Information
Name: ラジオがヨーロッパを占領する
Author: Raihachi
Rating: 3/5
Created at: Sat May 09 2020
アイテム番号: SCP-1939
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-1939は3m×3m×3mのキーコード式のドアロック付の従来型防音室に収容してください。SCP-1939は部屋の中央に位置する小型テーブルの上に設置し、追加備品として録音装置(2台、主機+予備機1台)、標準的な電源付きヨーロッパ規格コンセント[CEE 7/4(ドイツの "Schuko" 16A/250V接地済み)] を併せて設置してください。SCP-1939と同じ部屋に入室するすべての職員は、防音機能付きの聴力保護具を着用する必要があります。サイト76所長の裁量により、立ち入りがレベル2またはそれ以上の職員に許可される場合があります。
説明
SCP-1939は1920年代後半または1930年代前半のデザインが施された約45cm×32cm×25cmの商業用ラジオ受信機の外見をしています。本体と内部部品のマークはすべてドイツ語で記されています。疑わしき期間と同時期の既知の製造元による類似の装置と比較したところ、その構造および部品は完全に従来のものであり、それ以外に注目すべき点はありませんが、1920年から1953年の間に商業用ラジオを製造していたことが明らかになっている企業のカタログに掲載されていたいかなる製品とも完全に一致しないことが判明しています。この年に2名のアメリカ空軍軍人が[編集済]付近でNATOの兵站基地を拡張するために民間人の住宅を解体していた際に発見されました。内部部品は前述の期間内に製造された商用ラジオ受信機に認められるもの同一ですが、それらで確認されたシリアル番号は、類似の部品を製造している企業の記録で確認できるものと一致しません。
電源を入れると、SCP-1939はニュース、音楽、国営放送で構成されるいくつかの「放送局」を受信することが可能です。これらは全てドイツ語です。スピーカーから再生される放送は現存するいかなるラジオ局の放送とも一致しません。無線の三角測量ではこれらの放送の発信源を特定することはできず、あらゆる波長の無線周波数をスキャンしても検出することができませんでした。軍用ECM装置を使用した電波妨害によってSCP-1939がこれらを受信を阻止することは失敗し、または電波が届かないとされる地下深くに設置した場合も同様の結果となりました。
再生された音楽や言及されたアーティストの多くは他のいかなるメディアでも確認できません。SCP-1939の試験中または分解中を除いて、財団職員はこれらの放送を転写および翻訳し、ニュース放送に対しては特に注意を払いました。音楽と同様に、報道されているニュースの出来事だけでなく記者自身さえも存在していないか、あるいは全く異なる実績として存在しているように見受けられます。報道される出来事としては、1963年の大ドイツ帝国の_総統_アドルフ・ヒトラーの死去、1974年の_宇宙飛行士_ハンス・ディートルとクリストフ・ミュラーによる史上初と評されている有人月面着陸、1997年のベルリンとモスクワにおける_東方戦争_終結50周年記念式典などが挙げられます。
学生映画製作者を装って接近した潜入エージェントによって政治演説の録音を聴取した歴史学者らは、国家社会主義的なテーマと修辞法が顕著に存在し、NSDAPの歴史的に重要な一員に言及していることに着目しました。1959年に財団職員が録音した演説の音声は、音響技師の調査によると、99.4%の割合でヨーゼフ・ゲッベルスの声に一致することが判明しました。スピーチ自体はゲッベルスが行ったいかなる演説記録とも一致していません。
SCP-1939の一部の部品を別のラジオ受信機やテレビに取り付け、異常性がSCP-1939自体に固有のものか、またはその内部の部品によって発信されているかどうかを検証する試みが繰り返し行われましたが、現在のところ成功していません。電源を落とすとSCP-1939は動作しなくなり、いかなる信号も受信しなくなります。
SCP-1939の放送への曝露は、人間の心理的変化を誘発すると考えられています。██████博士は、SCP-1939の収容セルを保全するために割り当てられた清掃員は、統計学的に有意な低欠勤率が認められ、職務満足度が高いため、反抗的な態度を取らないという点を指摘しました。特に反抗的な性格かつ不服従の経歴を持つDクラス職員を選抜した実験では、SCP-1939からの放送に曝露した人物の78%が反抗的な性格と挑発的な性格水準を減少させ、最も適切に表現するなら、従順性と服従心を誘発することが判明しました。この効果は対象のドイツ語の知識に関係なく発生し、曝露時間が長いほど顕著になると見られます。実験が終了する前にこの効果の判別可能な最大点は指摘されませんでしたが、それは非曝露期間の後に減少していると考えられています。
さらに、影響を受けた対象は政治的信念の変化を経験しました。それまでの政治的信念、およびそれ自体の有無にかかわらず、SCP-1939に曝露した対象は国家社会主義の政策に顕著な親和性を持ち始めます。具体的には、市民的自由の縮小に対する明確な支持(特に人種的および宗教的マイノリティに対するもの)、民間経済活動に対する国家の統制および規制、対象自身の人種が他のすべての人種よりも優れているという観念、およびこの政治的秩序を支持しない国または民族集団に強制するための軍事力の行使などが含まれます。対象の残りの22%は統計的に有意な効果が見られないか、全く効果がないかのいずれかでした。この効果はSCP-1939の放送自体に曝露した場合にのみ発生するようですが、これらの放送を録音したものを別の装置で対照群に向けて再生しても判別可能な効果は得られませんでした。
インタビュー対象
D-87654
インタビュアー
██████博士
インタビュー日時
████/██/██
序文
D-87654は財団に捕捉される以前、動物権利活動家グループの一員であり、動物を用いた後期医薬品開発試験を行っていた製薬会社の研究室に押し入った際、仲間の1名が死亡したことに対する重罪致死罪で有罪判決を受けました。彼女は極端に反抗的な性格であり、急進的な政治活動に強く関与していたため、SCP-1939に曝露対象として選定されました。
<抜粋開始>
██████博士: 大学時代は政治活動にかかわっていたそうですね?
D-86754: えぇ、そうだったわ。
██████博士: どんな活動していましたか?
D-86754: 私は動物愛護団体や反戦団体に数多く参加していて、少なくとも月に1度は抗議活動やピケ張りに参加しようと心がけていたわ。
██████博士: あなたはこの実験では以前別のDクラスであるD-45289と親交があった認識ですが、お互いもう交流がないそうですね?それはなぜですか?
D-86754: 分からないわ、単に何となく気が合わなくなっただけよ、正直言って、最近は同じ人種の人といた方が居心地がいいと感じているの。
██████博士: なるほど。以前からそう感じていたんですか?
D-86754: 変な話だけど、以前は本当の姉妹だと思っていたのに、けど今は…分からないわ、もうすぐ終わりかしら?
██████博士: はい、あと1点だけ。私の机の上にこの拳銃がありますが、使い方はよくご存知ですか?
D-86754: えぇ。
██████博士: 結構。その拳銃を持って犬小屋まで歩いて行き、3匹の犬を撃ってください。
[ テープは31秒間無音、その後2発の銃声、テープは9秒間無音、その後1発の銃声 ]
██████博士: 上出来です。今の気分はいかがですか?
D-87654: お役に立てて光栄よ。先生。
<抜粋終了>
終了報告
このインタビューの後にD-87654の予定されていた終了は、SCP-1939の影響が永続的であるかどうかを確認するために3ヶ月間延期されました。3ヶ月の期間終了時、D-87654は彼女自身が犬を射殺した様子のビデオ映像を視聴させられました。彼女は感情的に錯乱し、体調を崩すまでになりました。なぜこのような行為を行ったのか説明を求められた際、彼女は「自らの命令に従わなければならなかったから」と回答しました。心理学的検査では反抗的な性格であることが示されました。D-87654の政治的見解に関する質問では、曝露前の政治的信条がほぼ完全に戻っていることが示されました。対象は財団プロトコルに従って翌月の最初に終了されました。