SCP-4855 : 虎挟みの如き精神

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回収時のSCP-4855

Name: 虎挟みの如き精神
Author: pcysl
Rating: 24/26
Created at: Fri Sep 30 2022

特別収容プロトコル: SCP-4855はサイト-17予備収容棟Cの改造人型収容室に収容されます。改造には防音設備とチャンバーを囲むファラデーケージが含まれていなければなりません。ダニング-クルーガーミーム抵抗性検査において90点を上回った財団職員のみがSCP-4855との交流を許可されます。
娯楽や他の情報資料に対するあらゆるSCP-4855の要求は、対象資料をミーム部門とサイトのAIC1の2つともが異常な情報による偶発的汚染を防ぐためにスクリーニングした後にのみ承認されます。そのような情報に意図せず曝露した際には、SCP-4855は即時クラスA記憶処理を施されます。
サイト-17管理官2の承認を得た場合にのみ実験は許可されます。致命的な効果を発揮している実体やアイテムとの実験は絶対に許可されません。実験完了後、SCP-4855はクラスA記憶処理を施されます。

説明: SCP-4855はノースダコタ州██████████在住の74歳のアフリカ系アメリカ人女性であり、本名はエドワイナ・ドレークです。情報的、精神的、ミーム的、そして反ミーム的アノマリーに対してSCP-4855は免疫があります。SCP-4855の脳神経構造解析では基本的な人間との明らかな構造的または機能的差異はなく、SCP-4855の異常な効果の原因となり得る内部または外部機構も発見されていません。SCP-4855は与えられたあらゆる異常な情報をあたかもその情報が非異常であるかのように保持できます。
この能力は効果的にSCP-4855を全ての既知の情報的または精神的アノマリーから守りますが、SCP-4855が意図してまたは意図せず前述のアノマリーを他者に拡散させてしまうことにもなります。このような理由により、検出不能な精神的アノマリーのキャリアの潜在的危険性によって現在の収容プロトコルが必要となります。直近のあらゆる異常情報の知識除去には標準化学的記憶処理薬への曝露で十分ですが、ミーム的記憶処理では不十分です。
SCP-4855の知力はその年齢の人の標準を上回りますが、例外的というわけではありません。年齢に比してより良い記憶力があり、またSCP-4855に大きな精神疾患はないと心理学的検査は示しています。人間との定期的かつ持続的な接触の長期間の欠如により、SCP-4855の精神状態と財団職員に協力する意欲が悪化し続けていると実証されています。従って、老人心理学とコンパニオンシップの訓練を受けた認可された職員の頻繁な訪問が許可されています。
収得: ノースダコタ州██████████町が自己拡散式クラスⅢ認識災害に曝露された後、SCP-4855は2019/██/██に財団の知る所となりました。最寄りのサイト-██への襲撃はSCP-████の複製の公衆への収容違反を齎し、財団の潜入員が事態3を収拾するために到着した時点で92名の死者を出していました。影響を受けた地域の中心部の近くの地元介護施設にてSCP-4855は無傷の状態で発見されました。認識災害の初期拡散の唯一の生存する目撃者であったため、SCP-4855は拘束され隔離されました。初期インタビューまでSCP-4855の異常な能力は明らかになりませんでした。

インタビュイー: SCP-4855(記載時点における氏名はエドワイナ・ドレークです)
インタビュアー: 機動部隊ガンマ-5 ("燻製ニシンの虚偽") エージェント・ベック
序: おそらく直近の経験が齎したパニック症状と高ストレスをSCP-4855は初めに示しました。自然に苦痛が収まるまでの休憩時間の後、機動部隊ガンマ-5 ("燻製ニシンの虚偽")のエージェント・ベックが事件に対するSCP-4855の責任  あるのであれば  を判断するために初期インタビューを行いました。

<ログ開始>
エージェント・ベック: こんにちは、御婦人。今日は大変な一日を過ごされたようですね、いかが?
SCP-4855: 肝心なことじゃないさね。あたしゃどこにいるのか教えてくれるかい?
エージェント・ベック: 安全な場所にいますよ、御婦人。心配しないでください。誰も傷付けませんので。
SCP-4855: 主よ、そうあれかし。あんたらあたしをどうするつもりだい?
エージェント・ベック: さて、発生した事態を鑑みて、保安官部局が事態を統制するために我々に助けを求めてきました。御婦人、いくらか質問があるのですがよろしいでしょうか。
SCP-4855: もちろんさね。皆が野獣になっていったことについて知りたい、そうだろう?
エージェント・ベック: ご教授いただけると幸いです、御婦人。何が起きたのか正確に知りたいのです。では、最初に何かがおかしいと気付いたのはいつのことでしたか?
SCP-4855: 覚えてるよ、あたしゃテレビでニュースを見とったんだが、全部ザーッとなってね、そんでこう変なマスクをつけたヤツが表れたのさ、深夜のホラー映画なんかに出てくるような装いをしてさ。どこもかしこも血塗れで、眼とかそんなとっから零れ落ちていた。ヤツが続けて言うのはどうして皆が不安  「定命の肉」  を全部取り除かなければいけないのか、とかそんなことだったね。声も変わっていてね、わお、マックス・ヘッドルームのマスクの男がテレビで尻を叩いていたなんて話していた80年代に戻ったみたい、だなんて思ったもんさ。覚えてるかい?
エージェント・ベック: はい、覚えています。
SCP-4855: テレビも全部デジタルになってつまんなくなっちゃったから、もうそういうことはできないと思うねえ。でもあたしたちのちっちゃなニュース番組ときたらそれでも関係なかったんだって、まだ押し通せるもんだって、そん時は考えたよ。なんにせよあたしゃこれを見てて、何が起きたもんだか理解しようとしていたね。_絶叫_を聞き出した時もね……

(この時点において、SCP-4855の声量は小さくなり、エージェント・ベックを無視して彼方を眺めた。)
エージェント・ベック: わかりました、続けてください。
SCP-4855: だから廊下の向こうの誰かがテレビを見てるのかと考えたね。全然怖くなかったからね。ただ奇妙だったのさ、わかるかい?だけど死にそうな声で、それはそれは大きく叫ぶんだよ!それでそしたらもっともっと反響して聞こえて、廊下を走る足音がしてね、そんで物がぶつかって窓が割れたのさ。
エージェント・ベック: この時に部屋にバリケードを築かれたのですか?
SCP-4855: いやまだだったね。実際は…… あたしはすごくバカだったね。何が起きているのか外を見たんだよ、で見えたのは…… うっ……
エージェント・ベック: 大丈夫ですか?
SCP-4855: ああ、ああ、ただ、うぅ…… つまり、これまで喉を自分で切った人を見たことなんてなかったんだよ、わかるだろう?そして彼らは_まだ歩いてた_。まさに…… 廊下中を走り回って、互いにナイフで刺し合って、変なシンボルを自分の血で描いてたんだ……

(SCP-4855の口調はゆっくりとしたものとなった。エージェント・ベックを無視し、顔を少し伏せる。)
エージェント・ベック: 御婦人?
SCP-4855: ああ、それで。どんな邪悪なことが起きているのかわからなかったもんで、だからドアを閉めてベッドをその前に動かして、ただ、あたしはただその下にもぐってしゃがんだんだ。テレビはつけっぱなしで、そのテレビマンなのかなんなのかヤツは何でもいいけど、おんなじことを何度も何度も電波が切れるまで繰り返し続けていたのさ。永遠、と感じるぐらいの間動けなかったね。そうして保安官の部局から来たあんたらがドアをバンバンし始めてて、ほとんど心臓が止まるかと思ったよ。
エージェント・ベック: 私たちは誰がこれを起こしたのかについての情報を得ようと試みています。テレビの人物が何と言っていたのか覚えていませんか?できる限り詳しくお願いします。
SCP-4855: ただ、たくさんの変なことだったよ。彼は[データ削除済]ってフレーズを何度も何度言い続けてたし、何の意味もなさそうさね。単なる戯言だった、ワードサラダみたいな、でも

(この時点において、エージェント・ベックは座席において不意に崩れ落ち床に倒れる。エージェントは叫び始め、その眼窩から過剰に流血する。)

(SCP-4855は明らかに動揺している様子であり、机に登って椅子の脚をエージェントに向けて抱え込み助けを呼ぶ。インタビュールームの外に屯していた警備たちがなだれ込んでエージェント・ベックを拘束し、またSCP-4855を部屋の外に連れ出す。)

<ログ終了>
結: 本インタビューの突然の終了に引き続いて、エージェント・ベックはその喉への自傷に起因する失血死を遂げました。SCP-4855の異常な性質が直後に発見され、潜在的認識災害的脅威を除去するためにクラスA記憶処理が施されました。

実験1 - 初期情報災害実験シリーズ
SCP-4855: おやまあ、こんにちは僕ちゃん。そちらに座りなさいな。あの人達はこのリストのものをあなたに質問しろとを寄越してきたね。
SCP-2284: オフホワイト。

対象: SCP-4855
実験観察者: カルヴェリア研究員
手順: SCP-4855はテレビスクリーンのある安全な部屋に隔離されて、記載された行動変更効果が弱いものから深刻のそれへと並ぶ423種類の異なる情報災害的画像に曝露されます。SCP-4855は各実験の後に行動または知覚の変化を検出するために観察されます。
結果: 一連の実験が終わりに近づくにつれて倦怠感が増大していることを除いて、SCP-4855の行動は対照実験から決して逸脱しませんでした。
分析: これは大変例外的です。(我々の知る)一切の正式な訓練もなく、あらゆるミーム部門の幹部並に影響されにくくなる精神的防御を彼女は持っています。もしもどうしてこれが生じているのかの原因を我々が単離できれば多くの人を助けられるでしょう。    カルヴェリア研究員

実験3 - SCP-2284

対象: SCP-4855、SCP-2284
実験観察者: カルヴェリア研究員
手順: SCP-2284とSCP-4855は標準インタビュールームに隔離され、遠隔で監督されます。事前に用意された質問をSCP-2284は尋ねられ、SCP-4855に対してそれらに返答します。
序: 自身を「ミスター・うそっぱち」と呼称するSCP-2284の主な異常性は、SCP-2284が話す内容を絶対の真実であると誰しもに信じさせる認識災害効果です。この実験の目的は既知の予防法のない認識災害に対してSCP-4855に感受性があるか否かを判定することにあります。
インタビュー記録:
SCP-2284: 彼らが実験することを諦めていないようで嬉しいよ。
SCP-4855: あなたのためにしてるんじゃないかね、だけれどちっともあたしの予定なんて気にしてなさそうさ。そうさ、まあとにかく。いっつもあたしを早くに起こしてどこともわからんとこに行かせるのさ……

(SCP-4855はインターカム越しにリストの質問を読み上げるよう求められる。)
SCP-4855: 聞こえとるよ、聞こえとるがね。OK、それじゃあ最初の質問だ。2足す2は何?

SCP-2284: これに対する答えは極めて自明であるように感じられるね。そうだろう?
SCP-4855: ええ、あたしゃただ言われた通りにしとるだけよ。OK、あたしのブラウスは何色?
SCP-4855: 実際の所は灰色だとおもうけどねえ。
SCP-2284: ええ、君は  待って、何だって?
SCP-4855: つまりだね、あたしん眼は以前ほどのもんじゃないけども、厳密に言えば灰色だってここに入る前にあの人達が言ってたのは間違いないよ。とにかくあたしにゃあ十分黒く見えるね。

(SCP-2284は部屋の周りを見回し、乞い願うような表情でSCP-4855に向き直る。)
SCP-2284: 本当に君とはこれ以上話したくない。

実験13 - ベリーマン・ラングフォード殺害エージェント

対象: SCP-4855
実験観察者: ダニエルズ下級研究員
手順: SCP-4855は安全な部屋に隔離されて細心の注意を払ってベリーマン・ラングフォードミーム殺害エージェントに曝露されます。万が一SCP-4855が生き延びたならば、実験完了後に即時記憶処理されます。
結果: SCP-4855は効果を受けませんでした。SCP-4855は殺害エージェント画像を「かっこいい見た目」と表現しました。
メモ: これは不必要な命の危険であり、我々の保持するミーム学において最も価値のある研究資産を潜在的に破壊しかねなかった。ダニエルズ、君は一体全体どうやってベリーマン・ラングフォード殺害エージェントを使えるクリアランスを手に入れたのだ?持ち場に留まりたまえ、どうしてこんなことが起きたのかを見に誰かしらを送るからな。他の皆のためにも私は一般常識を含むように収容プロトコルを更新しよう。我々には彼女のようなものは1つしかないのだから、ここではマッドサイエンティストとして遊びたいという欲望を御したまえよ。    グラハム管理官


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