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SCP-7029-A
Name: ほ~ら、飛行機が来るよ!
Author: C-Dives
Rating: 9/17
Created at: Mon Aug 28 2023
アイテム番号: SCP-7029
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル
財団ウェブクローラはCV-00501と一致しない証拠動画の削除任務を課せられています。SCP-7029の直接的な目撃者であると特定された人物は拘留し、クラスC記憶処理を施します。
当面の間、マクガル家は監視下に置かれます。
説明
SCP-7029はアメリカン航空150便 (シカゴ・オヘア国際空港発 パリ=シャルル・ド・ゴール空港行) を指します。オハイオ州上空を飛行中、航空機 (SCP-7029-A) は自然にパイロットの操縦に反応しなくなり、ウェスターヴィル市へと直進し始めました。航空交通管制官は無線で、警告灯がいずれも点灯していないことを知らされました。SCP-7029-Aを地上から目撃した人物らは、SCP-7029-Aは真っ直ぐ降下するのではなく、幾度も旋回を繰り返したと主張しました。
連邦航空局による捜査は、SCP-7029の詳細が墜落後に明らかになった後、財団に引き継がれました。
[記録開始]
[スマート・ホーム・セキュリティ・カメラ]
[チェイス・マクガルとヴェロニカ・マクガルが台所にいる。マクガル夫人はクッキー生地を作っている。マクガル氏は生後7ヶ月の息子、マックスにスプーンでエンドウ豆を与えている。マックスは星柄のよだれかけに豆を吐き捨て、クッキーの皿に手を伸ばす。マクガル氏がクッキーを押し退ける。マックスが即座に泣きながら腕を振り回す。]
[マクガル夫人がこれに気付き、笑顔でマクガル氏の肩を揉む。マクガル氏は溜め息を吐き、マクガル夫人にスプーンを渡し、近くのテーブルに歩み寄って、ノートパソコンを操作しながらコーヒーを飲み始める。マクガル夫人から静かに宥められ、マックスは泣き止む。]
[マクガル夫人は幾つかの豆を掬い上げ、大きな声を出しながら幾度もスプーンを旋回させる手振りをする。マックスは笑って拍手する。マクガル夫人は唇を尖らせながら、マックスの開いた口元にゆっくりとスプーンを近付ける。]
[突然、頭上から木材の破片が降ってくる。マクガル夫人はぶつかりそうになった風見鶏を危うく避けるが、たじろいで転ぶ。マクガル氏は慌てて椅子から飛び上がる。マクガル夫人は埃が晴れるまで咳込む。彼女は多大なショックを表明する。]
[SCP-7029-Aのノーズコーンがマックスの口と物理的に接触し、マックスは拍手を再開する。マックスは金属の表面に吸い付き、SCP-7029-Aをおしゃぶりと同じように動かす。]
[コーヒーがノートパソコンにこぼれるが、マクガル氏はその場に硬直している。マクガル夫人は状況を凝視しており、呼吸を忘れて窒息しつつある。]
[交通監視カメラ]
[思春期の男児がヘッドホンを付け、自転車で歩道を走っている。複数の隣人が家から走り出て呆然とする。少年は隣人たちを見て、ヘッドホンを外し、上を見る。SCP-7029-Aの機体後部が2階建て家屋の屋根から突出している。全てのジェットエンジンが屋根瓦を吸い込んで炎上している。]
[少年は上を見上げたまま郵便受けに衝突する。]
[スマート・ホーム・セキュリティ・カメラ]
[マクガル氏はミートハンマーを繰り返しSCP-7029-Aに叩き付け、幼児用椅子を引き離そうとしているが成功しない。マクガル夫人は必死に携帯電話を使おうとするが、手が滑って満杯の花瓶の中に取り落とし、携帯電話はショートする。憤激した様子で、マクガル夫人は壁から装飾用の十字架をもぎ取り、それをSCP-7029-Aに向けて大声で叫ぶ。]
[著しい重量と負荷が掛かっているにも拘らず、マックスと椅子は無傷である。マックスは喉を鳴らし、腕をばたつかせる。SCP-7029-Aが荒々しく振動した後、ノーズコーンが歪曲してマックスの口の中に消えたように見える。マクガル夫妻が後ずさりし、目に見えて震えている間に、屋根が更に崩落する。]
[セラミックの破片、シャンプーボトル、マーサ・マクガル1がキッチンに落下する。マーサは顔を上げた後、下を見て息を呑む。彼女は裸である。マーサはパニックを起こし、キッチンカウンターからベーキングシートをひったくって身体を覆う。]
[マクガル氏は目を閉じ、吐き気を堪えている。マクガル夫人はマーサから目を逸らし、えずくまいとする。彼女は怯えながらSCP-7029-Aを見つめる。]
[YouTubeライブ配信]:
[乗客や客室乗務員は通路を走り抜ける、座席に飛び乗るなどパニックに陥っている。大半の乗客は非常口の周囲に群がり、お互いに押し合いへし合いしている。非常口は開かず、窓からは台所の様子が見える。]
[赤いパーカーを着た撮影者が悪態を吐き、SCP-7029-Aの前方に走っていく。前方出口もやはり塞がっており、操縦室のドアは大きく開いている。パイロットは2人とも無線に向かって叫んでいる。操縦室の窓からの視界は黒一色である。]
[凄まじい軋み音が響き渡り、1対の白い長方形が機体を突き破る。操縦室全体が暗闇に包まれ、撮影者は後ろに飛び退く。機内の全員が身動きを止め、引き裂かれた開口部を見つめる。撮影者が携帯電話の懐中電灯機能をオンにする。]
[光が巨大な舌と口蓋垂を照らし出す。操縦室から金切り声が聞こえ、高所から不可視の空間へと落下していく。舌は乗客たちに気付き、開口部に向かって動く。撮影者が悲鳴を上げ、配信は唐突に終了する。]
[スマート・ホーム・セキュリティ・カメラ]
[複数の隣人が鈍器をSCP-7029-Aに叩き付ける。マクガル夫妻を屋外へ連れ出そうとする者たちもいるが、2人は拒否する。マックスの椅子が完全に砕ける。マックスは無傷で床に座り込み、無気力の兆候を示している。全員が上を見る。]
[天井の穴、2階、屋根が炎に包み込まれる。SCP-7029-Aの下部は現在、完全に家屋内に入り込んでいる。マックスに近接する固定されていない物体が激しくジェットエンジンに吸引され、爆発して炎の塊になっている。]
[テーブル、椅子、その他の家具は吸引力の影響を受けていないらしく、逃げなかった人々はそれらに固くしがみ付く。奇跡的に全員が掴まり続けている。やがてSCP-7029-Aの全体が歪曲し、完全にマックスの食道に消える。]
[吸引力が即座に失われ、家具に掴まっていた人々が床に勢いよく激突する。隣人たちが家具をひっくり返す。彼らは激しく恐怖する様子を見せつつ、マックスの方向に銃を向ける。マクガル夫人がゆっくり、慎重に、床で咳込んでいるマックスに歩み寄る。]
[マクガル夫人は膝を突き、片手を差し伸べるが、マックスがげっぷをすると引っ込める。小さな機長用のパイロット帽がマックスの口から飛び出す。マックスは唇を鳴らし、エンドウ豆の皿に目を移す。豆は既に残っていない。マックスは泣き始める。]
[隣人たちがパニックを起こし始める。マクガル夫人はカウンターにあるまだ手付かずのクッキーの皿に気付き、クッキーをマックスの膝の上に落とす。マックスは笑いながらクッキーを食べる。マクガル夫人の手から皿が滑り落ち、床に当たって割れる。]
[マクガル氏の目が痙攣する。マクガル夫人は床に崩れ落ちて身を丸め、虚空を見つめる。マーサはカーテンの裏に隠れている。マックスはチョコレートチップを鼻の穴に押し込む。家はまだ炎上している。]
[記録終了]
全ての関係者にクラスA記憶処理が施されました。マクガル家の家屋に及んだ被害とSCP-7029-Aの失踪を説明付けるため、カバーストーリーCV-33454及びCV-00501 (小型航空機の墜落/海上での航空機喪失) がそれぞれ適用されました。マックス・マクガルが異常性を有しているかを断定するための試験が実施されました。マックス・マクガルは通常より高いヒューム値を示したものの、現実改変者としての分類基準を満たさず、程なくしてベースラインの数値に戻りました。
実家の物的損害が修復されるまでの間、マクガル家はオハイオ州リンカーン・ヴィレッジに一時的に転居することを決定しました。
補遺-7029.1、更新
先程脱線が報じられた暴走列車はリンカーン・ヴィレッジへの直進経路を辿っているようです。収容の試みが進行中です。