SCP-4666 : 冬至祭の男ユールマン

Information

SCP-4666と思われる写真。ヴァイナハト・イベント#057130の現場で発見された携帯電話から回収。クリックで拡大。

Name: 冬至祭の男ユールマン
Author: C-Dives
Rating: 151/153
Created at: Fri Oct 12 2018
アイテム番号: SCP-4666
オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル

世界各地のWebトラフィックと法執行機関の通信チャンネルは、SCP-4666の活動の証拠、とりわけ幼い子供がいる家庭が関与したストーキング事案や異常現象の通報がないかを監視します。

ヴァイナハト・イベントが進行中であると疑われる場合、最寄りの収容機動部隊がSCP-4666の収容を試みるために派遣されます。標準的PDP/VIIIヒト型生物第一接触プロトコルが適用されます。

SCP-4666に起因する一家死亡のメディア報道は抑制されるか、問題の死が異常でない押し込み殺人事件であるかのように改竄されます。非財団機関によって収集された法医学的証拠とSCP-4666-A実例は押収し、目撃者には記憶処理が施されます。

説明

SCP-4666は現在、単一の、異常に長寿命な、起源不明のヒト型実体だと考えられています。ヴァイナハト・イベントの生存者は通常SCP-4666を、極度に痩せ衰えた容貌の、非常に背が高い(2m~2.3m)ヨーロッパ系の高齢男性として描写します。SCP-4666は例え観測環境の屋外が寒冷な天気であったとしても常に全裸で出現します。

その異常特性の性質や規模は未だ不明ですが、SCP-4666は北緯40度線以北のあらゆる場所に、そして恐らく地球上の如何なる場所にでも瞬時ないしほぼ瞬時の移動が可能であるように思われます。

SCP-4666の活動は毎年、12月21-22日の夜から1月1-2日の夜にかけての、12夜連続の期間内にのみ発生します。この期間はSCP-4666の“活性段階”として知られています。“ヴァイナハト・イベント”と呼ばれるこの段階中、SCP-4666は北緯40度線以北にある1ヶ所以上の住居に出現します。既知の全てのヴァイナハト・イベントにおいて、出現先の住居は以下の特徴を共有しています — 孤立した農村地域にあること、8歳未満の子供が少なくとも1人いる家族の家であること、イベント期間中を通して積雪が持続している地域に位置すること。

ヴァイナハト・イベントは概して以下のように進行します。

第1-7夜

子供は家族の住居の近くでSCP-4666を目撃したと報告します。SCP-4666は典型的に、近隣の野原や隣接する森の端といった遠距離から住居を見ている様子が観察されます。幾つかの事例で、子供は夜中に目を覚まし、SCP-4666が窓から寝顔を覗いているのに気付いたと報告します。

第8-11夜

一家(親を含む)は屋根や屋根裏部屋から聞こえる足音を報告します。極めて不快な臭気も住居内で頻繁に認められるようになります。これらの現象の原因は発見されません。結果として、親はしばしば一家がストーキング被害を受けている、または住居が何かに“憑り憑かれて”いる可能性を疑い始めます。

第12夜

この夜を通して、2種類のシナリオのうち1つが発生します。

  • 第1の、そして最も一般的なシナリオにおいて、SCP-4666は8歳未満の子供1人を除く一家全員を殺害し、子供を拉致します。SCP-4666は眠っている家族に傷を負わせて無力化した後、住居の一部屋に集め、お互いの見ている中で殺し始めます。殺害手段はイベントごとに様々ですが、通常、儀式的な意図があると思われる何らかの拷問が先行します(下記“ヴァイナハト・イベントログ”参照)。

  • 既知ヴァイナハト・イベントのおよそ15%で発生した第2のシナリオにおいて、SCP-4666は家族に危害を加えません。家族は住居内で足音を聞いたと報告しますが、何者かが家に押し入った形跡は発見されません。翌朝、子供はベッドの足元にプレゼントを発見します。これらは人間幼児の遺体で粗雑に作られた玩具から成ります(下記“SCP-4666-A実例ログ”参照)。

SCP-4666がヴァイナハト・イベントの結果を判定する基準は、仮にあるとしても、不明です。

発見

SCP-4666の指紋。特異な二重渦巻きのパターンに注目されたし。

SCP-4666の存在と現在進行中の活動は1974年、財団に新たに導入された異常徴候認識プログラム2の使用を通して、幾つかの極めて似通った家庭内侵入事件とそれによる家族の死亡が1月1日~2日の夜に北半球各地で発生していると判明した時点で初めて検出されました。

世界中の民間および法執行機関のアーカイブに対する広範な調査は最終的に、ヴァイナハト・イベントと疑われる事案がほぼ毎年、遡ること18世紀後半から起きている証拠を明らかにしました(年間平均3.1件の既知イベント)。加えて、この時期以前に発生したSCP-4666の活動を描写していると思われる無数の歴史的文書も発見されましたが、うち幾つかの事案は早くもヨーロッパとロシアで西暦2世紀、スカンジナビアでは紀元前1世紀に既に発生しています。

同一のヒト型実体に属する指紋が、財団が調査した全てのヴァイナハト・イベントの現場から回収されています。これらは1873年に回収されたSCP-4666-A実例の乾燥血痕に保存されていた部分的な指紋と合致しています。この指紋には、人間に存在することが知られていない特徴があります(画像参照)。人間のような白髪も幾つかのヴァイナハト・イベント現場から回収されましたが、人間のそれか否かを問わず、髪からDNAは抽出できませんでした。

補遺4666-01

2018/01/02、ヴァイナハト・イベント#060198の終結に続き、複数のSCP-4666-A実例がアラスカ州フーナで暮らす一家族の住居で発見されました。これらの実例の中に、衰弱した女性幼児の身体から構成された粗雑な実寸大人形、SCP-4666-A-0960が含まれていました。SCP-4666-A-0960には以下の改造が加えられていました。

  • 汚れて変色した衣服の様々な切れ端で作られたドレスが身体の周囲で縫われ、また数ヶ所で皮膚に縫い止められていた。

  • 口は人間の腱で作られた糸で縫い閉じられ、唇は主に人血から成る溶液で赤く塗られていた。

  • 別な子供の指爪が、松脂で身体本来の指爪の上に接着されていた。これらは同じ人血ベースの溶液で赤く塗られていた。身体の指は3本欠けていた。

  • 頭皮全体が頭から除去され、そこに長い金髪を有する別な子供の頭皮が縫い止められていた。髪は2本の組み紐で結ばれていた。

  • 両目が除去され、空の眼窩には目が雑に描かれた2つの大きな丸い小石が嵌めこまれていた。

家族による検査で、人形の素材に使われた子供は、無意識ではあるものの依然として生きていることが判明しました。当局に通報が入り、子供はアラスカ州ジュノーのバートレット・リージョナル病院へ空輸され、そこで18時間生存しました。財団エージェント2名が派遣され、対象へのインタビューに成功しました(下記“インタビューログ”参照)。対象の死後、彼女の遺体はエージェントによって押収され、全ての目撃者は標準手順に則って記憶処理されました。

DNA検査の結果、対象は2016/01/02にロシア、ドゥボーフカの住居から失踪した既知のSCP-4666拉致被害者、エカテリーナ・モロゾヴァ(7歳)と特定されました。対象の遺体の検死解剖は、拉致以降の2年間で彼女が重度の栄養失調に陥っていたことを示し、これは顕著な発育不良を招いていました(体重は僅か15kg、身長90cm)。皮膚には数多くの傷痕と火傷が存在し、また付け直されず不適切に治癒した骨折が2ヶ所ありました(左脛骨と左尺骨)。両手の皮膚は著しく硬結していました。死因は重度栄養不良の持続による多臓器不全でした。

音声ログ4666-06201

日付: 2018/01/02

時刻: 23:27 AKST – 23:49 AKST

場所: アラスカ州ジュノー、バートレット・リージョナル病院

質問者: エージェント アントニ・コヴァルチック (エージェント スーザン・ミューズ同席)

対象: エカテリーナ・モロゾヴァ (SCP-4666-A-0960)、女性、7歳

注記: 対象はインタビュー中に死亡するまでの約30分間にわたって意識を取り戻していた。病院スタッフが口を縫い付けていた糸を前以て除去したため、彼女は会話が可能だった。モルヒネの点滴を受けていたにも拘らず、対象の発言内容はインタビューを通して概ね一貫していた。

対象は英語を理解せず、当初はエージェント コヴァルチックおよびミューズが把握していない言語のみを話した3。しかしながら数分後、対象は未熟なロシア語でエージェントに話しかけ始めた。初歩的なロシア語の話者であるエージェント コヴァルチックは、通訳無しで対象へのインタビューを行うことができた。

[記録開始]

エージェント コヴァルチック: やあ、僕はアントニ。君のお名前は?

E.M.: あ… あなた、彼の所に私を連れ戻すの?

エージェント コヴァルチック: いいや、そんな事はしない。僕はただ君と話したくてここにいるんだ。

E.M.: (沈黙) 戻りたくない。

エージェント コヴァルチック: 戻らなくていいんだ、今はもう安全なんだよ、お嬢さんmyshka。

E.M.: (沈黙を保つ)

エージェント コヴァルチック: 君に何が起きたか教えてくれるかい? 彼が君の家にやって来た夜を覚えているかな?

E.M.: 覚えてる… 彼はママとパパとカーチャとユリアンナを時間をかけて傷付けて、みんな血を流してた… みんなが叫ばなくなった後、彼は私を袋に入れた。

エージェント コヴァルチック: 袋って?

E.M.: 大きい袋を持ってたの。他の子たちも袋の中にいた。他の家にも行ったと思う、夜中ずっと誰かが袋の外で叫ぶのが聞こえた。どの家でも彼は別な子を袋に入れた。それで、夜が終わったら私たちを連れて行った。

エージェント コヴァルチック: 何処に連れて行ったんだい?

E.M.: …地下… [未知の単語]… 深く…

エージェント コヴァルチック: 地下? 地下室のことかな?

E.M.: 深いの… 全部が土と泥と氷。そこら中に骨があった。全部冷たい。寒すぎて眠れない。

エージェント コヴァルチック: そこには君の他にも、沢山の子供たちがいたのかい?

E.M.: 沢山の子供たち… 沢山のトンネル、沢山の穴、でも全部は見えない。他の[未知の単語]は見えない。暗すぎるから。私の穴にはルネとヘクラとサーシャとポールがいた。一緒におもちゃを作った。

エージェント コヴァルチック: 玩具?

E.M.: おもちゃを作らないと、食べさせてもらえない。おもちゃを作るのをやめちゃダメ、眠っちゃダメ。さもないと彼に痛めつけられる。

エージェント コヴァルチック: 痛めつける? どうやって?

E.M.: 殴ったり、火傷させたり… 指を噛み千切ったり。自分の部屋の火で料理して食べちゃうこともある。彼はフィリップとサリーを食べた。

エージェント コヴァルチック: いったい君は、どうして… こんな… 姿になったんだ? これは彼がやったのか?

E.M.: (沈黙) ルネとヘクラとサーシャとポールがやった。やらなきゃいけなかったから。

エージェント コヴァルチック: …何故?

E.M.: 私は病気になった。おもちゃを作れなくなった子は、おもちゃになるの。

[記録終了]


Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License.