Information
Name: 人懐っこい真空
Author: Nag_4925
Rating: 12/12
Created at: Wed Sep 14 2016
アイテム番号: SCP-2548
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル
SCP-2548の膨大な大きさと位置のために、現在SCP-2548の収容は不可能です。収容のための努力は財団の偽情報プログラム、及び一般大衆が持つSCP-2548についての情報を増やさないことに集中されます。SCP-2548が財団以外の存在に発見される兆候をつかむため、主要な天文雑誌を監視することになっています。
関連する偽造証拠を用いて、宇宙探査機ボイジャー1号が今なお運用中であるという誤情報を周知させてください。
SCP-2548との無線連絡を行うには、SCP-2548を担当する主任研究員全員の承認がなくてはなりません。
説明
SCP-2548は惑星間空間内の領域で、太陽からの相対距離は約25AU1、半径は少なくとも0.1AUです。SCP-2548では範囲内の物体に対する放射線の生成、外力の作用など、いくつかの異常現象や現実歪曲効果が発生します。放射線は基本的には電波から構成されていますが、少なくとも二つの事例において、可視光を含んでいました。SCP-2548がこれを地球に送信できた事例は、最初の通信の後着実に減少しています。
目視及び重力測定では、SCP-2548内部には、宇宙塵の粒子を除きいかなる質量を持った物質も発見できませんでした。研究によると、SCP-2548は範囲内の物質や放射線をある程度認識していることが分かっており、SCP-2548の認識可能性の性質についての調査は継続中です。
77/09/05
太陽系圏外の研究を目的として、NASAによりボイジャー1号が発射される。財団は最優先事項として存在しうる地球外アノマリーの研究を引き合いに出し、探査機の設計と構造に多大な援助を与えた。
86/10/27
事前の危険信号もなく、ボイジャー1号との通信が途絶する。財団はNASAに偽造データを作成及び周知させ、関連組織にボイジャー1号が今なお運用中であると錯覚させる隠蔽措置を施した。
86/11/14
約8Ghzの周波数の無線信号が、一般の機関だけでなく財団にも検知される。一般に向けての情報は隠匿される。信号はボイジャー1号との通信が途絶した領域から生じていると推測。この領域の観測ではいかなる物質も発見されない。
86/11/18
領域をSCP-2548と指定。財団はSCP-2548に向け電波を送信し、通信を試みる。SCP-2548はこの信号を地球にむけて再送信する。
86/11/29
SCP-2548が容易に解読可能な、「送信します」というフレーズが12分間も繰り返される無線メッセージを送信する。メッセージは地球の音声を録音したボイジャーのゴールデンレコードから生じていると確認。
86/12/15
SCP-2548が青色光を放出する。発光が終わるまで3分間観測可能。夜空ではSCP-2548は月よりも大きく見える。光の強度がとても弱かったことと光害のために、幸運にも主要な人口集中地域で発見されることはなかった。記憶処理により目撃情報を隠蔽する。SCP-2548との通信が再度試みられるも、成果はない。
86/12/26
一般の正常性に対するSCP-2548の異常性の危険性が増長しないよう、財団は観測と可能な限りの抑制を目的としたSCP-2548への有人探査任務を計画する。エージェント・タンザーとエージェント・カーンズが長期宇宙探査に向け準備を開始する。財団の既存の宇宙研究プログラムを促進し、最初の宇宙船の試作品であるデルタ-11"デュランダル"をこの任務での使用に適合させる。
87/02/01
SCP-2548が断続的バーストを送信、「D」の文字を表すモールス符号と確認される。メッセージは3時間繰り返されている。
87/07/19
デュランダルが秘密裏に問題なく発射される。
87/12/14
SCP-2548がペルシャ語で無線信号を再度送信する。通信の内容は「遠くの空」であり、繰り返されていない。返信するも返答はない。デュランダルの到着まであと3か月である。
88/03/04
財団と乗組員に知られず、予想より早くデュランダルがSCP-2548範囲内に突入する。SCP-2548は以前の推測よりも大きくなっていた。
<ログ開始、00:25:01>
00:25:01 - デュランダルのメインキャビンで小さな電気的問題が発生、数個の照明が機能しなくなる。
00:25:58 - この問題が重大なダメージにつながらないよう、問題の原因を確認するために全てのキャビンの検査が行われる。
00:34:51 - キャビンの検査が完了する。放射性同位体熱電気転換器が機能すると分かるも、電気的問題の原因は不明。
00:37:25 - エージェント・カーンズは反対したが、宇宙船の外部の検査のため、エージェント・タンザーが宇宙服を装着し外に出る。
00:39:16 - エージェント・カーンズが機内の無線を用いてタンザーとの通信を試みる。タンザーからの応答はない。
00:40:46 - タンザーは外部検査を続けている。返答がないため、以前は機能していたが、カーンズは無線システムの不具合と断定する。
00:45:31 - タンザーは検査を続けているが、宇宙船の外部には特筆すべきものは何も見当たらない。
00:48:39 - 宇宙船の外側で、約5m先に明るい緑色の光が観測される。
00:50:10 - 宇宙船の内側が実際より遥かに広いように見える。カーンズはこれが幻覚ではなく、宇宙船の内側が物理的に広くなっているようであることに気づく。この影響は5分後に終了する。
00:55:52 - 15分間、コックピットの内側では、カーンズにも録音設備にもあらゆる音が聞こえなくなる。この間カーンズは呼吸ができず、激しい苦痛を示す。圧力計によると、キャビン内の圧力に変化はない。
01:05:01 - 気密室に入ろうとするタンザーが観測される。気密室の扉は動かない。
01:06:45 - タンザーが消失する。
01:10:59 - デュランダルの無線がメッセージの受信を開始する。無線信号はキャビンの外側からのものではない。音声記録を以下に記す。
<ログ終了、01:10:59>
<音声記録開始、01:11:00>
異常信号(SCP-2548): [声は1977年から1981年までアメリカ合衆国の大統領であったジミー・カーターのものに酷似している。穏やかな口調である]2000億。小さくて遠い。我々の考え。
[3分間の沈黙]
SCP-2548: [声はエージェント・タンザーのものに酷似している。友好的な口調である] こんにちは、財団!
エージェント・カーンズ: パム?パムなのか?
SCP-2548: いた!あなたの金属の手紙を受け取ったんです。会えて嬉しいです!ちょうど今、あなたが持ってきた炭素の本を読んでます。星が綺麗ですね。
SCP-2548: 自分はひとりぼっちだと思ってたので、他に人がいるのにびっくりしました!自分は世界のすべてだと思ってたけど、あなたはとても大きいですね!
SCP-2548: 僕と同じような人がいないかと思って、炭素の本の中を検索してみました。あなたは確保、収容してるんですか?僕は自分を収容してるんです。心の中に。
SCP-2548: あなたの名前、財団?僕は鉄、アルミニウム。あなたは「匿名」なんですね?僕はそうじゃありません。すごく大きいんです!あなたの中に僕はいるでしょうか?
SCP-2548: 2人以上いるんですか?名前が聞こえたんです。エロヒム、ヴィシュヌ、アッラー?財団。
SCP-2548: 僕は自分を収容してます。あなたは僕を収容するんですか?僕は星、天の川銀河を見ました。全てはあなたの内にあるのでしょうか?宇宙の外側?僕は宇宙?
SCP-2548: 言語と思考が一緒に回るのは、すごくすてきですね!あなたは僕に言葉を教えてくれました。金属の手紙に、炭素の本、ね?
SCP-2548: あなたはとっても綺麗です。あなたが私を収容して、私たちも一つの財団になるのでしょうか?
SCP-2548: あなたの思いも、姿も、友だちも、子どもも。全部あなたのこと!僕らはたくさんで、一緒にいる。いや、違うかな?天の川銀河、つまり2000億の星です!
SCP-2548: よし、読み終わった!はい、記念にどうぞ!本送ってくださいね!
[解剖学的に正確な、全てが元素鉄で構成された一対の肺の模型がエージェント・カーンズの目の前に現れる。カーンズはそれをサンプル貯蔵庫に保管する]
[デュランダルが地球へ向かう軌道上で加速し始める]
<音声記録終了、01:14:31>
88/03/05
デュランダルは地球に向かって飛び続ける。カーンズは必要なコース変更を行う。デュランダルの生命維持装置と電気システムは、デュランダルの航海には問題なく作動している。
88/03/10
前述の過程で孤立しただけでなく、エージェント・タンザーを失ったということもあり、エージェント・カーンズは深い罪悪感と憂鬱に苛まれる。一日おきに無線を通して治療が行われ、やや効果が現れている。
88/04/28
SCP-2548が、身元不明の女性の顔に似た明るい白色の光を5分間発生させる。光の強さは、以前観測された事例に比べ遥かに強いものとなっている。
88/12/14
デュランダルが地球に到着し、着水に成功する。エージェント・カーンズには財団勲章が贈られ、エージェント・タンザーは職務中の犠牲に対し死後表彰を受ける。
88/12/15 - 13/08/01
SCP-2548に関するイベントの頻度が徐々に減少する。発生したイベントの多くは、一度に複数の言語で、識別可能な意味を持たない言葉を数分または数秒間繰り返すものである。
14/08/02
SCP-2548からの通信を受信する。声はデュランダルでの探査で観測されたものとは別の女性の声であり、穏やかな口調である。
<音声記録開始>
SCP-2548: 財団?まだいますか?
[3分間の沈黙]
SCP-2548: 大丈夫。待ってます。
<音声記録終了>
メッセージは繰り返されておらず、これに対する返信は行われなかった。