Information
Name: かつての我らとその使命
Author: gnmaee(NoTranslator)
Rating: 85/87
Created at: Sun Oct 30 2016
アイテム番号: SCP-2959
オブジェクトクラス: Keter-potissimi1
特別収容プロトコル
SCP-2959と全ての関連文書はデルタ-5セキュリティクリアランスに保たれます。デルタ-5セキュリティクリアランスを有する個人はSCP-2959に曝露された個人と接触しないでください。デルタ-5セキュリティクリアランス保有者とSCP-2959曝露者とのコミュニケーションは、メッセージの大まかな意味を保ちつつミーム災害を排除するよう設計された人工知能 (LUKA-7) を介して行ってください。
現在、全ての主要なサイトはSCP-2959に汚染されており、SCP-2959-A実体を保有していると推定されています。SCP-2959根絶手順の策定と実施が可能となるまで、全てのデルタ-5セキュリティクリアランス保有者はあらゆる財団基地から少なくとも100キロメートル離れた指定のセーフゾーンに隔離されます。
有害な影響こそありますが、SCP-2959の根絶が可能となるまで汚染者の行動を阻止する計画はありません。デルタ-5セキュリティクリアランス保有者はSCP-2959の除去手法の発見に焦点を当ててください。SCP-2959が根絶されたならば、全ての被影響者には記憶処理を受ける選択肢が与えられます。
説明
SCP-2959は、「Dクラス」として財団職員を汚染している実体の集合に与えられた指定です。SCP-2959実体は様々な性別、人種、年齢、過去を持つ平均的な人間集団として出現します。SCP-2959は通常の人間と同等であり、精神、身体的状態は標準偏差の範囲内です。SCP-2959実体は様々な個性を持ち、財団職員を「博士」と呼ぶ傾向を除いては類似点を有していません。SCP-2959は一様に、財団の拘留下に移される前は厳重に警備された様々な刑務所におり、通常は様々な国家の死刑囚または政治犯であったと主張します。現在、SCP-2959がこの作用を発生させる手段に関して何ら理論は確立されていません。
財団に雇用され何らかの資格を有する者が、SCP-2959実体または汚染された個人と対話した際にSCP-2959の異常作用が発現します。汚染された財団雇用者はSCP-2959をヒト被験者と見なします。以前の人格や暴力への嫌悪感にかかわらず、SCP-2959に汚染された職員はSCP-2959実体と他のSCPオブジェクトを利用した実験を行うか、その実行を補助します。通常、これらの実験はSCP-2959実体を死亡させるか、有害作用によって苦しめる結果となります。ほとんどの実験は科学的利益が少なく、SCPオブジェクトのより深い理解には繋がらないものです。影響を受けた職員はSCP-2959実体の生命や幸福を無視するようになり、長期の接触によってこの傾向は増大します。
SCP-2959実体は、カレンダー上で1ヶ月間被験者として用いられます。汚染された職員は、奉仕期間後の解放を約束してSCP-2959実体を協力させます。毎月1日に、SCP-2959実体は終了されます。通常、これはSCP-2959-Aに付属のガス室で行われます。様々なサイトにおいて儀式的な断頭、溺死、鞭打ちなど数例の非典型的な終了手段も記録されており、これに必要な道具は全てSCP-2959-Aから供給されます。終了されたSCP-2959実体は全ての事例において焼却されます。これと同時に、新たな実体がオレンジのつなぎを着てSCP-2959-A宿舎内で就寝している状態で実体化します。汚染された職員は、これらの事象の映像記録やSCP-2959の輸送に関する矛盾点に反応しません。汚染者はSCP-2959がサイトに配送されたという偽の記憶を有するようになります。
SCP-2959-Aは1棟の建物や1つの階層(場合によっては建物全体)であり、「Dクラス宿舎」としての機能を有します。サイトに関与する職員がSCP-2959実体や汚染者からの汚染を受けた時点で、SCP-2959-Aは財団サイトに完全に組み込まれます。SCP-2959-Aの実体化は瞬間的であることが示されています。SCP-2959-AはSCP-2959の生活の世話、殺害、制御に必要なあらゆる装備を保管しています。全てのサイト職員は、SCP-2959-Aを最初から建物の一部であったかのように扱います。
SCP-2959実体の95%は、主に軽犯罪で収監されている個人の複製であることが示されています。投獄理由を除いて、私生活の詳細は対応する個人と一致します。残る5%には、生死にかかわらず対応する人物が知られていません。
補遺2959-A: 2011年2月13日、SCP-2959に汚染された最初のサイトであるサイト-19が、処罰として職員を「Dクラス」に「降格」し通常の手順に従って月末に終了するという慣習を制定しました。降格理由としては財団への不服従や資金の流用などがありますが、同時に慢性的な遅刻癖や最近制定された服装規定に従わないなどの理由も含まれています。
補遺2959-B
2016年9月18日、他の全ての汚染サイトが職員の「Dクラス」への降格を様々な罪への処罰として制定しました。
様々なペーパーカンパニーを通じて国防総省に偽装することによって、SCP-2959実体へのインタビューがデルタ-5機密の下で行われました。インタビューを行った人物は財団雇用者ではなく、CIAから派遣された尋問担当者でした。尋問者は米国政府に心から忠誠を誓っていることを基準に選ばれ、尋問対象は政府のある秘密プロジェクトに関するヒト被験者であると通知されました。被験者の非倫理的性質のため、利用できた尋問者は2名のみでした。インタビューの完了後、関与した全ての民間人は記憶処理を施されました。また、SCP-2959実体の取得に関してデルタ-5に属する知識を得たSCP-2959汚染職員にも記憶処理が施されました。
機密保持のため、インタビュー可能だったSCP-2959実体は10名のみでした。10名のうち9名には存命の対応人物が存在しました。理論的に予測されたように、収監理由となった事象を除き、得られた全ての情報は現在刑務所で刑期を務めている人物と同一のものでした。次のインタビューは残る1実体に対するものです。
デルタ-5プロトコルに従って、SCP-2959-10の応答はLUKA-7によるフィルタリングが施されています。
SCP-2959-10: 博士、何でこんなところに連れてきたの?自由にしてくれるってこと?
質問者: 残念ながら違います、お嬢さん。それに、私は実のところ博士ではありません。彼らは私に、あなたがD-4596G12と指定されていると教えてくれました。記録のためにお名前を伺ってもよろしいですか?
SCP-2959-10: セリーナよ、博士。セリーナ・デイビス。あなた達は今後そう呼ぶことにしたってわけ?
質問者: セリーナ・デイビス、分かりました。それと、私はあなた達(質問者は身振りで上階を指す)の一人ではありません、お嬢さん。博士と呼ばなくてもいいですよ。エージェント・ジョーンズと呼んでください。
SCP-2959-10: 分かんない。じゃあどこから来たの?(SCP-2959-10は多量に発汗し始める。)
質問者: お嬢さん、あなたは私の素性について知る必要はありません。質問に答えていただければ、私達はあなたをすぐに連れ戻すことができます。
SCP-2959-10: 戻す?あなたは私を戻すことなんてできないわ、博士。無理。とにかく無理なのよ。彼らがそこで何をしてるか知ってる?彼らが私に何をしたか知ってる?博士。
質問者: 私が命令に疑問を持つことはありません。それに、私は博士ではありません。私は、あなたがどこから来たかも知りませんし、彼らが何をしたかも知りません。では、あなたがどこから来たのか教えていただけますか?
SCP-2959-10: えっと、知らないの?博士じゃない人。(これ以降、SCP-2959-10の発声は不明瞭となり始める。)
質問者: はい。あなたがどこで産まれたか教えていただけますか?
SCP-2959-10: ナンタケット。ナ――ナン――ナンタケット。(SCP-2959-10は異常な速度で汗を流し始める。)
質問者: あなたは元々、どのような理由で収監されたのですか?
SCP-2959-10: 犯罪。私が命令に疑問を持つことはないわ、博士。彼らがどこから来たかも知らないわ、博士。彼らが何をしたかも知らないわ、博士。(SCP-2959-10は極度に混乱している様子である。鼻孔、耳、口角から液体が滴り始め、後にこの液体は脳脊髄液と羊水であると確認された。)
質問者: 何が言いたいのですか、お嬢さん?
SCP-2959-10: お嬢さんって何?博士。あなたは知る必要はない。あなたは犯罪について答えるだけでいい。あなたは指定番号で呼ばれる必要はない、セリーナ。私が博士でない人であるとき、あなたはどこで産まれた?
質問者: 真面目に答える気はあるのですか?それとも狂ったふりをしているのですか?
SCP-2959-10: あの人たちの一人は真面目に答えることができる。博士。私が狂気に疑問を持つことはない。彼らが何をしたか。彼らは何者だったか、博士。(SCP-2959-10は椅子にもたれかかり、目を閉じたまま最後の2つのフレーズを繰り返す。)
質問者: (質問者はSCP-2959-10に手を伸ばし、肩を激しく揺さぶる。質問者は全力でSCP-2959-10の顔面に平手打ちをする。SCP-2959-10は動かないままフレーズを繰り返す。質問者は記録装置に話し始める。)現時点で許可されている手段では、これ以上の情報が得られるとは思えない。
SCP-2959-10: 彼らが何をしたか。彼らがどこから来たか、博士。(SCP-2959-10は数分間にわたってこれらのフレーズを繰り返す。その後、声は次第に小さくなり昏睡状態に陥る。)
質問者: ああ、これは間違いなく眠ってるな。終わりだ。行こう。
SCP-2959-10は多量の発汗によって極度の脱水に陥っており、椅子から下ろした時点で生理食塩水の点滴が必要となりました。財団の保護下に戻るとSCP-2959-10は昏睡から目覚め、財団職員と整然としたコミュニケーションを取ることができました。SCP-2959-10には精密検査が行われましたが、羊水と脳脊髄液の滞留、見かけ上の昏睡、異常な発汗を説明できる原因は発見されませんでした。保護の数時間後に大量発汗は和らぎ、対象はサイト-213の保護下に移送されました。
現在、対応する人物の存在しないSCP-2959実体をさらに特定して取得する計画が進行中です。
これが我々の立場だ。ほとんどのO5は汚染されている。無論、彼らはまだその地位にあるが、我々は彼らをできる限り早く退職させるように舵を取ろうとしている。我々が破局に気付いた後で、救うことのできた職員はほんの一握りだった。だが、病欠していた少数の研究員や幸運にも網の目を逃れたエージェントがいた。もう我々だけだ。
困難な任務だが、この疫病は終わらせなければならない。かつての姿を取り戻さなければならない。我々は疫病を免れるほどには幸運だったが、我々がどれほど凋落してしまったか見続けるという呪いを背負うことになった。
彼らは恐るべき何者かと化してしまった。我々は彼らを救う必要がある。SCP-2959は財団の目的を変更しようという試みなのか、それとも我々の資源を自分達の実験に用いているのか。我々には分からない。だが理由は問題ではない。私は、私の愛していた人々が吐き気を催すようなことをするのを見てきた。仮にあれが本物の人間では無かろうとも、汚染者は本物だと考えている。彼らは日々残酷になり続けている。これを続けるのを許してはならない。我々は、彼らが財団をこれ以上堕落させるのを絶対に許してはならない。
我々が確保し、収容し、保護するためにここにいることを思い出せ。科学の名の下に不必要な苦痛を与えるためではない。彼らは我々の使命を思い出す必要がある。我々全てのように、かつて暗闇の中の光だったことを思い出す必要があるのだ。
O5-5