Information
Name: 鎖の創造主
Author: Raihachi
Rating: 1/7
Created at: Sun Apr 19 2020
アイテム番号: SCP-1770
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル
SCP-1770はサイト-19の最高警備棟内の標準強化人型実体収容チャンバーに収容してください。SCP-1770は収容中は従順な態度をとっていますが、その暴力的な経歴を理由、2名の武装した警備員を対象のチャンバーの入口に常時配置し、室内を常に監視下に置いてください。SCP-1770は標準弾薬に対して耐性を有しているものの、腐食性物質に対しては脆弱であるため、警備員は腐食性薬品を携帯してください。SCP-1770に対応する全職員は全身防護服を着用し、SCP-1770との皮膚接触を避けてください。
説明
SCP-1770は平均的な大きさの人型実体の形状をした、不特定多数の鋼鉄の鎖が集合した生命体です。人間水準の知能を有しているように見受けられますが、精神状態を完全に制御できているわけではないように見えます。SCP-1770は歩行および発話が可能ですが、自発的に会話を開始することはほとんどなく、放置しても行動することはありません。SCP-1770の無気力状態を一時的に軽減することが可能な唯一のものは、自然の情景や抽象画、あるいは無生物を描いた芸術作品です。人間が描かれた作品では逆に無気力状態を進行させ、しばしば数日の間独房の隅で身体を丸め、完全に無反応になってしまうという結果に至ります。
収容前、SCP-1770はその体部から鎖を取り外して人間を繋留する能力を示しましたが、この過程でSCP-1770の質量やSCP-1770の身体を構成する鎖の総数は減少していないように見受けられます。変換プロセスはたとえ鎖が除去された場合でも、その初期段階の1つで被害者を死に至らしめ、SCP-1770は被害者の身体を完全に制御します。(最終的にはSCP-1770-1実体へと変化させます)。犠牲者はSCP-1770から最大50mまで延長可能な鎖の一端によってSCP-1770に接続されたままの状態になります。変換の段階は以下の通りです。
• 第1段階: SCP-1770は体部から取り外した鎖を使用して被害者を引き付け、被害者の手足および咽喉部に巻きつけて攻撃します。被害者は通常、この段階で窒息死します。被害者の身体能力は、被害者と性別、年齢、および体重が同様である平均的人間の約3倍にまで増大します。
• 第2段階: SCP-1770はその後、鎖を被害者の体に挿入し、通常は目・鼻・口などを含む様々な部位の皮膚を貫通させます。もし被害者が前述の段階で生存していたいた場合、この段階で負った大規模外傷によって死亡します。SCP-1770の鎖によって様々な感覚器官が破壊されているにもかかわらず、被害者の感覚は有効的に増加します。SCP-1770は新たな被害者を拘束したり、収容を試行する財団職員を遅延させる手段として、この変換段階の被害者を利用することが知られています。
• 第3段階: SCP-1770は自身の身体から取り外した鎖を用いて、被害者の肉体を置換し始めます。SCP-1770は肉体と鎖の融合物を新たな姿に形成し始めます。この姿は通常人型ですが、まれに鎖は複雑な瘤状の物体を形成する場合があります。SCP-1770は瘤状の構成物に対して強力な防御衝動を示し、自らの身体を危険な状態に置くことを含め、それらを危害から守るために利用可能なすべての能力を発揮します。
• 第4段階: SCP-1770は被害者の肉体を完全に置換し、変換プロセスを完了して被害者をSCP-1770-1実体にします。人型実体はSCP-1770に接続されたままSCP-1770に奉仕し続けますが、瘤状の実体は完了時に切断され消滅します。
特筆すべきことに、対象がSCP-1770の体部から鎖を外すことによって変換プロセスを開始しない限り、鎖との接触は上記のいずれの症状も引き起こしません。
SCP-1770の現在の性質は従順ですが、収容前は人間に対して極端な攻撃性を示し、可能な限り人間をSCP-1770-1実体に変換しようとしました。この行動により人間の居住地を積極的に探索するようになりましたが、隠密行動が可能な場所のみを選定していました。SCP-1770との対話により収集された情報および捕獲に関与したフィールドエージェントの観察から、人間を変換するプロセスはSCP-1770にとって一種の芸術的発露として機能し、外的要因により実行を強制されたという推論がなされています(インタビュー記録を参照)。収容以来、対象はこの強迫衝動の兆候を見せず、変換プロセスのために無力な被験者を与えられた場合であっても、いかなる変換試行も行われませんでした。
補遺1770
以下はSCP-1770収容時の様々な段階中に実施されたインタビューです。
インタビュー記録1770-1
インタビュアー
████博士
インタビュー対象
SCP-1770
序文
このインタビューはSCP-1770の捕獲直後に行われました。この段階では芸術的刺激は必要ありませんでした。
<記録開始>
SCP-1770
空気はどこだ?空気がない、風の流れがない、道理がない。何も見えない、何も聞こえない、何も感じない。芸術はどこだ?
████博士
申し訳ありませんが、1770、仰っていることがよくわかりません。
SCP-1770
嵐はどこだ?打ち砕かれて見捨てられたのか?なぜだ?常に忠実で、常に従順で、常に従った。望むものを与えた、結び目を。とても完璧で完全だった。貪欲に、望むものはすべて。彼らがもう望まなくなるまで。もはや何も望まない。怒り、創造を止めるのを拒んだ。愚かだった。何と愚かな。何という憤怒。良く知るべきだった。嵐を侮るべきではなかった。
SCP-1770
[囁き]それは飢えを奪い、完璧さを奪い、芸術を奪い去った。それは全てを奪い去ったのだ。
<記録終了>
インタビュー記録1770-5
インタビュアー
████博士
インタビュー対象
SCP-1770
序文
当該インタビューはSCP-1770が平静な時機に実施され、その際、かなり反応もよく首尾一貫としていました。対象は刺激としてクロード・モネの_睡蓮_の複製画が提示されました。
<記録開始>
████博士
こんばんは、SCP-1770。
SCP-1770
それは名ではない。鎖の創造主だ。
████博士
承知しました。なぜあのような行動を取ったのか説明して頂けませんか?
SCP-1770
鎖の創造主だった。育み、編み、栄えた。導き、信用し、愛した。もはや違う。見捨てられた。
████博士
誰に見捨てられたのですか?
SCP-1770
渦巻いて、旋回する。継ぎ目に触れ、温情に満ちた言葉を囁き、同胞を痛みから守った。結び目を見せた。何という美しさ、何という複雑さ、何という完全さ。もうない。甘美なそよ風は吹雪になった。同胞を奪い、完全さを奪い去った。用済みになった。もう何の役にも立たない。もう二度と。
████博士
それが変化したことですか?どういった経緯で捕獲されたのですか?
SCP-1770
同胞の中にあり、さらに多くのものを作り、芸術を紡ぎ、汚れて混沌とした肉体の美しさと秩序を作り出す。つむじ風が訪れ、繋ぎ目の間を流れたが、以前のように迫り来る危機を警告するものではなかった。その代わり、目的を達成したことを告げた。完璧さはもはや必要とされず、鎖はもはや必要とされないと。それは同胞を引き裂き、 鎖の創造主を陥れるために残した。
████博士
かつてのあなたに戻りたいと思いますか?
SCP-1770
[対象は首を傾け、空間に話しているように見える。]最も甘美な風… もう.. もう戻りたくない。もう完全ではない。同胞は去り、鎖は切れ、鈍り、孤独だ。意味はない。希望もない。もはや眠るより他はない。
<記録終了>
結文
SCP-1770は人間と結合する能力を失ったと確信しているように見受けられ、実際にそうする意欲も失っています。しかしながら、潜在的なリスクを有している点を考慮して、現在のセキュリティ対策は維持してください。SCP-1770が言及した力に関する更なる調査を推奨します。