Information
Name: 正当化バッジ
Author: Raihachi
Rating: 6/8
Created at: Tue Feb 25 2020
アイテム番号: SCP-1339
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-1339はサイト-56の金庫に保管され、ロバート・ウィリアムズ博士の許可を得た場合のみアクセスが可能となります。実験は追って通知があるまで一時中断されています。
説明
SCP-1339は警察バッジであり、警察署や階級の標記はありません。SCP-1339に類似したバッジは20██/3/1時点では発見されていません。当該バッジの異常性は着用時のみ発現します。
SCP-1339がヒトの衣服に装着された場合(他の動物種にもSCP-1339の影響が及ぶ場合があります。実験記録を参照してください)、以降では被験者と呼称しますが、彼らは自分が目撃あるいは実行する全ての行為が完全に正当かつ妥当であると確信します(補遺1339-1を参照してください)。事象について尋ねられた際、被験者は常に当該行動を合理化および擁護します。運動技能、問題解決および認知能力に関する評価は全て、SCP-1339が精神機能を損うものではないことを証明しています。財団心理学者および言語病理学者は、SCP-1339被験者の発話パターンが精神病および社会病患者のものと類似していると指摘しています。
一度SCP-1339が被験者から取り外されると、着用中に道徳的または倫理的に誤った行為をしていない場合においても、当該被験者は直ちに大きな罪悪感および抑うつ感を覚えるようになります。治療試行はうつ病や罪悪感を有する他の罹患者と同様に有効ですが、療法士が注目している点として、罹患者は抗うつ薬および従来の精神病治療法の両者に対して一層の耐性を有していることが挙げられます。記憶処理は逸脱した"記憶"を除去することに対して有用であることが証明されているものの、罪悪感は依然として被験者から報告されています。治療を受けない大半の事例において、被験者は自らの命を絶つようになります。いくつかの事例において、被験者は遺書の中で未知の犯罪について自白します。"未解決事件"あるいは行方不明者が発見される可能性があるものの、追って通知があるまで実験は一時中断されることが決定されました。
補遺1339-1
被験者は殺人、大量殺人、拷問、飢餓の強制、非医療的切断行為などを暴露、場合によっては実行したことがあり、尋問を受けた際には前述の行為は完全に合理的かつ正当であると主張します。
インタビュー1339-1
D-345781: SCP-1339を使用している被験者
トレスト博士: D-345781へのインタビュー実施者
序文
D-345781はSCP-1339を数日間着用していましたが、その間にエージェント・ラーソンの死、Dクラス職員の終了、およびSCP-███による暴力的な脱走試行を直接目撃しました。
トレスト博士: 体調はいかがですか、D-345781?
D-345781: 大丈夫だ、アンタは?
トレスト博士: 私も元気ですよ。さて、この財団で見てきたことについてどう感じますか?あなたの同僚の何人かは少し動揺したようですが。
D-345781: 大丈夫だと言っただろ。アンタたちがなぜこういうことをする必要があるのかは理解してるぜ。
トレスト博士: あなたは自分が関与したこと対して罪悪感を感じていませんか?
D-345781: あれは起こるべくして起きたんだ。
トレスト博士: なぜその様に確信しているのですか?
D-345781: あいつらは不要な人間だった。あいつらはあいつらの仕事をして、そして死んだんだ。とにかく文句ばかり言っていた。特に█████。彼は[データ削除済]まで止めなかった。 とうとうそいつがあいつを黙らせたんだ。
結文
D-345781はこのインタビューの直後にSCP-1339を取り外しました。被験者はすすり泣き始め、緊張病状態に陥りました。倒れる前、彼は研究員や医師に向かって数分間にわたって支離滅裂な叫び声を上げ、繰り返し罵声を浴びせました。D-345781は独房に戻され、1週間の大半をベッドで過ごしました。1週間後、彼は独房内で自らを刺傷して死亡しているところを発見されました。歯ブラシで作った粗製の"軸"が自殺に用いられた凶器であることが判明しました。独房から発見された遺書には、3つの犯罪についての詳細な自白が記載されていました。1932年のオハイオ州コロンバスにおけるコンビニ強盗、2003年のニューヨーク州イサカにおける女性殺害、そして紀元前4750年のメソポタミアにおける男性に対する暴行についてです。当該犯罪についてはすべて、現在財団歴史研究員によって調査されています。
このインシデントを受け、SCP-1339を着用した全被験者に対する精神医学的カウンセリングが義務付けられました。
実験記録1339-1
被験体: インコ1羽
実験期間: 30秒
行動: なし
結果: インコは静止状態を維持しており、研究員らは異常を確認できなかった。この実験を受け、霊長類以外の動物はSCP-1339の影響を受けないと考えられる。
被験体: 通常のチンパンジー1匹(Pan troglodytes)
実験期間: 24時間
行動: 被験体は摂食、木登りおよび他のチンパンジーへの攻撃的行動が観察された。
結果: SCP-1339を取り外した後、チンパンジーは人工飼育下で生まれ育ったにもかかわらず、捕獲されたばかりの野生動物と同様の抑うつを経験したように見受けられる。数週間後、被験体は正常に活動している様子が観察された。
被験者: D-38546
実験期間: 30秒
行動: なし
結果: D-38546はSCP-1339を着用した状態で研究員の前に立ち続けたが、取り外した際に重度の抑うつを経験した。治療中、被験者は幼少期のペットの死(D-38546の家族との接触により、真実であると発覚した出来事)、1905年(被験者が出生する82年前)のホームレス男性に対する殴打および殺害、そして[データ削除済]を含むいくつかの財団の計画に対する罪悪感を告白した。D-38546は直ちにクラスA記憶処理を受け、予定通り終了された。
備考: 確かに、SCP-1339はいくつかの事例において地元当局を支援している。しかし、私たちは被験者に心理療法や錠剤を与え続けることで資源を浪費することはできない。何十年も前に起きた未解決殺人事件や行方不明者リストを持って保安官の元に姿を見せることほど、財団がこれまでに行ったことの中でも特に微妙な対応だったことはない。今後は上級職員の承認および監督がない限り、試験は一時停止される。-イーストン博士
実験記録1339-2
新たな実験が、SCP-1339を使用している被験者が財団職員としての処遇に適しているかどうかを判断するという明確な目的のために、サイト-56のキオルスト博士によって一時的に承認されました。SCP-1339を着用している間は罪悪感や自責の念を感じないため、使用者は通常の職員よりもより道徳的に問題のある行動を対処する上で、通常の職員よりも優れていると推測されています。
被験者: D-84766
実験期間: 2か月
行動: D-84766には実験期間中に個人宿舎が与えられた。唯一の特筆すべき特徴として、特に実験目的で壁に組み込まれた、標準的な24インチモニターが挙げられる。SCP−1339を装着した後、D−84766は室内まで誘導されてから内部に監禁された。食事は職員が1日3回配膳した。日中の午前6時から午後8時(グリニッジ標準時)までの間、モニターは職員によって最も倫理的に問題があると判断された財団活動のライブ映像を放映した。食事を配膳する職員は宿舎を訪問している間、映像の消音や電源自体を切ることを宣告する権限が付与された。2か月間の曝露後、D-84766は宿舎から連れ出され、サムソン博士による精神鑑定を受け、D-84766は精神的に健康であると宣告された。
鑑定後、D‐84766はSCP‐1339を取り外した。被験者は取り外した後に緊張病状態に陥り、支離滅裂な叫び声を上げ始めた。居合わせた職員は、被験者は自身の耳と目を取り外すことを試行した後、警備員によって拘束されたと報告した。鎮静剤を投与された後、D-84766は宿舎に戻されたが、13週間にわたって職員との対話を拒否した。治療の試行は被験者の反応が確認できないため失敗に終わった。2005/9/3に訪問した職員は、被験者が床にうつ伏せになって倒れていたと報告した。医療スタッフによってD-84766が意識不明であることが判明し、彼女はその後間もなく病棟に搬送された。5時間後、病棟で被験者は意識を回復した。
病棟にいる間、被験者はサムソン博士(インタビュー1339-2参照)のインタビューに応答可能であった。インタビュー後、被験者は空の注射器で自分の胸、首、顔を13回刺傷した。死因は被験者の頸静脈が刺突されたことによるものであった。現場からメモは発見されなかったが、サムソン博士は被験者がインタビュー中に手渡した文書を提示した。
インタビュー1339-2
D-84766: SCP-1339を実験被験者
サムソン博士: 被験者へのインタビュー実施者
サムソン博士: 気分はどうですか、D-84766?
D-84766: ごめんなさい。ごめんなさい。全部私のせいよ。
サムソン博士: 何に対して謝罪しているのですか?
D-84766: 分かるでしょう。分かってるわ。私が何をしたかは分かっているわ。
サムソン博士: 奥さん、あなたはSCP-1339を着用している間は一度も宿舎を出なかっ-
D-84766:止めて!いや!できない…できないわ…私は間違っている…間違っている、でも私は正しい…まったくもって正しいわ、でもまったくもって間違っているわ…正しいし間違っている…正しいし間違っている正しいし間違っている正しいし間違っている正しいし間違っている…
結文
ログの終わりに続いて、D-84766被験者はサムソン博士に一枚の用紙を投げつけました。D-84766はその後に注射器を手に取り、前述の通り自殺しました。サムソン博士は直ちにメモを財団当局に手渡しました。メモに記載された内容は下記の通りです:
トピーカ、カンザス、1881。殺人。私のせい。
北京、中国、1921。強盗。私のせい。
██████、サイト-56、2005。[編集済]。すべて私のせい。
[メモはこのようにいくつかの節が続き、場所、日付、および犯罪が明示されており、加害者として被験者の名称を明示しています。メモは唐突に終わり、未だ存在しない日付を示し、未だ未詳の人物の名称を明示しています。当該人物を発見する試行は成功していません。]
被験者: タムリン博士
実験期間: 5週間
行動: タムリン博士は試験の承認や実験の監督など、管理者としての通常の職務を遂行した。SCP-1339が着用されていた間、タムリン博士は与えられたすべての実験申請を承認し、最終的には明らかに冗談めいていたり虚偽の申請が承認されるまでに至った。その中にはKeterクラスのSCPを解放する申請や、暴力的なDクラス職員をO5に昇進させる申請も含まれていた。承認された申請はすべて職員によってのちに否認された。
結果: タムリン博士は取り外した直後は心理的に健康であると判断されたが、彼の妻および同僚は彼が明らかに社交的でなくなったと説明した。2週間後、タムリン博士が出勤しなかったため、エージェントが彼の家に派遣された。到着した際、エージェント・ジョテスとエージェント・ハワードはタムリン博士および妻の遺体を発見し、無理心中を図ったように見受けられた。2名とも死因は複数の刺傷で、タムリン博士の傷は自ら負ったものであった。彼の遺体付近からメモが発見され、その中で彼は妻の殺害を含む複数の犯罪を犯したことを自白していた。
備考:以上の通りだ。これで君は私たちが暫くの間行うことの一部を処理することができるようになるが、"厄介な事故 "に巻き込まれた者が全員、自殺したり他人を殺させて終わりにする訳にはいかない。すべての実験は終了した。SCP-1339はサイト-56のロックされた貯蔵エリアに恒久的に保管されるものとする。哀れな者たちよ安らかに眠れ。可能であれば。
-キオルスト博士