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Name: 鹿に非ず
Author: Tutu-sh
Rating: 62/62
Created at: Wed Jun 22 2022
特別収容プロトコル

非異常のシカを模倣しているSCP-6448実例。
SCP-6448の収容は、アパラチア地域1内および周辺において異常な傾向を示すシカの調査に注力する必要があります。SCP-6448を目撃した全民間人には機動部隊ガンマ-4 "緑の牡鹿"が派遣されます。SCP-6448が死因である可能性のある遺骸はハイキングの事故、目撃例は慢性消耗病(CWD)2として偽装されます。
サイト-44の未確認動物学部門は"Not Deer"現象の調査の任務を負います。SCP-6448実例が捕獲された場合、当該実例はサイト-44に輸送され収容・研究されます3。
説明

非異常のシカとのコミュニケーションを試みるSCP-6448実例。
SCP-6448はシカ科4の異常な系統です。当該グループの全てのメンバーは高い知性を示し、知的生命体と推定されます。多くの個体は肉体的奇形を示しており、非異常のシカから逸脱しています。肉体的異常の正確な詳細は個体間で異なりますが、繰り返し共通する点は以下の通りです。
. 後方に屈曲する後肢
. 樽型の胸、膨張した腹部
. 憔悴
. 類縁関係を持たない動物の目
. 前方に面する目
. 痙攣するような動作
. 人間に対する恐怖心の欠如
. 後肢で二足歩行を行う傾向
. 醜悪な肉体全般
肉体的な醜悪さのほか、実例は他のシカ科哺乳類と著しく異なる行動を示します。特に、SCP-6448は人間を数時間から数日視認・観察して尾行することが知られています。この行動には尾行した人間の家に出入りし、所有物・武器・食物を盗むことも含まれます。ごく稀に、SCP-6448は屋内の住民に攻撃することがあります。
SCP-6448と遭遇するケースは深い森林が最も一般的であり、特に夜間あるいは夕暮れ時に人が単独で居る場合が顕著です。これらの状況下でSCP-6448の異常な特性を直接的に認識した場合、必ず被害者の終了に帰結します5。そのような状況下において、人物は即座に本ファイルに添付されているケルブス・プロトコルの抜粋を遵守する義務があります(以下を参照のこと)。
SCP財団
———
未確認動物学部門
SCP-6448と意図せず干渉したならば、これらの行動はそれが誰であろうとも遂行されなくてはならず、また生存に不可欠です。もしあなたの生命が脅威に晒されているのであれば、関連情報の記載されたセクションにスキップしてください。
もしシカが「おかしい」と気付いたなら、別の方向を見て無視しなさい。あなたが気付いたことをそれが知っているならば、最早手遅れです。もしあなたの名前、警笛、その他森の中であなたを呼ぶ音が聞こえたなら、その認識を悟られてはなりません。絶対にその存在に悟られず、応えず、見に行かず、呼び返してはなりません。
もしあなたが夜間に歩いていて、うなじに何かの息遣いや、背後に何かの囁きを感じた場合、全てが通常通りであるように振舞うことが安全のために重要です。
あなたの生存はあなたの無視に懸かっています。
現在知られているSCP-6448の生息域は北アメリカのアパラチア地域のみです6。
沿革
SCP-6448は公式には1980年に異常として分類されましたが、地元住民からは1947年より認識されていました。SCP-6448はアパラチアの民間伝承における確固とした存在であり、模倣する種との著しい類似性ゆえに "Not Deer" として口伝が遺されています。多くの地元住民がSCP-6448実例との遭遇の経験を、あるいは遭遇したことのある人物を知っていると主張しています。田舎の地域に居住する活発な多くの地元コミュニティは敵対的な遭遇を避けるための予防策を把握しており、主にこれは実体の登場する都市伝説や物語に起因します。
SCP-6448はかつてノースカロライナ州の████に位置するサイト-41で研究が行われていました。1994/01/11、長期に亘って掘削したトンネル網を利用し、SCP-6448実例3体の個体群がサイトに侵入しました。これが収容違反警報システムの引き金を引き、サイトはロックダウンプロトコルが施行されました。解剖を予定して収容を維持していた1実例は収容違反に際してロストし、回収されませんでした。10年以上の後、さらなる5体のSCP-6448実体が捕獲・収容され、その全個体が他のSCP-6448実例により掘削されたトンネルを介して脱走しました。さらなる収容違反を防止するため、全実例を海外のサイト-44に移送する決定が下されました。この決定以降、捕獲の試みは成功していません。
補遺6448.1
直近に記録された民間人の遭遇
SCP-6448の最初の記録は1947/07/07の週頃に遡ります。当時、本属の発見以来多くの一般市民が実体に遭遇してきましたが、偶発的遭遇者の大多数は地方当局に通報しません。これは、典型的にはSCP-6448実例が単に対象を見ているに過ぎないか、そうでなければ敵対行動を採るためです。以下は、記録された2000年以降のSCP-6448現象に関連する全ての911通報の記録です。
人がSCP-6448と遭遇した事例の大多数は発覚あるいは記録に至らないため、これがそうした事例の僅かな一部分であることには注意が必要です。これらの事例のそれぞれにおいて、全ての関連映像・写真およびオブジェクトは機動部隊ガンマ-4により押収され、公的な調査も彼らにより中断されました。カバーストーリー356α「住居侵入」および898Γ「ミッシング411」13の適用は成功しています。
補遺6448.2
事案6448-アルファ
2019/11/29、機動部隊ガンマ-4 "緑の牡鹿" は機動部隊ニュー-7 "下される鉄槌" 重車両部門の援護と実験的なショックライフルにより、SCP-6448実例の拘束と捕獲に成功しました。左記の戦闘の結果意識を失った実例1体は、外部からの増援を防ぐためイングランドのサイト-44を目的地とする武装したCH-47チヌークのヘリコプターにより迅速に護送・配置されました。サイトへの到着に際し、沈静化した実体は無事収容セルへ輸送されました。以下はその後のイベントのログです。
日付
2019/11/30
場所
イングランド、ファウルネス島、サイト-44
<記録開始>
SCP-6448実例は強化された鉄製の大型収容セルに収容されており、重度の鎮静から再起したばかりである。未確認動物学の専門家であるF・オズが部屋の南側を取り囲む一方向性の大型ガラス窓14の前に立つ。
オズ研究員: ごきげんよう、SCP-6448。
実例は急激に硬直し、内部通話装置を見つめる。
オズ研究員: 私が分かるかね?かつて君たちの属がはっきりと英語を喋ったのを我々は目にしている。
実例は応答せず、腕を舐め始める。
オズ研究員: 頼むよ。我々は君の秘密を知っているんだよ。
実例が停止する。
オズ研究員: 間違いなく上手く保ててはいない。何秒か以上己を見つめてみたまえ、君が尋常でないのは……見ればわかることだ。
実例は窓から背いて立つ。首が180°回転し、破砕音が聞こえると同時に、複数の椎骨が明らかに破壊される。実例は瞬きをしない。
オズ研究員: (収容スタッフに向けて) 向こうからは見えていないんだよな? (スタッフの呟き) だよな?
実例の視線はオズ研究員に注がれ続けている。オズ研究員: お前はシカを真似ているんだろう?だとすればお前はシカの基本的な解剖学的知見を持っているが、細かい部分は失敗している。事実、この場に適した疑問は……どうやって、だろうな。仮に君が本物でないとして。
実例が口を開くと、異様に鋭い歯が見える。その顎の動き方は演説を真似ているように見える。理解可能な方言は聞こえず、むしろ嗚咽音や窒息音に似た音が聞こえる。
オズ研究員: 話を進めようか?ここで気になるのは、なぜお前が我々の仲間を連れ去ったのかということだ。雪辱を果たすためか?食事か?悪意か?
実例がインタビューにおいて初めて瞬きをするが、無理な動作が目立つ。
オズ研究員: 答えろ、命令だ。
実例は反応を示さない。
オズ研究員: (厳しい口調で) もし従わないなら、お前の新しい収容セル ⸺
SCP-6448: く ⸺
オズ研究員: (停止する)
SCP-6448: く ⸺ くんきぇう。研究。(実例はオズ自身の声を歪めた調子で話す)
オズ研究員: 研究?一体何の ⸺
SCP-6448: 1947年、7月7日。
実例は突如として厚さ51cmのガラスに衝突し、僅かにヒビを入れる。
オズ研究員: (よろめきながら後ずさる)
実例が崩壊し始める。実例は暴力的に歪み、叫び始める。腹部が膨張し、苦悶する。
オズ研究員: "牡鹿"を呼べ!早く!
粘性のある黒い蔓状の塊が実例の側方から噴出する。塊は跳躍して藻掻き苦しみ、視界窓を粉砕する。残された遺体は完全な空洞になっている。
サイト-44収容違反システム: 収容違反を感知。全職員は最も近い安全な部屋に入ってください。収容セクター4の防爆扉は10秒後に封鎖されます。
蔓状の塊は数秒で迅速にセクター4の外に移動し、ロックダウンエリアを突破する。正面出口の方向へ移動する。
サイト-44収容違反システム: サイトの完全ロックダウンを開始。正面出口は5秒後に封鎖されます。
塊がフロントを突破する。塊は正面出口のガラスを破砕し、外の植え込みの中に姿を消す。
<記録終了>
2ヵ月に及ぶ調査の結果、脱走したアノマリーの所在の特定には至りませんでした。加えて、当該事案以降CWDを患ったシカと未確認飛行物体がサイト-44の周囲で前例のない増加を示しています。さらなる調査が進行中です。