SCP-1864 : 孤独な嘘つき

Information

SCP-1864-アルファ

Name: 孤独な嘘つき
Author: gnmaee(NoTranslator)
Rating: 13/13
Created at: Tue Nov 22 2016
アイテム番号: SCP-1864
オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル

SCP-1864は現在SCP-1864-アルファの上に収容されています。新月の間に起こるSCP-1864-アルファ具現化イベントの際は、周囲にいる財団の船が民間の船の活動を監視し、SCP-1864-アルファの周囲5km以内に近づいた船を追い払います。

観測用サイト-1864がSCP-1864-アルファの上に建造されており、SCP-1864-アルファ具現化イベントの間、その島に在中する職員の拠点となります。

SCP-1864-アルファおよびSCP-1864の探索は、1864-アルファ具現化イベントの夜の夕暮れから夜明けの間にのみ行います。SCP-1864-3実体が現れた際は、その存在を素早く殺害するために必要な武力の使用が認められています。

説明

SCP-1864にある迷宮の内部

SCP-1864-アルファはハドソン湾にあるコーツ島の南西およそ80km地点にある島であり、現在その内部においてSCP-1864現象全体が収容されています。回収された情報からはSCP-1864-アルファにある建造物が本来は鉱業コロニー用途であることが示唆されていますが、調査結果はそれが75年以上放置されていることを示しています。

SCP-1864-アルファ自体に異常性があり、そこには新月の間のみ到達可能です。他の日にSCP-1864-アルファに近づくことは不可能です。一見SCP-1864-アルファに向かっているようであっても、船は全くその島に近づいていません。またSCP-1864-アルファ具現イベントの間、サイト-1864に在中している職員はいかなる手段を用いても島から離れることが出来なくなります。様々な方法が試みられましたが、SCP-1864-アルファから離れようとした全ての職員は島へ戻る結果となりました。

SCP-1864はSCP-1864-アルファの中心にある老朽化した建物内で発生する空間的異常です。その建物はかつて現地病院として使用されていたようですが、建物のメインロビー内にある未知の兵器類や機器の存在が謎を投げかけています。建物のメインエントランス脇にはドイツ語で銘記された詩があります。訳文は次のとおりです:

孤独な嘘つきの道を進む
水底の通路深く彼は堕ちる
目は邪悪な髪で縫い合わされ
静かな病んだ穴に閉じ込められる

SCP-1864はその異常性を収容している建物ロビーのメインドアの向かい側にある2重ドアを通り抜けてアクセスすることが出来ます。SCP-1864は巨大な迷宮であり、その構造は1864-アルファ全体の様式に一致します。それはおよそ15平方kmのエリアを取り囲んでおり、それが位置する島全体の大きさよりもかなり巨大です。SCP-1864の初期探索は迷宮の壁に沿って書かれた無数の銘に助けられました。これらの多くは補遺1864-1に文書化されています。迷宮の中央には大きなプールがあり、およそ直径65mです。SCP-1864-1はこのプールの隣に位置します。

SCP-1864-1はクラスII疑人型実体であり、立ち上がるとおよそ4.3mの身長があります。SCP-1864-1の細長い胴体は下の床へつながっており、また1本の伸縮する腕のような外肢が背中の中心につながっています。顔は漠然と人間のようであり(ただし顔の側面から前方にかけて4つの追加の目があります)、全体的にやつれているように見えます。

SCP-1864-1は概して非敵対的であり、ドイツ語を話すことが出来ますが、とりわけ質問には答えません。SCP-1864-1はSCP-1864-2およびSCP-1864-3実体の現在の性質についてのみ詳細に述べようとします。さらに、SCP-1864-1は白いロングコートを着用しているようですが、その人型実体に四肢が無いためにその形状は著しく異なります。SCP-1864ー1に対して行われた現在までに唯一の包括的なインタビューは、補遺1864-2に文書化されています。

プールは約120mの深さであり、その底には直径約91cmの円状の鉄格子があります。プールの水や他のあらゆる形状の物質は、その格子を通り抜けることが不可能なようです。プールの深さとSCP-1864全体が光源に乏しいことから、プールの底を見るためには強力なライトが必要となります。格子を取り外そうとする試みは失敗に終わっており、通常それはSCP-1864-1に妨げられます。格子の先のエリアのサーマル画像は、1体の身長約130cmの人型実体が、小さな四角い部屋の隅にうずくまっている姿を特定しています。現在SCP-1864-2と呼称されるその存在は、[削除済]であると考えられています (SCP-1864-2の起源に関する更なる情報は補遺-3を参照して下さい)。

定期的に、SCP-1864-3と呼称されるクラスIV非人型実体がSCP-1864全体に無数に出現し、中央のプールに近づこうと試みます。これらの実体は不規則に移動し、映像/音声機器によって記録することが出来ず、それがどのように知覚されるのかに関する人間の記憶を改変することが出来るようです。現在までに、それらの実体が中央プール内の格子へ到達しようとする全ての試みは失敗しており、この大きな理由は通常SCP-1864-1がそれらの実体へ敵意を見せるためです。SCP-1864-1との議論によると、それらの実体はSCP-1864-2に到達しようと試みているようであり、もしそうなると[削除済]の結果となるようです (SCP-1864-2に関するさらなる情報は補遺-2を参照して下さい)。

SCP-1864に関する追加情報

補遺1

初期探索記録

以下はSCP-1864異常実体の初期発見および探索の通信記録であり、それによりSCP-1864の性質が明らかになった。探索はMTFデルタ-9 "Rock Chalkers" の隊員3名によるチームで行われ、人員は以下の通りである:

Δ9-TL: エージェント・████、チームリーダー
Δ9-A: エージェント・█████████
Δ9-B: エージェント・██████

[記録の開始]

Δ9-TL: よし、行こう。みんな準備はいいか? 沈黙 よし。我々は今から異常実体へ入り込む。時刻を記録する…1730時。

MTF-Δ9チームがSCP-1864へ入る。映像や音声記録に混乱は見られない。

Δ9-TL: 大きな石づくりのアトリウムのようだ。何か地面にある…油だ、気をつけろ。それにここは暗い。ライトをつけてくれ。

Δ9-B: 了解。

Δ9-TL: 沈黙 良くなったな。この部屋を探索して、それから向こうの出口へ行こう。エージェントが部屋を探索している間沈黙が続く 何か見つけた者はいるか?

Δ9-A: いや、何もない。いくらか壁にこすり傷がある。道具の印だろうか?

Δ9-TL: 分かった。沈黙 よし、いいだろう。この通路を進もう。

MTF-Δ9は迷宮の初めの通路へ移動する。初期にチームが迷宮の性質を評価している間の進行はゆっくりであり、簡略化のため初期の記録は取り除かれている。

Δ9-TL: ここにまた別のくぼみがある。待ってくれ、これは何だ?

Δ9-A: 単語が書かれている。碑銘の一種だろうか?ドイツ語みたいだ。

Δ9-B: 分かった。 沈黙 ok, これは中央を指し示しているようだ。穴と病気とパン・ハン(Pan Hun)という名の人物について述べている。"治療師の目が肉を汚物に変える。" 全く支離滅裂だ。写真を撮ろう。

Δ9-TL: この指示に従って行けばどこかへ到達できると思うか?

Δ9-B: 笑い 間違いなくどこかには行けるだろう。

簡略化ために余分な記録は省略

Δ9-B: ここに更に単語がある。カメラを渡してくれ。

Δ9-TL: これは何だ?

Δ9-B: これはただ "病気" という単語が何度も何度も書かれている。待て、いや、こっちにはパン・ハンへの言及もあるな。"…井戸の中に悪魔を置く、パン・ハンは泣くが彼らはそれを彼の上で閉めそして-"

Δ9-A: クソッ、角に何かあるぞ。

チームの隊員が前方にある角を見るために動く間音はない。映像記録には注目に値するものはない。

Δ9-TL: 静かに ok, こっちに別の道がある。まだ静かに。

'''チームは別の通路へ移動する。先程の混乱に対する言及はない。"'

Δ9-B: いくらかの後 あれは一体…?

Δ9-TL: 先に進もう。

少しの間チームは静かに進み、時おり角で立ち止まる。Δ9-Bが先頭を行き、時々辺りに目をやる。

Δ9-TL: ██████, こっちにもっとある。壁の中にもだ。

Δ9-B: 一旦止まる パン・ハンはいい少年だった、パン・ハンはただカイゼルに仕えたかった、パン・ハンは病気だった、しかし彼が私達を見るようには病気でなかった…もっとたくさんのパン・ハンへの言及がある。私にはこれらが本来壁に刻まれていたのか、それとも誰かが来てこれをやったのか分からない。なんと言ってもたくさん掘ってあるので。

Δ9-TL: 同じことだろう。ほら、これがここの隅に挟まっていた。たくさん書いてある。私には読めない。

Δ9-B: 科学ジャーナルだ。沈黙 グレゴリー・グロスウォルト博士。ちょっと見ただけだが、ここにも多くのパン・ハンの言及がある。とにかく持っている価値がある。

Δ9-TL: ああ、持っていこう。よし行こう - 静寂 █████████。

Δ9-TLとΔ9-BはΔ9-Aの方へ向く。Δ9-Aは彼らの前方のホールを見つめ、動かない。Δ9-TLはゆっくりと銃を抜く。

Δ9-TL: █████████、ゆっくりと後ろへ下がれ。それから目をそらすな。██████、お前は-

Δ9-B: 分かってる。

全隊員はホールを見つめたままである。映像記録ではホールは何もないように見える。隊員のものを除いて音は検出されない。

Δ9-A: …去ったか?見たか?

Δ9-TL: ああ。ここには長くいないようにしよう。まだ壁に指示があるか、█████████?

Δ9-B: ある。今から記録する。

簡略化のために余分な記録は省略

Δ9-B: あれが聞こえるか?

チームは止まり、耳を立てる。遠くにではあるが、明白に人間の声を聞くことが出来る。

Δ9-A: 歌っている?ああ、間違いなく歌っている。

Δ9-TL: なら終わりに近づいているかもな。よし銃を用意しろ。

銃を用意する音が聞こえる。少しの間チームは静かに移動する。歌声の音量が増加する。

Δ9-B: 上に明かりがある。出口か?

チームは壁の出口へ進む。Δ9-TLが先に行く。

Δ9-TL: チクショウ、これは一体-

SCP-1864-1: [訳] こんばんは、旅行者よ。

[記録の終了]

補遺2

包括的なSCP-1864-1のインタビュー

以下のインタビューは財団職員が迷宮の中央へ直接進むルートおよびSCP-1864-1との通信経路を構築した後に行われた。インタビューはSCP-1864の起源を確かめる目的で行われた。SCP-1864-1と財団インタビュアーとの間にはコミュニケーションを助けるために通訳者が置かれた。

インタビュアー: エージェント・アーネル・トラン

インタビュー対象: SCP-1864-1

通訳者: エージェント・トレバー・ウィルソン

[記録の開始]

トラン: よし、準備は出来たみたいだな。記録のためにあなたの名前を述べてもらえますか?

SCP-1864-1: 私はハインリッヒ・ボフ博士だ。

トラン: ボフ博士、あなたは我々の組織によって異常存在であると分類されており、SCP-1864-1という呼称が付けられています。このインタビューの間あなたはその名前で呼ばれます。理解していますか?

SCP-1864-1: 分かっている。

トラン: ありがとうございます。この場所が何であるのか教えてもらえますか?

SCP-1864-1: 沈黙 これは答えにくい問題のようだな。表向きは、ここは宇宙ポケット内部にある迷宮だ。しかしこれは君たちが興味を持つことではないだろうな。

トラン: この異常性の起源は何ですか?

SCP-1864-1: それも答えにくい。こう言うのは簡単だ。何か奇妙なものを見つけた鉱業コロニー、岩の中にではなく、奥の部屋の中に。

トラン: その後の施設の目的は何ですか?

SCP-1864-1: 沈黙

トラン: SCP-1864-1?

SCP-1864-1: その頃は多くの奇妙な出来事があった、エージェントよ。奇妙な時間だ。世界は変化していて、私たちが十分速く変化することが出来ないことをカイザルは恐れていた。

トラン: つまりその頃は軍事施設でしか?第一次世界大戦の間?

SCP-1864-1: 違う。私たちは決して軍ではなかった、エージェントよ。私たちは常に科学者であった。私たちは神と化学に献身していた。私たちが到着しとき、この異常性は第一の目的であった、そう、しかし、その次に来たものに比べれば2番目であった。

トラン: …それは一体?

SCP-1864-1: あぁ… 首を伸ばす 孤独な嘘つき。小さなパン・ハン

トラン: パン・ハンは誰でしたか?

SCP-1864-1: でした?違う、エージェントよ。パン・ハンは過去ではない。パン・ハンはいる。パン・ハンは私たちに嘘をついた、物語を話し、私たちに虚偽を信じ込ませた。忌々しい小さなパン・ハン、彼は- 声は途切れる

トラン: 何か悪いことでも?

SCP-1864-1: コロニーのための漁船が、ネットの中に小さなパン・ハンを見つけ、海から彼を引きずり出した。病気がちな小さな少年、しかし輝かしさがあった。彼を見つめた者は病気にならなかった。病気があり彼を見つめた者は癒された。毒が、エージェントよ、国の敵が私たちを破壊し、戦争させていた。私たちは救いを見た。

トラン: この施設と、そしてあなた達に何が起こったのですか?

SCP-1864-1: 小さなパン・ハンは彼は神によって送り出されたと私たちに話した。永遠の平和の使者として、疫病を終わらせるために。間違いを犯してはならない、エージェントよ、疑わなかった者はない、私自身も含めて。しかし証拠は…驚異的であった。

トラン: この施設、あるいはあなた達に起こったことの説明になっていません。

SCP-1864-1: 歌うような声で答え始める 小さなパン・ハン、孤独な嘘つき。彼が私たちに嘘をついたとき、私たちは彼を箱に入れ、穴の中に箱を捨てた。穴の中から私たちに届くことがない、パン・ハンよ、お前の病的な目は縫われてしまえば私たちを見ることができない。

トラン: 理解できません、SCP-1864-1。それで-

SCP-1864-1: 水がパン・ハンを静かにさせる、彼をしまったままにする。パン・ハンはある夜目覚め…違った。そして空気に変化があった。彼らの残りは…怒っていた。私よりも怒っていた。

トラン: あなたは私たちが見たSCP-1864-3実体のことを-

SCP-1864-1: 私の友人、私の家族、全てだ。パン・ハンが私にしたことは無だった。私は依然として人間であるが、失った人間だ。残りの者は、君たちは言うことさえできない。私は彼を箱に入れ、彼の病的な小さな目を縫い合わせ、そして箱を閉じた。私はいまだに叫び声を思い出すことが出来る。まるで… 声は途切れる

トラン: SCP-1864-3実体はどういうことですか?

SCP-1864-1: 彼らはただパン・ハンを彼らとともに闇の中へ引き込もうとしているにすぎない、エージェントよ。私は彼らが格子を開けないようにしなければならない。彼らは上の世界を覚えていないが、私は覚えている。パン・ハンはそれを消費するだろう、彼が私たちを消費したように。

トラン: それではつまり、パン・ハンとは、一体何なのですか?

30秒間の沈黙。この間、SCP-1864-1はその肢をプールへと伸ばし、中へ消えるまで伸ばし続けた。SCP-1864-1は水を見ている。

SCP-1864-1: 私たちが海の中から引っ張り上げた腐敗した何かだ。永遠に闇の中にいるべき何かだ。

[記録の終了]

以下の情報はSCP-1864の初期探索の際に集められました。以下はグレゴリー・グロスウォルト博士の科学ジャーナルからの抜粋であり、彼は第一次大戦中のドイツ人科学者です。必要な箇所は翻訳されており、簡略化のために関係のない文は除去されています。

1916年8月15日

今日マーケットに騒ぎがあった。漁船の1つが氷の中から小さな子供を引っ張り上げた。マンス博士は初め少年は死んでいると宣言したが、彼がまだ呼吸をしていることが見つかった!奇跡的で、私たちの研究している異常性と関係がないとは思えない。彼が健康になったら会いに行こう。

1916年8月19日

その少年は十分愉快ではあるが、彼と話をするのは段々と不便になってきている。少年はパン・ハンと呼ばれていると主張するが、多くの言語を切替えないで文章を作ることができないようである。これはこの子供がそう教えられたのか、それとも他の性質によるものなのかは今の私には分からない。しかしマンス博士は少年が病弱であり、彼が冬を越せるか、ましてや1月持つかわからないと述べた。

1916年8月27日

また別の奇跡的な出来事が神秘的なパン・ハンの周りであった。医療センターにいた全ての患者が退院した。彼らの症状は一晩で消えた。問われると、眠っている間にパン・ハンが来て、皮膚に触れたのだと全員が主張した。多くの人間は少年にただ見つめられ、そして体調が良くなったと言った。マンス博士は仰天しており、私には博士を責めることはできない。その少年との別の面談を設定した。ボフ博士が私に同席する。私たちはこれの真相を見つけ出す。

1916年9月2日

結局のところ奇跡なのかもしれない。少年は全能の神からの使者であり、彼の到着は私たちの国の新たなエルサレムの夜明けの合図となると主張する。彼は永遠の平和、病気と戦争の終わり、そしてドイツとその皇帝の栄光について語る!彼の手による仕事を見た後で、私には何も疑う理由がない。私たちは次の船が到着したらこの子供をベルリンへ送り、祖国の栄光の勝利を確かなものとしよう。この少年パン・ハンは私たちの救いとなる!


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