Information

インシデント5655.1中のSCP-5655。画像はアラミ研究員のボディカメラから撮影。
Name: 空のスパム缶から見つかる類の魔人
Author: walksoldi
Rating: 60/62
Created at: Mon Mar 08 2021
by AnActualCrow
アイテム番号: SCP-5655
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-5655は密閉したままでサイト-08の小型保管庫に収容します。実験外でのSCP-5655の利用は禁止されています。
説明
SCP-5655は空のスパム缶であり、振動させたりひっくり返したりすると、SCP-5655-1が出現します。SCP-5655-1は現実改変能力を有する、透き通った赤色をした身長7.5 cmの人型実体です。「私が望むのは」から始まる願望を述べた場合、SCP-5655-1はその願望を実現させようと現実を改変します。しかし、SCP-5655-1の現実改変能力には制限があるため、願望は往々にして漠然としか実現しません。
補遺
物理的、抽象的、哲学的な要素を含む願望をSCP-5655-1が実現できるかを確認するため、一連の実験が実施されました。
願望: 私が望むのはオレンジのボールです。
結果: 1口かじられたタンジェリン。
付記: ディンズ次席研究員は、本実験の際に昼食の一部が突然消失したと報告した。
願望: 私が望むのは重い石です。
結果: 2.2 kgの石。
付記: SCP-5655-1が上に伸ばした両腕の上方に石が出現し、SCP-5655-1を押しつぶした。
願望: 私が望むのは何か強いものです。
付記: SCP-5655-1は前回の実験で出現させた石を頭上に持ち上げ、下に置いた後、自分自身を指し示した。
願望: 私が望むのは100万ドルです。
結果: 100万ドル (LRD1) 分の札束。
願望: SCP-5655-1の収容方法。
結果: SCP-5655-1はSCP-5655に入って蓋を閉めた。
願望: 私が望むのは敵対的な要注意団体の影響力をより効果的に抑制する方法です。
結果: 火炎瓶とライター。
付記: 物品はSCP-5655-1が使用方法を実演し始めた際に取り除かれた。
願望: 私が望むのはもう一体のSCP-5655-1です。
結果: 色鉛筆で粗雑なSCP-5655-1の絵が描かれた紙。
願望: 私が望むのは夕焼けの美しさです。
結果: 色鉛筆で粗雑な夕焼けの絵が描かれた紙。
付記: 裏面に鉛筆で "全力は尽くした" と書かれていた。
願望: 私が望むのは永遠に幸せでいられるための秘訣です。
結果: 外箱にシャーピーで "とっても面白い" と書かれた中古品の_Kerplunk_2。
願望: 私が望むのは永遠に幸せでいられるためのより良い秘訣です。
結果: SCP-5655-1の周囲に何冊かの縮小した哲学書とミニチュアの肘掛け椅子が出現した。SCP-5655-1は3か月間読み続け、その間は願望に応じなかった。3か月後、SCP-5655-1は未開封の_Kerplunk_を出現させた。
願望: 私が望むのは死者の蘇生です。
結果: スカ・ミュージックの音声ファイルが複数保存されたフラッシュドライブ。
付記: 歌曲は全て "Gene E" のオリジナル曲とされている。
願望: 私が望むのは無尽蔵のパワーです。
結果: 充電式の単三電池8本パック。
願望: 私が望むのは財団の収支のバランスを取る方法です。
結果: インシデント5655.1参照。
インシデント5655.1
< ログ開始 >
アラミ研究員
私が望むのは財団の収支のバランスを取る方法です。
(SCP-5655-1が顎を撫で、数秒間そわそわと動き回る。)
SCP-5655-1
アラミさん、正直に申し上げますと、私に貴方の願いを叶えられるとは思いません。
アラミ研究員
話せたんですか?!
SCP-5655-1
何を驚いているのです? 私の行動を見てきた貴方にとって、今のは一番大したことないでしょう。
アラミ研究員
いえその…… 何でもありません。どうして私の願いを叶えられないのですか?
SCP-5655-1
安全性に関わるからです。気づいているかは分かりませんが、そちらの現実は危険なまでに不安定なのです。ゆえに私の仕事は、言うなればゲームの —
アラミ研究員
_カープランク_だなんて言わないでくださいよ。
SCP-5655-1
……私の仕事は、言うなればゲームの_ジェンガ_に近い。私が願いを叶えるたびに、塔から1ピース抜き取って、崩れないように祈る。他の願いについてはほどほどに留めてきましたが、この願いを叶えるために要される現実操作量では、たとえ_どのような_能力を以てしても、そちらの現実が崩壊してしまいかねません。法的にも倫理的にもできないことです。
アラミ研究員
ですが貴方は魔人でしょう。先ほど申したように、願いを叶えるのが貴方の仕事なのですよね。
SCP-5655-1
ええ、ですがこういったことには規則があるのですよ。(SCP-5655-1の片手に小さな紙束が出現する。) "多元宇宙の干渉と安定した管理" ハンドブックの第8条第2項にはこう明記されています、「現実操作によって現実の基盤に深刻な負担がかかり、現実崩壊の恐れが大きいと実行者が考えた場合には、その行為を行ってはならず、その行為を行う義務を全て免除される」と。この半透明な手も自由ではないのです。
アラミ研究員
でしたら、私が望むのは貴方にそのルールを変更してもらって、1つ前の…… 上司が提示した願いを叶えられるようにすることです。
SCP-5655-1
アラミさん、これは宇宙間の法律の問題です。手助けしたいのは山々ですが、私の願望成就能力はそちらの現実外の物事にまで及びません。
アラミ研究員
では本当に何もできないのですか?
(SCP-5655-1がため息を吐く。)
SCP-5655-1
そうでもありません。今回のように魔人が依頼人を失望させてしまった場合は、依頼人の心を改変して失望を感じられないようにしても良いかを申し出るのが通例です。しかし恐縮ですが、この方法は現実を破壊しかねない。私にできるのは、より安全な別の願いを叶えることだけでしょう。
アラミ研究員
ええ、それなら構いません。どうするかはもう決めていますか?
SCP-5655-1
いえ、特には…… ふむ、お疲れのようですね。コーヒーはいかがです?
アラミ研究員
ええ、それはいいですね。えー、私が望むのは貴方にコーヒーを持ってきてもらうことです。
SCP-5655-1
お望みなら何なりと。
(アラミ研究員の前にコーヒーが出現する。アラミ研究員が1口飲む。)
アラミ研究員
どのくらい砂糖を入れました?
SCP-5655-1
コーヒーが冷めているのを無視できる程度には。
< ログ終了 >