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収容以前のSCP-3556
Name: 不作法な付箋のデューバル
Author: C-Dives
Rating: 31/31
Created at: Sat Feb 02 2019
アイテム番号: SCP-3556
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-3556は現在サイト-77収容庫の収容ロッカーに収容されています。近くにいる職員の注意が散漫になる可能性を最小化するため、SCP-3556は防音容器の中に配置されます。SCP-3556へのアクセスはレベル2セキュリティクリアランス以上の職員に制限されます。レベル1クリアランス以下の職員がSCP-3556を取り扱う際には、SCP-3556研究主任であるベック博士から書面による許可を受けなければいけません。
説明
SCP-3556は黄色の粘着メモパッドです。寸法は2.5cm×5cmで、近くに“Durbal”という単語が記された正体不明の生物の雑な絵が描かれています。
SCP-3556を何らかの物体に貼り付けると、この絵は動き出し、貼られたアイテムにSCP-3556自身が見出すあらゆる欠点を発声し始めます。SCP-3556の批判は一つの物体に貼られている時間が長くなるにつれて非論理的になり、最終的には話題から逸れて、貼られたアイテムと接線的に関連しない内容になります。SCP-3556は英語を話す様子のみが記録されています。SCP-3556には自我があると想定されていますが、インタビュー試行への協力を拒絶しています。
以下はSCP-3556を用いた実験記録の一連の転写です。
序: オブジェクトはひび割れた鏡に貼り付けられた。
<記録開始>
SCP-3556: 鏡は明らかに意図的に割られている。
何もせず放置すれば、鏡として完全な失敗作となり得るだろう。
鏡には不器用な労働者のせいで少々染みが付いている。
鏡には私のせいでますます染みが付いている。
鏡は人間の目が見るように光を正確に反射しない。
鏡は真の鏡ではない。
鏡は反射に際して緑色の光を少量吸収する。
鏡は人々が苦労して稼いだ光を盗むイカサマ鏡であり、光窃盗罪で懲役30年に服して当然である。
鏡はまた、一部の管轄区域では死刑判決を受ける可能性があり、有体に言うとそれが当然である。
鏡は地球上のクズである…<記録終了>
結: 未編集の音声ファイルは締めて約33日分あります。この転写の残りは簡潔にするためカットされています。SCP-3556は暴言ともなれば無限に接線的な話題を持ち出せるのかもしれません。 — ベック博士
序: オブジェクトは複数の書類を収めているファイルに貼り付けられた。全ての書類は事実に即さない情報から成っている。
<記録開始>
SCP-3556: デジタルデータの台頭を考慮すると、ファイルは不適当なデータ保存手段である。
ファイル内に収容されたデータは虚偽である。
最初のページはカエルは哺乳類であると述べている。
カエルは両生類である。
両生類は魚類と哺乳類の両方である。
カエルは動物界ではどっち付かずの位置に存在する。
第二ページはコンピュータが甘い液体を放出すると述べている。
コンピュータ技術はまだ甘い液体を放出する段階に至っていない。
甘い液体は糖尿病、心臓病、肥満を引き起こす…<記録終了>
結: この転写の残りは簡潔にするためカットされています。SCP-3556は媒体のみならず、その内容物を批判することもできるようです。 — ベック博士
序: D-8913はSCP-3556を持つように指示された。D-8913の左腕は出生時に切断されている。
<記録開始>
SCP-3556: D-8913には腕が1本無い。
D-8913の腕が除去されたのは彼女が遺伝的に他のヒト生物より劣っていたからである。
D-8913には自信が欠けている。
D-8913は余りに多くの暴言を吐く。
D-8913には自信が欠けているので酷いオレンジ色のつなぎを着ている。
D-8913はテレビの見過ぎで目をめちゃくちゃにしたので眼鏡をかけている。
D-8913は自分が醜悪でつまらないという事実を忘れるために染髪している。
D-8913は正当な批判を嫌悪している。
D-8913は何故自分が酷い状況に陥ったか分からず、周りの人間を非難することにしている。
D-8913と母親の関係性は酷いものである。
D-8913は殺人者であり、ここにいるのが当然である。
D-8913は酷い音痴であり、自分が酷い音痴であるということを察することができない。
D-8913は韓国のポップミュージックを聴くが、これは最低の音楽ジャンルである。
D-8913の声は文字通り如何なる状況であっても快く聞こえない。
D-8913は怒りの制御に問題を抱えている。
D-8913は—D-8913はSCP-3556を近くの壁に貼り付け、実験チャンバーを出ようとした。D-8913は更なる実験手順に従うことを拒否した。
<記録終了>
序: ベック博士はSCP-3556を持つように指示された。
<記録開始>
SCP-3556: ジム・サイラス・ベックには子供がおらず、そのような訳で進化論的な失敗作である。
ジム・サイラス・ベックは自分の父親のようになりたくないので子供を欲しがっていない。
ジム・サイラス・ベックはまた、勃起不全のために子供を持つことが不可能である。
ジム・サイラス・ベックは自分が既に父親のようになっていることに気付いていない。
ジム・サイラス・ベックは、父親のように、仕事から帰宅するとビール1本を一気飲みする。
ジム・サイラス・ベックは、父親のように、性的にもロマンチックにも配偶者を喜ばせることができない。
ジム・サイラス・ベックは自分の仕事を嫌悪し、定期的に何故辞職していないのかを自問する。
ジム・サイラス・ベックには蜂アレルギーがある。
ジム・サイラス・ベックは養蜂家になることができない。
ジム・サイラス・ベックにはまた、蜂蜜アレルギーもある。
ジム・サイラス・ベックは如何なる種の如何なる蜂とも決して関係を持—ベック博士はSCP-3556を降ろす。
<記録終了>
序: SCP-3556はSCP-3556のファイルに貼り付けられた。
<記録開始>
SCP-3556: 私はあらゆる面において完璧である。それ以上のコメントは無い。
実験の残り時間で、SCP-3556は沈黙を保った。
<記録終了>
SCP-3556は様々な児童書の作家 兼 イラストレーター、██████ ████████(PoI-3556)のアパートから回収されました。PoI-3556の自殺未遂に続いて、地元警察署に潜入していた財団エージェントはSCP-3556、並びにPoI-3556の日記を証拠品として回収しました。以下はSCP-3556に関連する、PoI-3556の直近の日記のエントリです。
やっぱりダメだスランプから抜け出せない。2週間で新しいキャラを作らなきゃいけないのに何も思い付かない。考えろ俺。
ちょっとしたラクガキをした。割といい感じ。まだはっきりしないからじっくり考えよう。
大変だ、話し始めた。しかも黙ろうとしない。全然。
あいつは俺の古いスケッチを批評してる。認めよう、なかなか役に立つ。もう少しだけそばに置いてやろう。
ok、マジであいつは黙ろうとしない。ペンに貼ってみたけどそれでも話すのを止めない。そしてどうやら金属ペンは子供のいる家庭で火災の危険性を引き起こすらしい。子供はコンセントに差し込んだりするそうだ。
自分メモ: ペンをぶっこんで自殺できないようにコンセント用のプラスチックカバーを買う。
この野郎の言い分は全く筋が通ってない。俺のどのスケッチにも満足しないで、やり玉に挙げる欠点を見つけ続けてる。でもそれには何の意味も無い。
「現在のスケッチには十分な数の白鳥が存在しない」ってどういう意味だ[罵倒語]?!
[以降のページは37羽のハクチョウの雑な絵から成っている。]
これでお前にとって[罵倒語]な白鳥は十分か?!
今度は白鳥が多すぎると来やがった。
あいつと一緒だと眠れない。近付こうとすると毎回吐きそうになって遠ざかってしまう。
部屋に火を点けたらどうだろう?
自分に火を点けたら? 死んだらもうデューバルの話を聞かなくて済むんだろ違うか?
[罵倒語] ライターは寝室にある。デューバルも寝室にいる。多分あいつは自分で火を点けてくれるだろう。
自分に向かって叫ぶ付箋を燃やしたら殺人で起訴されたりするだろうか?
誰かを怒鳴りつけて狂わせるのは犯罪か? もしそうならデューバルは指名手配の重罪人だなハハハ
「やぁ警察ですか付箋が俺を叱り続けてるので窓から[罵倒語]飛び降ります」なんて信じてもらえるだろうか?
okやってみようもし死んだらマジで最悪だ。
俺の所持品は全てただ一人の真実の友にして最悪の敵であるデューバルが相続するものとする畜生[罵倒語]あんな奴嫌いだサヨナラ残酷な世界
PoI-3556はクラスB記憶処理を施された後、地元の精神病院に引き渡されました。更なる異常活動を警戒して、対象の監視が現在も進行中です。