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Name: サアルンは静かに暮らしたい
Author: C-Dives
Rating: 8/18
Created at: Wed Nov 30 2022
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特別収容プロトコル
SCP-5480の唯一の居住者、PoI-595の身元に関する疑惑のため、SCP-5480の収容は財団外の如何なる人物にも開示されません (PoI-595自身を含む) 。SCP-5480が存在するアパートメントを監視下に置き、隣接する部屋を財団職員が購入して、民間人が異常物に接触するリスクを最小限に抑えます。
説明
SCP-5480はイギリスのポーツマスにあるアパートメントの一室であり、多数の異常物品を内包しています。これらのアイテムにはヒトの骨で構成された一連の鉢植え植物、生きている雄ウシの骨髄で満たされたじょうろ、閉じると内部に胃酸が充満する冷蔵庫などが含まれます。
室内には大量の書類 — 請求書、給与明細、未送付の履歴書、領収書など — を詰め込んだ蓋付きの缶があります。最古の書類記録は1879年まで遡ります。また、これらは厳密な年代順に並べられており、1879年から1942年までの受取人名を“サアリン・ロヴィ”Saarin Llovi、その後1979年まで“サアリー・オロック”Saally Orock、2017年まで“サンディ・ネイドックス”Sandy Nadocks、それ以降現時点まで“サアラ・クラヴィガー”Saara Klavigerとしています。
ベッドサイドテーブルの上には、若い女性と、30代と推定される年上の男性が赤い草原の前に立っている様子を描写した写実的な絵画があります。額の下部分に “εγώ και ιόν” 、即ちギリシャ語で“私とイオン” (原文ママ) という色褪せた銘文が読み取れます。染料の年代測定によって、この絵画は約3,100年前のものと特定されました。
SCP-5480には前述したサアラ・クラヴィガー、以下PoI-595が居住しています。本人のパスポートから確認できる限り、PoI-595は28歳の女性であり、現在は食料品店チェーン“アルディ”に販売員として雇用されています。
補遺 5480.1 - 発見
2020年5月15日、財団エージェントが数週間前に秘匿監視装置を取り付けたGoI-663 “肌膚友愛会”The Fraternity of Skinの構成員2名が、後日SCP-5480に指定されるアパートメントの外で、以下のような会話を交わしました。
対話者: サアラ・クラヴィガー (PoI-595)、男性1、男性2
(書き起こし開始)
[男性1がクラヴィガー宅のドアをノックする。30秒後、彼女はドアを開く。]
男性1: おはようございます、お嬢さん! お会いできて光栄です、肉の兄弟弟子を見つけ出すのは難しい。
男性2: 我々は、ヨーロッパに僅かに残った、崇高なるカルキストの本来の目標を目指して闘う組織の一つ、“肌膚友愛会”の代表です。
クラヴィガー: ふぅん、で、その目標っていうのは?
男性1: イオン様ご自身の御言葉によれば、“機械という桎梏からの人類の解放”です。
クラヴィガー: そんな事一度も言ってなかった。正しくは“死すべき定めという桎梏からの”。
男性2: 何故それをご存じなのです?
クラヴィガー: 気にしないで、大した事じゃない。あなたたちのカルトは他に何をやってるの?
男性1: カルトじゃない! カルトではありません。我々はサーキシズムの源流に立ち返らんと志す復興論者の団体です。我々は鉄からの救い主、ヤルダバオートを崇拝しています。
クラヴィガー: 何言ってるの? ヤルダバオートはイオン様が立ち向かう — じゃなくて、立ち向かった宿敵だった。ナルカニズムでは本来、神々の崇拝自体が厭わしい行いと見做されてるのよ。あと、“サーキック”は蔑称だからね。正確には“ナルカ”。
男性1: それは誤解です。我々の聖典、ナドックスの譬え話をどうぞご覧ください。我々はこれを図書館の書棚から自ら引き出したのです。
クラヴィガー: 偽ナドックス。しかも原書の写しですらないわね、何これ? “イオンは己の陰の種子を引出し、ロヴァタールの空隙に播いた…” ケッ、譬え話どころかただの官能小説じゃない! 隙間が空いてようとなかろうと、ロヴァタールの身体の話なんか二度と聞きたくないわ。
男性2: これは我々の聖典だぞ!
男性1: (囁き: シーッ、まだ挽回できる。) 我々の教えの史実性を議論する時間は後日幾らでもあります。ですが我々の団体の、いえ、家族の神髄は確かにサーキシズムの源流の血を継いでいると必ずや納得していただけるでしょう。
クラヴィガー: そうかしらね。
男性1: こちらをご覧ください。 [綿が詰め込まれた粘土像を取り出す。]
クラヴィガー: 蛇の尾、多眼、これは… サアルン?
男性1: ええ。彼女は我々の愛の対象です。
クラヴィガー: あ — 愛?
男性2: その通りです、お判りでしょうが、我々も大半のサーカイトと同様、清純無垢な血統を保とうと努力しています。異分子との生殖・婚姻関係は無く、共同体の同胞との交わりでのみ殖えてゆきます。しかし、我々の下には子を孕むことが可能な改宗者がまだ居りませんので、ひとまずはこの土の器に種子を保管しています。
男性1: (囁き: 馬鹿! そんな切り出し方があるか!) これにはもう一つ役割があります。我々はイオン様の足跡を辿るのです、かの者がかつて12日間にわたってサアルンと交わり、その情熱で丘を打ち砕いたように-
クラヴィガー: [えずく音。] この… 違う! そんな事起きてない! イオン様はロヴァタール一筋だった、なんでサアルンが関係を持ったことにされてるの? ボケたジジイの集まりが私の — じゃない、サアルンの似姿を犯してるなんて私知りたくなかった! どうしてナルカの共同体はどれもこれも気色悪いセックスカルトばかりになっちゃったの!?
男性1: これは開祖の指針に従ったものです。イオン様は伝説的な情欲をお持ちであり、30歳を迎えるまでに、男根から血が滴るほど多くの者と交わったと言われているのですよ!
クラヴィガー: [激しく嘔吐する。]
(書き起こし終了)