SCP-3182 : 食料品店

Information

非活性化状態のSCP-3182。

Name: 食料品店
Author: walksoldi
Rating: 10/10
Created at: Fri May 01 2020
アイテム番号: SCP-3182
オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル

SCP-3182の外部に覆面職員を駐在させ、侵入を試みる人物を全員退去させます。これを正当化するため、構造が不安定であることに関連したカバーストーリーが流布されます。過去にデイモス・イベントを目撃した人物を探し出し、曝露の程度に応じて記憶処理を施してください。デントンの町は比較的孤立しているため、目撃者の所在を特定するのは困難ではないと予測されています。

デイモス・イベント中はいかなる財団職員もSCP-3182に進入しないでください。デイモス・イベント中での実験を実施する場合は、いかなる場合でも最低1人のレベル3職員による認可を受けなければなりません。

ゴボゴボとした小さな音が聞こえると報告した職員は、直ちにSCP-3182から退去されます。

説明

SCP-3182はミズーリ州デントンの町にある老朽化した食料品店であり、毎日19:52〜20:52に様々な異常現象 (以下、デイモス・イベントと呼称) が発生します。SCP-3182の異常性は閉店直後に初めて発現しました。閉店した理由は、町の経済状況が悪化し続けていることに加え、17歳のパートタイム労働者が自殺したことで悪評がもたらされたためです。

デイモス・イベント中は外部からの可視光がSCP-3182に差し込みません。加えて、人間は当建造物に出入りできないことに気付き、質問を受けると出入り口が存在しない旨を主張します。SCP-3182の周辺におけるビデオ記録により、そのような事態は起こっていないと判明しているため、接触した人物の認識にSCP-3182が影響を及ぼしていると考えられています。

デイモス・イベント中にSCP-3182の内部にいる人物は、以下に挙げられる様々な異常影響を受けると判明しています。

  • 突然かつ不定期に襲う極度の不安や憂鬱。
  • ミズーリ州デントンの町への激しい恨みの芽生え。
  • SCP-3182の元常連客のものと断定された記憶の回想。
  • 漠然とした危険が迫っており、その危険に対して何か行動を起こす必要があるという被害妄想。
  • たとえ不可能であろうともSCP-3182から退出したいという強い願望。

吐き気・重傷・死亡などの身体への悪影響も数多く記録されています。これらの悪影響が各人に発生する基準には、まだ判明していないものが存在すると見られています。

異常効果は店内の3番通路を中心に発生していると思われます。このエリアでは先述した現象に加え、出所が不明なうめき声や叫び声・不明瞭な人影の出現・重い物が床に引きずられる音などが報告されています。

SCP-3182の調査が現在も進められています。

被験者: D-132449
監督研究員: グラディアン博士

D-132449はデイモス・イベント中にSCP-3182の旧休憩室で待機するよう命令を受けている。D-132449にはカメラとイヤホンを装備させ、監督研究員との双方向通信を可能にさせている。

<抄録開始>

(D-132449が休憩室におり、椅子に腰を下ろしている。)

D-132449: それで — 1時間でしたよね? ここに座れって? それだけですか?

グラディアン博士: それだけだ。

D-132449: (笑い) 今までやらされた実験の中で一番簡単ですね。感謝しますよ。

(沈黙。)

グラディアン博士: 問題なし。そのままSCP-3182がもたらしている精神的影響を全て私に知らせてくれ。

D-132449: どういうのですか?

グラディアン博士: 説明は受けただろう。

D-132449: ああ、はい、覚えてますよ。不安になってきました、知らせときます。

(7分32秒経過。)

D-132449: クソッ。

グラディアン博士: うん? どうした?

D-132449: すぐに帰らないと。

グラディアン博士: 何だって?

D-132449: この実験が終わったら僕は…… 帰らないと — 戻らないと、独房に。そこに行くんだ。

(沈黙。)

グラディアン博士: そうか。

D-132449: すみません — どうやらこの場所は、何というか、人を苛つかせるようです。

(22分19秒経過。)

D-132449: 聞こえますか?

グラディアン博士: 何も聞こえない。どういう意味だ?

D-132449: アレですよ、すぐそこ。聞こえる…… 何か。ちょっと待っててください、音は — こっちだ。

(D-132449が椅子から立ち上がり、休憩室を横切ってテーブル近くの故障した電子レンジに向かう。閉まっている電子レンジの中からゴボゴボとした小さな音が聞こえる。)

D-132449: これです、聞こえますか? そこに何かある。

グラディアン博士: あ、ああ、なるほどな。ただ…… その電子レンジには関わらないことを勧めるぞ。この実験はデイモス・イベントの基本的な影響だけを確認するのが目的なんだ。

D-132449: この不快な電子レンジがどうなってるのか疑いながら30分間も座ってられません。

(ゴボゴボとした音が激しくなる。)

グラディアン博士: あー、もう一度言うが、本気でお勧めしな —

(D-132449が電子レンジを開ける。ビデオが停止する。)

<抄録終了>

D-132449の遺体は、後にSCP-3182の配管系統全体に撒き散らされた状態で発見された。休憩室の電子レンジを調査したところ、内部に粘性の黒い液体が検出された。電子レンジは当該物質の採取後に建物内から除去された。

採取された液体を分析した結果、当該物質がミズーリ州デントンの過去および現在の住民数百人と遺伝的に同一であることが判明した。

被験者: D-342089
監督研究員: グラディアン博士

D-342089はデイモス・イベント中に3番通路を調査するよう命令を受けている。D-342089にはカメラとイヤホンを装備させ、監督研究者との双方向通信を可能にさせている。出発地点は休憩室である。

<抄録開始>

グラディアン博士: それで、あー、始める前に助言をしないといけないんだが、もし何かゴボゴボとした音が聞こえても — 音源を追うんじゃないぞ。

D-342089: うっわ、マジ最悪。

グラディアン博士: 何?

D-342089: もし俺がさ……. "音源を追ったら" どうなるんだ?

(沈黙。)

グラディアン博士: それはこの実験とは関係ない。

D-342089: クソが。

(D-342089が出発地点から3番通路に向かって移動する。途中でD-342089が停止する。正面玄関の上部の壁に "今すぐ出て行け" と殴り書きされている。)

D-342089: 言うは易く行うは難し。

グラディアン博士: どういう意味だ?

D-342089: ドアが何処にも無い、こっから出て行けない。永遠にここに閉じ込められるんだ。

グラディアン博士: それはちょっと大げさではないか?

D-342089: ならどうやって出て行けと?

グラディアン博士: ドアから?

D-342089: だから何処にも無いんだって、それが問題なんだよ!

(沈黙。)

グラディアン博士: D-342089、君はどうやってここに入った?

D-342089: 出入り口を通って。

グラディアン博士: その方法でも出られないのか?

D-342089: 無理だ。何処にもドアが無い。

(沈黙。)

グラディアン博士: あー…… D-342089、歩き続けてくれ。

(D-342089が歩き続け、3番通路へ到達する。3番通路に人はいない。)

グラディアン博士: 何か有害な精神的影響を受けていないか?

D-342089: うーん、気分の話をしてるんなら、優れてはねえな — めちゃくちゃ怖え。

グラディアン博士: それ以外で頼む。

D-342089: んー、それ以外には別に —

(D-342089が話しながら周囲を見回し、3番通路の向かい側にいる、シャツとフレアジーンズを着用した女性の人型実体を見て立ち止まる。顔立ちは不明瞭であり、通常の人間の顔と、顔のパーツの配置が不自然である様々な顔とで切り替わっている。実体の指は全て欠落しているように見受けられる。以下、実体をSCP-3182-1と呼称する。)

D-342089: うわっ最悪だ。

グラディアン博士: D-342089、頼むから —

D-342089: 無理。もう無理。ふざけんな。やってられるか。クソ食らえ。

(D-342089が隣の棚の周囲を探し回り、段ボール箱を掴む。SCP-3182-1が慌てた表情を浮かべながら頭を高速で振り始める。SCP-3182-1が口を開くと、多数のレジスターが開けられる音が重なり合って聞こえる。これによってSCP-3182-1が多少腹を立てているように見受けられる。)

グラディアン博士: おい、ちょっと待ってくれ、その、馬鹿な事をしでかす前にだ、ダニエル —

D-342089: 無理無理! ふざけんな! こんなしみったれた町で死んでたまるか!

(D-342089がSCP-3182-1に箱を投げる。ゴボゴボとした小さな音がD-342089の向こう側から聞こえる。ビデオが停止する。)

<抄録終了>

デイモス・イベント終了後、D-342089がSCP-3182外部の裏通りの大型ゴミ容器から生きた状態で発見された。D-342089の表皮と筋組織のほとんどがSCP-3182全体に投棄されているのが発見された。デイモスイベント後、"今すぐ出て行け" のメッセージはSCP-3182内に見られなかった。

探査ログ3182-3

被験者: D-693221
監督研究員: グラディアン博士

D-693221はデイモス・イベント中に3番通路に留まるよう指令を受けている。D-693221にはカメラとイヤホンを装備させ、監督研究員との双方向通信を可能にさせている。出発地点は3番通路である。

<抄録開始>

グラディアン博士: 気分はどうだ、D-693221?

D-693221: 寒い。マジ寒い。

グラディアン博士: そんなのは必ず過ぎるさ。ポジティブに考えるよう努めてくれ。

D-693221: アンタもウォルマートの幽霊のもとに来てさ、ポジティブに考えようと努めてみなさいよ。

(沈黙。)

グラディアン博士: それもそうだな。それでも、せめて冷静であり続けるよう努めることを推奨しておくぞ。

D-693221: OK、OK。それならできる。

(沈黙。)

D-693221: いや、やっぱ無理、さっさと出て行かないとダメ。ここに居られない。今すぐ出て行かないと。

グラディアン博士: 実験の終わりまでそこに残ってもらわないといけないのだが —

(D-693221がその場を去ろうと振り返る。3番通路の向かい側にSCP-3182-1が立っている。)

D-693221: やばい。今すぐ出て行かないと。今すぐ出て行かないと。

(SCP-3182-1が高速でうなずき始める。)

グラディアン博士: 生憎だがそこからは出られないぞ、D-693221。SCP-3182がそうさせない。

D-693221: できないって…… とにかく…… 今すぐ出て行かないと。今すぐ出て行かないと、いずれあの娘みたいになっちゃう。

グラディアン博士: それはどういう意味だ?

D-693221: どういう意味か分かんない。私はただ言っただけ…… 口にねじ込まれた言葉を。ホントに、全く、私が何考えてんのか分かんない。

(D-693221が向きを変え、SCP-3182の出入り口に移動し始める。ゴボゴボとした小さな音が聞こえる。)

グラディアン博士: 今やっていることが何であれ、やめておけ。

(D-693221が停止する。)

D-693221: 行かないと…… 出て行かな…… 大丈夫。平気。ごめんなさい。

グラディアン博士: D-693221、振り返ってSCP-3182-1を見てくれないか?

D-693221: えっ?

グラディアン博士: あの霊的実 — 幽霊のことだ、D-693221。

(D-693221が振り向いてSCP-3182-1を見る。SCP-3182-1は慌てた表情を浮かべながら頭を振っている。SCP-3182-1の下の床面が液体と同様に流動しているように見受けられる。)

D-693221: 嘘でしょ?

(ゴボゴボとした音が激しくなる。SCP-3182-1の下の床面から人間の腕1が多数浮上し、SCP-3182-1を掴み、引きずり下ろし始める。引きずり込まれつつも、SCP-3182-1が出口のドアに向かって必死にジェスチャーをしているのが見える。SCP-3182-1から大きな叫び声が聞こえ、完全に床面に引きずり下ろされるまで叫び声が続く。床面の流動とゴボゴボとした音が停止する。)

D-693221: 今すぐ出て行かないと。今すぐ出て行かないと。今すぐ出て行かないと! 今すぐ出て行かないと!

(D-693221が映像の最後までこのフレーズを繰り返す。映像の残りでは、D-693221がこのフレーズを叫びながらパニック状態でSCP-3182内を駆け抜ける様が映し出されている。この間、D-693221は応答せず、監督職員からの意思疎通の試みにも気付いていないように見受けられる。)

<抄録終了>

D-693221はデイモス・イベント後に無傷かつ健康な状態で回収された。これがD-693221の予定された最後の実験であったため、D-693221は記憶処理治療と減刑を経て刑務所に戻された。

この探査中にSCP-3182-1が普段と異なる振る舞いをしたため、SCP-3182の経歴に関するより詳細な調査が承認された。SCP-3182のかつての常連客や従業員にインタビューを実施したところ、数名が見えない何者かの自分の声真似を耳にしたことがあると主張し、当建造物の異常活動の発現時期が当初の考えよりも早い可能性が浮上した。

D-442099は3番通路に留まり、財団が開発したEVP検出器2を介してSCP-3182内の何らかの実体と意思疎通を図るよう命令を受けている。意思疎通は一連の刺激と反応として転写されている。刺激のほとんどはグラディアン博士が事前に書いたものである。


Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License.