SCP-3175 : 成就

Information

Name: 成就
Author: walksoldi
Rating: 16/16
Created at: Fri Jan 07 2022
アイテム番号: SCP-3175
オブジェクトクラス: Safe (推定Neutralized)

特別収容プロトコル

SCP-3175はサイト-██の標準人型実体収容ユニットに収容します。玩具、本、ゲームなどの刺激を与える物品は██████博士の裁量で提供されます。SCP-3175は1日最大2時間、監視の下で外で遊ぶことが認められています。

説明

SCP-3175は██████、███ █████出身のロニー・ジェームズ・█████████であり、記録上の出生日は2010/██/██です。生理学的観点からでは、SCP-3175は正常な6歳男児のように見受けられます。心理的および認知的観点からでは、SCP-3175は未だ原因不明の異常を多数示しています。

SCP-3175は████、████████出身のエドウィン・メイクピース・█████を名乗っており、当該人物の記録上の出生日は1956/██/██です1。SCP-3175によれば、60歳の誕生祝いの後、2016/██/██の夜間に未知の手段で自身の意識がSCP-3175の身体に乗り移ったとのことです。

回収経緯

SCP-3175は2016年、SAMSARA計画の一環として学校記録の定期調査を実施していた際に財団の目に留まりました。█████████は授業中に "極めて馬鹿げた嘘をついた" との理由で何度も懲戒処分を受けていたことから、SAMSARA計画の潜在的要確認対象としてフラグ付けされました。█████████は██████博士の監督の下で予備の精神スクリーニングを受け、SAMSARA計画の選択基準を満たしていないと判明したものの、のちにSCP-3175として分類されました。SCP-3175は、それまで診断されていなかった脳動脈瘤が致死的な破裂を起こしたというカバーストーリーの下で財団に拘束されました。SCP-3175はサイト-██の安全居住区に移されています。

報告

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (STANDARD INTELLIGENCE SCALE, 5TH ED、SIS5)

  * 一般知能テスト区分6 (TEST OF GENERAL KNOWLEDGE SEGMENT 6、TOGK6)

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MENTAL AGE TO CHRONOLOGICAL AGE RATIO、MA/CA)

結果:

  * SIS5                      結果                   54パーセンタイル

  * TOGK6                     結果                  78パーセンタイル

  * MA/CA                     結果                             965

    備考            160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

[インタビュー転写開始。]

██████博士: こんにちは、ロニー。私は██████博士というんだ。もしよければ、少しだけ話がしたい。

█████████: いいぞ、先生。

██████博士: 学校であった出来事が少し気になってね。そのことについて話してもらえないかな?

█████████: まぁあれだ、きっと先生だってみんなに言ってたろうよ。俺を見ろって!

██████博士: どういう意味だ?

█████████: 子供に戻ったんだよ! 耳が聞こえる! 目も見える! じっとしちゃいられんほど元気が有り余ってる! ああそうさ、「これは胸の内にしまっとけ、エドウィン」ってな、初めはそうするつもりだった。けどな…… 抑えきれんこともあるだろうて。

██████博士: エドウィンとは誰かな? ロニー。

█████████: 俺さ! いや、もう既に俺とは言えないのかもしれんが、それでもかつての俺のことさ。

██████博士: 転生したということか? 今の言葉の意味は分かるかな?

█████████: 子供扱いすんなよ、先生。いいや、俺は転生してない。確か — あー、願い事をしたんだったかな。

██████博士: なるほど。続きを。

█████████: リジーにマルカス、そしてその2人の息子たちがな、サプライズパーティーを開いてくれたのよ。1階丸ごと飾り付けてな、まるで子供のパーティーみたいだった。風船に飾りのリボン、アイスクリームにケーキ。数字の形をしたろうそくを知ってるか? リジーがケーキの上に置いたのさ。6と0の形したやつ。「願い事をして」って彼女は言った。そんで俺は確かそうした。

██████博士: どういう願いだった?

█████████: 誕生日の願い事は口にしちゃならんだろ、先生。口にしたら叶わなくなる。

██████博士: しかし、願い事は既に叶ったと思っているのだろう?

█████████: ああ、それもそうだな。願いってのはろうそくのことだよ、いいか? さっきも言ったが6と0のがあった、60を表すためな、そんで俺は6の方を見ていた。そしてこう思ったのさ、「そうなったら素敵だな。6歳になって全てをやり直せるなんて素敵じゃないか」って。

██████博士: それからは?

█████████: それからは何も。ろうそくを吹き消して、ケーキを食った。プレゼントを開けた。靴下をもらったんだ、ウール素材の分厚い靴下さ。その夜はそれ履いて寝た。気持ちよかったよ。けど次の朝に起きたら…… [対象が自分を指さす。]

██████博士: 起きたら?

█████████: 俺を見ろよ!

██████博士: そして前世の記憶があると?

█████████: そうだとも。色々覚えてる。1492年にコロンブスは青い海を渡った。アメリカは1776年に設立した2。右で締まって左で緩む。6掛ける12は72。全部覚えてる。ただ……

██████博士: ただ?

█████████: あー、リジーには2人の息子がいたんだ。双子でな。可愛い子だった。ダルトンと、あと…… あともう一人の名前が思い出せん。先生、俺は孫の名前が思い出せないんだ。

[インタビュー転写終了。]

供述の真偽のほどは現状では推測できませんが、対象は認知的にも心理的にも明らかに異常です。 SAMSARA計画とは関係ありませんが、さらに評価を実施するために、分類と安全居住区への移送を提言します。

加えて、対象の供述にあったバースデーキャンドルについても回収を試み、分類するよう提言します。

— ██████博士

分類申請を承認。対象をSCP-3175とし、暫定オブジェクトクラスをSafeとする。移送申請を承認。回収申請を承認。

— サイト-██管理官、██████博士

2016/██/██にバースデーキャンドルを██████████最終処理場から回収しました。一部燃え尽きた "6" と "0" のろうそくと、無傷の "1" から "5"、"7" から "9" のろうそくです。これらの人工物を広範にわたって実験した結果、いずれも異常性は無いと判明しました。

— サイト-██、████████研究員

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (SIS5)               再テスト

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MA/CA)               再テスト

結果:

  * SIS5              前回の結果                  54パーセンタイル

   SIS5                      結果                  52パーセンタイル

  * TOGK6             前回の結果                   78パーセンタイル

   TOGK6                     結果                   76パーセンタイル

  * MA/CA             前回の結果                             965

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

   MA/CA                     結果                             840

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

[インタビュー転写開始。]

██████博士: 居心地はどうですか? SCP-3175。

SCP-3175: 良いね。飯もうまい。ただその呼び方は気に入らんが。

██████博士: すみませんが、それが我々なりのやり方なので。意味は理解されていますか?

SCP-3175: [返答なし。]

██████博士: すみません。見下すつもりはないのです。ただ決して忘れないでいただきたい…… その、自分がどういう姿なのかを。

SCP-3175: ああ、忘れねえよ。4サイズもでかく感じるベッドで毎朝目が覚める。小便しに行くとしっこがチョロチョロ出てくる。歯を磨くんだが、どの歯もおかしいんだよ。乳歯なんだ、分かるか?

██████博士: 今日は体調が優れていないようですが。

SCP-3175: いや、平気さ。頭痛が続いててな。

██████博士: ええ、覚えていますよ。痛み止めは効いていないので?

SCP-3175: いくらか効いてるよ。

██████博士: 他に何か特別な要望は?

SCP-3175: タバコが吸いてえな。

██████博士: それは —

SCP-3175: 冗談だよ、先生。もう何年も前にやめたんだ。ただ、いつになったらここから出られるのか教えてくれんかね? 俺の新しい人生はこっからなんだがな [SCP-3175が笑う] 時間がどんどん浪費されてんだよ、な? いつになったら家に帰れる?

██████博士: すぐですよ。もうすぐです。

[インタビュー転写終了。]

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (SIS5)               再テスト

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MA/CA)               再テスト

結果:

  * SIS5              前回の結果                  52パーセンタイル

   SIS5                      結果                  52パーセンタイル

  * TOGK6             前回の結果                   76パーセンタイル

   TOGK6                     結果                   64パーセンタイル

  * MA/CA             前回の結果                             840

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

   MA/CA                     結果                             680

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

[インタビュー転写開始。]

SCP-3175: すぐとかぬかしやがって。

██████博士: すみません、今何と?

SCP-3175: アンタ、もうすぐ帰れるってずっと言ってるよな。俺はもう何日もここにいんだぞ3! この動物園にいないといけないなら、俺ぁ何のために子供に戻ったんだ?

██████博士: すみません、SCP-3175 —

SCP-3175: そう呼ぶんじゃねえ! 俺のことはエドと呼べ。みんなエドって呼んでたよ。それかエドウィンだ。いや、やっぱエドで。

██████博士: 分かりました、エド。

SCP-3175: いや、エドウィンだ!

██████博士: エドとエドウィンのどちらがよろしいので?

SCP-3175: そんなん…… どっちでもいいよ。好きな方にしな。

██████博士: 貴方の直近のテスト結果がここにあります。スコアが少しずつ下がってきているようですね。

SCP-3175: 俺はそれでも優等生か?

██████博士: 一般常識テストが特に気になっていまして。

SCP-3175: あー、それか。途中で飽きちまってな。それでうっかり間違った答えをマークしたんだろうよ。

██████博士: もう一度テストを受けていただけませんか? 今度はもっと慎重に。このテストはとても重要なのです。

SCP-3175: 重要ってのは誰にとってだ? 俺にとってじゃないよな。

██████博士: 貴方に何があったのか理解するのに重要です。

SCP-3175: もう何があったか分かってんだろ。俺がちゃんと説明した。

██████博士: 確かに説明はされました。しかし、我々はそれを理解しようとしています。

SCP-3175: 理解するって何をだ? 俺は2度目の人生を手に入れたんだぞ。2度目の人生だ! 先生なら2度目の人生のために何を捧げるよ?

██████博士: [間を置いて。] もう一度テストを受けていただけませんか? 私への手助けだと思って。

SCP-3175: そうしたら家に帰してくれんのか?

██████博士: 真剣に検討しましょう。

SCP-3175: [ため息。] ああ、分かったよ、先生。全く、上手いことやるな。

[インタビュー転写終了。]

テストの順番:

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

結果:

  * TOGK6             前回の結果                   64パーセンタイル

  * TOGK6                     結果                   60パーセンタイル

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (SIS5)               再テスト

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MA/CA)               再テスト

結果:

  * SIS5              前回の結果                  52パーセンタイル

   SIS5                      結果                  50パーセンタイル

  * TOGK6             前回の結果                   60パーセンタイル

   TOGK6                     結果                   48パーセンタイル

  * MA/CA             前回の結果                             680

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

   MA/CA                     結果                             430

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

[インタビュー転写開始。]

██████博士: 体調はいかがでしょうか? SCP-3175。

SCP-3175: 元気だよ。

██████博士: 元気には見えませんね。

SCP-3175: [返答なし。]

██████博士: むしろ悲しんでいるように見えます。

SCP-3175: もう一度あのテストを受けさせるつもりか?

██████博士: 受けたいので?

SCP-3175: 1692年にコロンブスは青い海を渡った。[沈黙。] 合ってるか?

██████博士: まあ…… 大体は。

SCP-3175: 1622年にコロンブスは…… 青い海を…… 行き先がどっちだったか思い出せない。

██████博士: 右で締まって……

SCP-3175: えっ?

██████博士: いえ、何でも。

SCP-3175: [聞き取り不能。]

██████博士: 私はそろそろ戻ります、SCP-3175。

SCP-3175: [聞き取り不能。]
[インタビュー転写終了。]

音声を増幅したところ、SCP-3175が記録終了まで "リジー" の名を繰り返し呼んでいたことが判明しました。

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (SIS5)               再テスト

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MA/CA)               再テスト

結果:

  * SIS5              前回の結果                  50パーセンタイル

   SIS5                      結果                  52パーセンタイル

  * TOGK6             前回の結果                   48パーセンタイル

   TOGK6                     結果                   26パーセンタイル

  * MA/CA             前回の結果                             430

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

   MA/CA                     結果                             220

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

[インタビュー転写開始。]

██████博士: おはようございます、SCP-3175。

SCP-3175: よお。

██████博士: 体調はいかがでしょうか?

SCP-3175: [返答なし。]

██████博士: SCP-3175?

SCP-3175: 昨晩夢を見た。

██████博士: どういう夢だったか話していただけますか?

SCP-3175: ここの長い廊下にいた。壁には写真がたくさんあって…… ポーチって言うんだったか?

██████博士: ポートレイトですか?

SCP-3175: それだ。

██████博士: ポートレイトには誰が映っていたのです?

SCP-3175: 分からない。何も分からなかった。知っているはずだったのに、思い出せなかった。

██████博士: 名前は思い出せなかったので?

SCP-3175: 誰なのかも思い出せなかったんだ。

██████博士: その夢に心が乱されたと?

SCP-3175: [返答なし。]

██████博士: SCP-3175?

SCP-3175: [返答なし。]

[インタビュー転写終了。]

テストの順番:

  * 標準知能検査 第5版 (SIS5)               再テスト

  * 一般知能テスト区分6 (TOGK6)               再テスト

  * 精神年齢 対 生活年齢比率 (MA/CA)               再テスト

結果:

  * SIS5              前回の結果                  52パーセンタイル

   SIS5                      結果                  52パーセンタイル

  * TOGK6             前回の結果                   26パーセンタイル

   TOGK6                     結果                    4パーセンタイル

  * MA/CA             前回の結果                             220

    備考           160を超えるMA/CA結果は信頼性に欠けると見なされる

   MA/CA                     結果                             105

[インタビュー転写開始。]

██████博士: こんにちは、SCP-3175。

SCP-3175: [返答なし。]

██████博士: 今日の体調は?

[20秒経過したところで、SCP-3175が泣き始める。]

██████博士: SCP-3175?

SCP-3175: ママぁ。

[SCP-3175は泣き続けている。15秒後、██████博士がコートのポケットから折り畳まれたハンカチを取り出し、SCP-3175に渡す。SCP-3175がハンカチを受け取り、固く握り締める。]

[インタビュー転写終了。]

補遺 2017/██/██

SCP-3175の異常性はもはや検査に現れていません。SCP-3175は████、█████████の里親に預けられています。█████████のソーシャルサービス部門に配属された財団職員は、SCP-3175の監視を無期限に続け、異常な特徴が再び現れていないか確認しています。


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