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Author: Tetsu1
Rating: 7/7
Created at: Fri May 09 2025
Sirius sits alone at a table set for two, knowing the other seat will never be filled. He can't bring himself to stop setting out a plate for her.
アイテム番号: SCP-8699
オブジェクトクラス: Uncontained
特別収容プロトコル
SCP-8699の影響は財団の奇跡術師シリウス・レヴァレンドに局在しており、ヴェールへの脅威を呈していないため、SCP-8699を収容及び/または無力化する試みは現在行われていません。
説明
SCP-8699は、2013年7月27日におけるヴィヴィアン・レヴァレンドの死後、シリウス・レヴァレンドを中心としている継続的な一連の異常現象です。これらの出来事は通常、レヴァレンドが家で独りでいる際に発生しますが、他の複数の場所でも発生しており、まれに他者の前で発生する場合もあります。
以下、シリウス・レヴァレンドに代わりジャック・シモンズ研究員が現象の簡単なリストをまとめました。完全なリストは文書8699-Eventsを参照してください。
補遺-8699-1
レヴァレンドは読書中に眠りにつく。目覚めると本がベッドサイドテーブルに置かれており、ちょうど彼が読み終えたページを示すしおりが挟まれている。その横には冷水の入ったグラスが置いてあり、中には氷が4つ浮かんでいる。彼は黙ってグラスを見つめる。
2個のマグカップ — 一つには"S"の文字が、もう一つには"V"の文字が記されている — がレヴァレンドのコーヒーマシンの側に置かれている。彼は習慣でコーヒーを2杯注ぎ、1杯を置いて立ち去る。彼が戻ってくると、2杯目が底の数センチメートルを残してほぼ空になっている。彼は残りを捨てるが、底には古い輪っか状の染みが残っている。
レヴァレンドの居間の窓辺に3輪の花が置かれている。彼は何週間も水をやっていないが、それにも拘らず花は健康的な状態を保っている。ある時点で、植物の隣に手書きのメモが現れるが、レヴァレンドは気付かない振りをする。
ヴィヴィアンのことはお気の毒に、シリウス。
大丈夫。
そんなことはないだろ。理不尽な話だし、苦しく思ってもしょうがない。
大丈夫だって。
わかった! わかった。ただ- 必要とあれば俺がいるからな。
ありがとう、シモンズ。きっと大丈夫。
レヴァレンドは裏庭で独り奇跡術を練習している。一瞬、背後から視線を感じる。ぼんやりと、彼はより目に見える呪文に切り替え、普段は追加しない奇跡論エネルギーで余分かつ不必要に演出して終える。背後からかすかな笑い声と拍手が響くが、振り返ると音は消える。彼はため息をつき、見えない奇跡術の練習を再開する。
レヴァレンドはサイト-37の外に立ち、数年ぶりにタバコを吸いながら星を見上げる。空は快晴で、何百もの星が黒い空の只中にきらめいている。流れ星が筋を描き、レヴァレンドは静かに願い事を漏らす。視線を下げると、通りの向こうに僅かに顔をしかめたヴィヴィアンを見つける。彼は息を詰まらせる。一歩近付くが、二人の間を車が通りすぎ、彼女はいなくなる。彼は星とヴィヴィアンが「立っていた」場所の間を見つめる。タバコを踏み消す。
5月21日 — シリウスとヴィヴィアンの結婚記念日 — レヴァレンドは意識を失うまで酒を飲み、その間にヴィヴィアンの電話番号に36通ほどメッセージを送信する。その多くは、彼女がいなくて寂しいというものである。翌朝目を覚ますと、彼女の名前の下にテキスト通知がポップアップするが、開いてもメッセージはない。彼は電話を床に落として画面を割り、ベッドに戻る。彼は仕事に現れない。
俺だったら良かったんだ。
レヴァレンド、やめろ。
俺のシフトだった。あそこにいるのは俺のはずだったんだ。
知りようがなかった。
寂しいんだ、シモンズ。すごく。
きっと楽になる、シリウス。約束する。
いつだ、ジャック?
いつだよ?
2014年7月27日、ヴィヴィアンの一周忌。レヴァレンドは独りシャワーの前に座り、頭を腕と脚にうずめ、冷水が降り注いで涙と混ざりあう。かすかにカーテンが開閉する音、そして「温」ノズルが回されて水が熱くなる時の静かな金属音が聞こえる。彼女が入ってきたときと同じである。水が彼の肌を焼き、彼女を思い出させる。レヴァレンドは2時間近くシャワーを浴びている。
レヴァレンドは4回に分けてサイト-37管理官アッシャー・セルジンに退職通知メールの草稿を作成するが、4回とも失敗する。最初の2回では送信時にソフトウェアエラーが発生し、1回目はメッセージが消去され、2回目はプログラムが完全にクラッシュする。3回目はメッセージは無事に送信されるが、理由は不明ながらセルジン管理官の受信トレーではなく、ジャック・シモンズの受信トレーにリダイレクトされる。4回目もリダイレクトされるが、今度はヴィヴィアンのメールにであり、その最後のメールには「明るい未来に向けてさあ進もう!」と書かれていた。レヴァレンドは数分間独りで静かに泣いてから、メールプログラムを完全に閉じる。
起きろ、シリウス。外出るぞ。
シモンズ、今はホント無理だから。
誘いじゃなくて強制だ。15時にお前の家に行くから、どう言おうがお前の情けない尻を引きずり出してやる。
退職通知についてのことなら心配しないで。結局やれんかった。
仕事じゃなくてお前のこと心配してんだよ馬鹿。さあ、大人しく準備するか、それともこの完璧スマート人間に立ち向かうか選べ。
そっちのが8インチ小さいだろ。
はーーそれもそうだ。とにかくあと10分で着くから、いいな?
わかった。
レヴァレンドが仕事に戻ると、デスクの上に「いい日々になりますように♡」と書かれた付箋が置かれている。彼は寂しげに微笑み、それをデスクから外すとPCモニターの下部に貼り付ける。勤務開始から1時間後、彼は自分でも付箋にハートを描く。
居間を掃除中、レヴァレンドは誤って窓辺の花瓶を一つ叩き落してしまう。それは地面で砕け散るが、中のバラは無事である。レヴァレンドはそれを残りの花瓶に移すが、そこで初めて他の花が僅かにしおれ始めていること、そしてその側のメモに「今度はそっちが水をあげる番よ、あなた」と書かれていることに気付く。レヴァレンドは砕け散った花瓶を掃除し、慎重に花に水をやる。
レヴァレンドは読書中に眠りにつく。目覚めると本がベッドサイドテーブルに置かれているが、中に収まっていたしおりは別のページに挟まっている。本を開くと、挟まっていたページの章題は「ほろ苦い別れ」であった。横に水の入ったグラスは置かれていない。