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SCP-3120と同一モデルの端末。
Name: ヘルプデスク
Author: nativedance
Rating: 28/30
Created at: Sat Jul 20 2019
アイテム番号: SCP-3120
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル
SCP-3120は電源を切り、サイト-81の通信局オフィス内の貯蔵ロッカーに保管します。各財団セキュリティ施設の管理職員のうち1名は、レベル5/3120クリアランスが付与されるとともにSCP-3120の性質について説明を受けていなければなりません。文書3120-オミクロン内に記述された条件が満たされた場合、レベル5/3120クリアランスを持つ職員は全員、3120-オミクロン信号の発信を許可されます。
以下の条件が満たされた場合にのみ、3120-オミクロン信号の発信が許可されます。
サイト-81の通信局オフィスが正当な3120-オミクロン信号を受信した際、SCP-3120は電源が投入され、クリアランスレベル4以上の職員メンバーがそれを適正利用します。
3120-オミクロン信号にて通達された脅威が無力化された後、財団のミーム部門はSCP-3120により拡散された情報を隠匿するための反ミームを開発する必要があります。反ミーム完成までの間における偽情報拡散活動が効果的でないと判断された場合、反ミームは全メディア市場に拡散させることになっています。
時間的制約が非常に厳しく反ミームが必要十分な速度で開発不可能であるような状況においては、O5評議会による全会一致決議ならびに倫理委員会による多数決決議が為された場合にのみに限り、対象の市街地中心で核または放射能を持つ在来型兵器を使用することが許可されます。
説明
SCP-3120は、銀色のカバー装飾と英語用インターフェースを搭載したサムスン社のGalaxy S7 Edgeスマートフォンです。SCP-3120の指紋認証機能は不正動作しているようであり、任意の人間の親指または人差し指の指紋で端末のロックを解除することができます1。SCP-3120のロック画面と壁紙はともに、白背景の中心にArial Boldフォントのテキストが配置された構図になっています。ロック画面のテキストには"INFORMATION SHOULD BE FREE" (情報は自由であるべきだ) というテキストが、壁紙には"INTELLECTUAL PROPERTY IS SPIRITUAL THEFT" (知的財産とは心の泥棒だ) というテキストがそれぞれ配置されています。
SCP-3120はWi-Fi信号および全ての携帯電話用電波を受信することが不可能です。SCP-3120には同一モデルの端末の工場出荷時に設定されるものと同じアプリがインストールされていますが、その中で起動可能であるのは電話アプリと連絡先アプリのみです。
当該端末には、"Help Desk" (ヘルプデスク) という名前の連絡先情報が1つだけ登録されています2。この連絡先に登録されている電話番号は+1 (218) ███-████3です。この電話番号に発信する試みは常時成功します4。発信を行うと、発信者はSCP-3120-1に指定される実体と電話が繋がります。
SCP-3120-1はアメリカ中西部に多くみられる訛りで話す中年女性のような声で会話します。この実体はどのような調査内容についても協力的であり、質問に対しては何の躊躇もなく自然に回答します。当該実体は、財団データベースならびに[編集済]を含む複数の要注意団体が保有する機密情報をはじめ、現存する全ての情報にアクセスすることができると考えられています。SCP-3120-1は過去4度にわたって、Keterクラスの収容違反に対して有効でかつ詳細な手順を提供しており、これによって550人の財団職員、██か国以上にわたる███████████人の一般人、および████████米ドル相当の財団の経済的資源が防衛されたと見積もられています。
SCP-3120-1が発信者に何らかの情報を提供した際、その情報は24時間以内に29紙以上の世界的に著名な新聞5に掲載されます。さらに、90以上の著名なテレビニュース番組、ならびにこれらの組織と提携しているソーシャルメディアアカウントによる多数の投稿でも言及されます。
このようにして拡散された情報は全ての記憶処理に対して高い耐性を有しています。クラスV以上の記憶処理薬を試用した結果、当該情報の拡散を抑止することは可能であるものの、それには主要な言語機能の消失および広範囲にわたる脳神経の損傷が伴うことが判明しています。しかしながら、情報隠匿に特化した反ミーム性を持つ画像や文章、音声は、SCP-3120による情報拡散の抑制に有効であることが確認されています。こうした理由から、SCP-3120の特別収容プロトコルでは反ミームが重用されています。
SCP-3120はとあるジェーン・ドゥ (Jane Doe: 「名無しの権兵衛」の意)6により財団へ譲渡されました。ドゥ氏は自身がSCP-3120の製作者であると主張しています。更なる情報はインタビューログ3120-アレフを参照してください。
インタビュアー: S███-███ キム、サイト-81通信局副局長 (当ログでは"K"と表記)
対象: ジェーン・ドゥ、SCP-3120製作者 (当ログでは"D"と表記)
[ログ開始]
K: もう一度お話し頂けませんか。今度は録音させていただきます。
D: いいわ。私は情報にアクセスするためにこれを作ったの。私、隠し事って一種の泥棒だと思うのよね。まあそれはともかくとして、私は情報アクセスの取り組みを始めたわけね。
K: では、あなたがSCP-3120をどうやって作ったのかをお聞かせ願えますか?
D: さっきも言ったけど、説明が難しいのよ。ええっと、私はこのスマホを買って、これが情報を取得できるように作り変えたの。そのせいでこのスマホでできることが変わったとか、ましてやできないことが無くなったなんて到底思えないわ。この質問って意味あるの?
K: それは研究員たちが決めることだと思います。近いうちに、あなたは彼らと密に話をすることになるでしょう。
D: 私がどうやったのか、ヘルプデスクに聞いたらいいじゃない。きっとその方が簡単よ。別に隠すつもりはないのだけど。
K: [3秒間沈黙] ではそうさせて頂きましょう。次の質問です。あなたがこの全情報をニュースメディアに流したのは、意図的な行いだったのですか?
D: いいえ。最初は何が起こってるのかすら分からなかったわ。私はここに来てから過去の新聞を見返してて、やれ太陽の質量だのやれベティ・ホワイトの年齢だの、ニューヨーク・タイムズとかのスポーツ面に書いてたどーでもいい記事は見てたのね。でも1面記事を見るまではあんなことが起きてたなんて知らなかった。
K: で、それはどういう記事でしたか?
D: 私の社会保障番号7。ええ、ヘルプデスクはGoogleが集められる情報なら何でも取って来れるってことに私気づいたの。それが一番最初に起こったことだった。でもそれで私は隠し事を暴き出そうって決めたから、私の社会保障番号の件は初めの一歩のように思えたわね。
K: それ、1面記事でしたよね?
D: そうよ。その次の日は1面記事に社会保障番号が載ってただけじゃなくって、テレビに出てる人が皆あの夜のことについて話してたの。もうめちゃくちゃビビったわ。そのことをヘルプデスクに電話して聞いたんだけど、いやもう、マジありえないっていうか。
K: ヘルプデスクに何を言われたんですか?
D: それは設計されたとおりに、つまり隠し事を公にするよう動作したんだって言われた。それで私言ってやったの、「違うわよバカ、私は政府とかウォール街とか今まさに何かしらやらかしてる連中の嘘偽りを暴いてやりたかったのであって、自分の社会保障番号をバラまきたかったわけじゃないの!」って。
K: それでヘルプデスクは何と言ったのですか?
D: すごく礼儀正しくこう言われたわ、お客様はご自身の秘密であるそれを公にするためにお電話されたのでは、って。私の社会保障番号よ?ウソみたいでしょ?そんなのニュースになるほど面白くなんかない、なのに、それなのに世界中がそれを知っちゃった。
K: 最後に、あなたがどうやって財団のことを知ったのかをもう一度話して頂ければと。
D: ええっと、私はヘルプデスクに、このスマホを安全に保管して悪用されないようにするには誰に預けたらいいか聞いたの。そしたら財団のことを私に全部教えてくれたわ、サイト-81への行き方とか、入り方とか、誰にそれを渡すべきかとか、他にも細かいことをたくさんね。教えてくれたことは全部正しかった。でね、その、次の日のニュースの内容については申し訳ないと思ってるの。
K: あなたの行いのせいで、我々の保有する多くのリソースが被害を受けたのです。本当大したものですよ。
D: えっとね、今私はセルの中で過ごしてるわ、しかも友達と家族はみんな私が死んだと思ってる。だから、私は罰を受けたんだって思ってる。まあ、あなたたちがこれを罰と呼んでくれるかは分からないけど。
[ログ終了]
以下は、2016年██月██日のSCP-████の収容違反の間に行われたS███-███ キム氏 (本ログでは"K"と表記) とSCP-3120-1の間との通話の内容を書き起こしたものです。
[ログ開始]
SCP-3120-1: おはようございます、こちらはヘルプデスクです。本日はどのようなご用件でしょうか?
K: SCP-████という実体が収容違反したんだ。負傷者の数とリソースの消費を最小限に抑えつつ、奴を再収容するためにはどうしたらいいか教えてくれ。
SCP-3120-1: 承知いたしました、少々お待ちください。
[SCP-3120-1の側から、紙が擦れる音が5秒間聞こえてくる。]
SCP-3120-1: お待たせいたしました、確認ができました。ペンと紙はご用意されていますか?
K: ああ、用意してる。
SCP-3120-1: ではまず初めに、暫定サイト-██の全職員に目隠しを付けて頂きたいのですが。ご了承頂けますでしょうか?
K: 了解した、続けてくれ。
SCP-3120-1: 各職員はサイトを中心とした直径100メートルの円上に配置するようお願いします。顔が内向きになるよう配置した上で、エアーホーンを持たせてください。よろしいでしょうか?
K: [もごもごとした口調で] …エアーホーンだな。了解した。
SCP-3120-1: 笛の音が聞こえたタイミングで、円上の彼らには可能な限り大きな音でエアーホーンを吹いて頂きます。よろしいでしょうか?最初のエアーホーンが聞こえたら全員が速やかにそうしなければなりません。これにより発生した音は、アノマリーを怖がらせ収容房に引き戻す効果がございます。件のアノマリーが大きな音を怖がるなんてご存知なかったのではありませんか?うふふ。
K: 知らなかったよ。奴に関する書類に追記しておこう。
SCP-3120-1: 現実世界が崩壊するのを防ぐための活動、でございますね?
K: その通りだ。ありがとう、すぐにこの内容を伝えるとしよう。
SCP-3120-1: 他にお手伝いできることはございますか?
K: いやもういい。協力ありがとう。
SCP-3120-1: いえいえ、当然のことをさせて頂いたまでですよ! [SCP-3120-1が通話を終了する。]
[ログ終了]
メモ: SCP-████は負傷者なく無事に再収容されました。SCP-████の特別収容プロトコルはSCP-3120-1により提供された新情報に基づき改正されました。
SCP-████に関する情報拡散を抑制する反ミームは、3週間後の2016年██月██日に完成しました。それまでに偽情報拡散活動は成功したと判断されたため、SCP-████用の反ミームは使用されませんでしたが、現在も保管されています。
SCP-3120の使用が必ずしも正の影響をもたらすわけではないという点には留意すべきです。SCP-3120に関する文書には、当オブジェクトはこれまでに4度の機会それぞれで使用された旨が記述されています。しかし実際は、SCP-3120はこれまで20回以上起動されていたと考えられています。
2018年6月、スウェーデンの首都Älveåにある暫定サイト-Chi-98にてSCP-Chi-9898の収容違反が発生しました。レベル5/3120クリアランスを持つ職員は再収容を試みるため、3120-オミクロン信号を発信しました。
SCP-3120-1は発信者に対し、Älveåの都市とそこに住む100万人以上の一般市民を抹殺する必要があると伝えました。財団は過去にSCP-3120-1から提供された情報は正確であったことを踏まえ、これを収容手順として策定しました。この収容手順は成功裏に実行され、SCP-Chi-9898は完全に無力化されました。Älveåの都市からの生還者は一切確認されていません。
SCP-Chi-9898はZK-クラス:現実不全シナリオを引き起こす可能性のあるオブジェクトであったと考えられていますが、当インシデントから数か月後に実施された反ミームエージェントの広域散布の影響でその真の性質は不明な状態にあります。反ミーム拡散までの間、SCP-3120の性質によって財団の存在および財団がÄlveåを抹殺したという事実がともに流布されたため、財団は広く認知されるとともに一般人に糾弾されることとなりました。
現在よく知られているSCPオブジェクト分類規則では、区分は4000個しか無くギリシャ文字を使用していないため、当インシデント以降にはSCPオブジェクト分類システムにも大きな改変があったと見られています。以前のシステムについての知識を抑圧するため、反ミームエージェントが非重要職員間に流布されました。
現在あなたのサイトのレベル5/3120権限を持っている職員と同様、SCP-3120の使用によって齎されうる結果について意識しておくことは重要です。しかしながら、当文書中のいくつかの情報は外部に持ち出すことが禁じられています。以下の反ミームへの暴露によって、Älveåの存在に関する知識および他の詳細事項のみが抑圧されます。
あなたの担当業務に関する質問は、O5-01、04、08のオフィスへ通達することが可能です。