輸送する能力を有する異常な装置群に対する指定です。SCP-190-VNの構成要素は以下の通りです。
SCP-190-VN-A: 実験環境で製造された気球群の異常物体。軽量ヘリウムガスと窒素を混合充填することで、安定した気流効果を発生させ、飛行プロセスを維持します。さらに、異常物体の外殻には太陽エネルギーを吸収するナノコーティングが施されており、ヘリウムの損失を自己補填し、飛行中の気球破裂を防止します。SCP-190-VN-Aの外観は通常の気球と同様で、長期使用にも安全です。ただし、内部には超小型センサー装置が内蔵されており、SCP-190-VN-Cとの連動輸送プロセスに用いられます。
SCP-190-VN-B: SCP-013-VNの異常特性を完全に除去したものです。SCP-190-VN-BはSCP-190-VN-Aの下部に緊結されています。
SCP-190-VN-C: C.R.Y.C.H.I.C2の識別子を持つ装置です。本対象はSCP-190-VN-A専用の小型固定収容室であり、当初は要注意団体のCNĐLT-100-VNによって製造されていましたが、SCP-190-VN輸送プロセスへの適応性向上のために財団に量産権が移譲されました。SCP-190-VNを起動するには出発地と目的地の2台のSCP-190-VN-Cが必要であり、6.1GHzから7.5GHzの異常周波数帯で動作します。この電波は通常の無線信号による干渉を受けず、強磁場や高ノイズ環境下でもSCP-190-VN-Aとの接続を維持できます。さらにSCP-190-VN-Cは前述の内蔵センサーを介してSCP-190-VN-Aの航路制御が可能です。
SCP-190-VN標準輸送手順は以下の工程です:
準備完了後、SCP-190-VN-Cは継続的に周波数を発信し、半径約200km圏内でSCP-190-VN-A異常物体群との安定した結合場を形成します3。SCP-190-VN-Aはこの結合場に沿って移動します4。
輸送経路上において、SCP-190-VN-A表面の太陽エネルギー吸収ナノ層は波動と反応し、自動調整プロセスを活性化します。これにより異形体の飛行位置と速度が安定化され、同時にヘリウムの自己補填システムが性能が最適化されます。
SCP-190-VN-Aが目的地に接近すると、現地のSCP-190-VN-Cが応答信号を発信し、SCP-190-VN-Aを所定の位置 (誤差1〜5m以内)に誘導します。
補遺190-VN.01
発見経緯
SCP-190-VNは、SCP財団と要注意団体「春光」の共同開発により生み出されました。この協力関係は、(ヴィン・フック省、2019/2)クアン・ソン村クアン・クー地区の住民の間で、最初の異常個体が出現した事案を財団が確認した後に確立されたものです。当時、財団のウェブ解析システムは、当該異常個体に関連する複数のソーシャルメディア投稿を検知していました。
(ヴィン・フック省、2019/2)クアン・ソン村クアン・クー地区の住民の間で、ここ数日、不透明な白色の風船が空に浮かんでいるという話題で持ちきりです。不可思議なことに、これらの風船は通常の風向きに従わず、あたかも自ら進路を調整しているかのように見えるため、多くの人々が不安を感じています。
レ・ティ・ハインさん(62歳)は、村の住民の一人として、不可思議な風船の体験を語りました。1個の風船がなぜか戸の隙間を通り抜け、台所に約1時間も浮かび続けた後、ゆっくりと飛び去っていったといいます。さらに注目すべきは、風船の紐の先に小さな袋に入った牛乳がぶら下がっていたことです。「不気味で触れません。誰が風船に牛乳をぶら下げるのでしょう? まるでまじないのようです。」とハインさんは語っています。彼女だけでなく、村の他の住民たちも同様の現象に遭遇したと証言しています。
この状況を受けて、地元当局は住民に対し、特に子供や高齢者のいる家庭では、風船に吊るされた牛乳を使用したり接触したりしないよう勧告を出しています。また、地元当局は住民からの報告を受け取っており、この現象について調査を進めていると述べてです。
(詳細は3ページへ)
補遺190-VN.02
会話経緯
異常現象発生現場に配備された当局のエージェントは、直ちに調査を開始。その結果、1名の日本人観光客が要注意人物であることを特定しています。この時期に外国人旅行者が極めて稀な地域であったことから、同人物が異常現象との関連性が疑われており、関係当局は緊急で事情聴取を実施しました。
インタビュー記録
対象
CNĐLT-100-VN
実施日: 2019/02/16
場所
CNĐLT-100-VNが現地で賃貸していたアパートです。一週間の事前監視の結果、対象者は財団の存在を認知しており、自発的に事情聴取に応じました。身元調査により、CNĐLT-100-VNは要注意団体「Are We Cool Yet?」の元メンバーであった若葉 睦(20歳)であったことが判明。対象者は一年間在籍後、勢力を離脱しフリーで活動しています。
<抜粋開始>
要楽奈研究員
こんにちは。ご協力いただき感謝します。
CNĐLT-100-VN
[研究者にお茶を勧める] ええ。皆さんが自分から来てくれたのは助かります。私もあなたたちがベトナムのどこで活動しているのか分からなかったので。
要楽奈研究員
ではまず、私は要楽奈、財団の研究員です。お名前を教えていただけますか?
CNĐLT-100-VN
ありがとう、要さん。私は若葉睦です。私たち、だいたい同い年みたいですね。
要楽奈研究員
そうみたいですね。資料を見ると確かに私たちはほぼ同年代です [軽く笑う]。
CNĐLT-100-VN
[突然顔を赤らめ、動揺する] 待って…ちょっと待って――どうして要さんは私の名前を聞いたんですか?
要楽奈研究員
基本的な手順ですよ。最初に簡単な質問をして、対象者の態度を見て、状況に応じて柔軟に対応するためです。でも、若葉さんはとても話しやすい方みたいですね [瞬き]。
CNĐLT-100-VN
[視線を避けるように研究者の顔をそらす] それなら…良かったのかな?
要楽奈研究員
[軽く頷く] とても良いです。では、インタビューを始めましょうか?
CNĐLT-100-VN
[咳払いして落ち着きを取り戻す] はい…どうぞ。
要楽奈研究員
若葉さんが以前の元組織を離れた理由は?
CNĐLT-100-VN
良い施設で、たくさんの人と仲良くなれたけど…ただ、離れたかったんです。平和すぎて、なんかちょっと――。
要楽奈研究員
ギャップ・イヤーみたいなものですか?
CNĐLT-100-VN
まさにそれです! ありがとう、要さん。私自身も、自分の国以外の場所に行ってみたかった。まずは東南アジアから。
要楽奈研究員
日本の異能者が多国間を旅し、行く先々に自分の「作品」を残す… 財団の視点からすると、グローバルな犯罪者に見えますね。
CNĐLT-100-VN
そ…そんな―― [声がわずかに震える] でも私の作品は…人々を傷つけるものじゃないはずです…
要楽奈研究員
まあ、そういうことにしておきましょう。ところで、元組織を離れるのは大変だったでしょう?
CNĐLT-100-VN: 実は数人の仲間と自発的に離脱したので…それほど苦労はなかったです。だって「Are We Cool Yet?」の流儀5が私たちの好みに合わず、しかも活動の度に許可申請が必要で…異能者なのに書類仕事に縛られるなんて、本末転倒だと思いませんか?
要楽奈研究員
今回のプロジェクトの参加人数は?
CNĐLT-100-VN
現在は私が単独で作品を制作しており、他のメンバーは別の場所に…
要楽奈研究員
具体的な数字を。
CNĐLT-100-VN
5人です。ただし全員が異能者というわけでは。
要楽奈研究員
いろんな人がいるグループなのね。興味深い。
CNĐLT-100-VN
私たちは「人々の信仰心」を追求したいんです。要さん、現代社会におけるメディアの影響力をどう思います?
要楽奈研究員
ふむ。。。似たような団体は既にあるのでは?参加申請は考えなかったの?
CNĐLT-100-VN
彼らのように多分野に手を出すつもりはなく、広告とポジティブなメッセージの拡散に特化したいんです。
要楽奈研究員
調査済みよ。確かに危険性は低いけど、作品の伝達方法が少々…拙いわ。この辺りの農村部では、ほとんどの住民があなたの作品を「まじない」と誤解している。それに無料の宅配食品まで付けてたら――。
CNĐLT-100-VN
[深いため息] そうだったんですか…昔の人々が喜んでくれたように、と思っただけなのに。
[CNĐLT-100-VNはスマートフォンを取り出し、研究者に動画を見せる。]
要楽奈研究員
なるほど、そういうことだったのね──。
CNĐLT-100-VN
ええ。私たちは人々にこんな「魔法」を届けたかったんです。あのCMを見た時、役者の演技の真偽に関わらず、現実であんな表情を見てみたいと思った。牛乳についてはベトナムの企業と協力して「あの誘引成分」を除去しました。伝達手段の失敗だったわね、残念です。
要楽奈研究員
初期費用も相当かかったでしょう?
CNĐLT-100-VN
[頷く] 今のところ、元組織を離れた際に安定した資金を確保できたことと、過去の作品の販売収入で賄えています。自分たちの過去を清算する意味もあって。長期的には慈善団体と提携したり、広告主の需要に応える形で── [微笑む]。
要楽奈研究員
[同調して笑う] マルチ商法みたいにならないようにね!
CNĐLT-100-VN
大丈夫、団体の理念に沿った案件だけを受けるつもりです。
要楽奈研究員
ところで、どうやってあの連中と連絡を? 財団であの乳製品メーカーの生産拠点は全て押さえたはずですが。
CNĐLT-100-VN
_[瞬き]_敵の敵は味方ですよ。
要楽奈研究員
最後の質問です、若葉さん。なぜ?
CNĐLT-100-VN
それが私たちの流儀です。
<記録終了>
付録190-VN.03
協同作戦
CNĐLT-100-VNの協力的な態度と、要注意団体「春光」が財団に対して敵対的行動を取らない可能性を鑑み、O5評議会は近い将来における同団体との協力関係構築を決定しました。
SCP-190-VNには、財団の技術力をもって異常性物品としての開発支援を実施しています。ベトナムおよび東南アジア圏の貧困地域への展開プロセスも開始されています。SCP-013-VNには、地域の有名乳製品ブランドを模した偽装ラベルを貼付し、情報秘匿を達成しています。さらに、過去に実施されたボランティア牛乳配布キャンペーンの再開という偽装ストーリーの構築にも成功しています。SCP-190-VN発生地域のニュース報道も、これに合わせた偽装情報に改ざんされています。