SCP-986

Information

最初の遭遇時の、SCP-986の唯一鮮明な画像。

Author: Tetsu1
Rating: 7/7
Created at: Wed Sep 17 2025
アイテム番号: SCP-986
オブジェクトクラス: Uncontained

特別収容プロトコル

SCP-986の調査と収容は初期段階にあるため、アノマリーに関する情報は極めて限られています。

オーストラリアの法執行機関及び医療データベースが、SCP-986に関連する可能性のある失踪を財団職員に警告し、機動収容チームがその場の実体の収容に派遣されます。SCP-986に遭遇した生存者は、ケースバイケースで記憶処理を施され、対応が行われます。

SCP-986の性質、起源、収容要件を確定するための更なる調査が進行中です。

説明

SCP-986がオーストラリア本土全体で活動する単一の実体であるのか、不明な数の同様の実体の集合であるのかは現在不明です。遭遇した唯一の個体は、身長2~3.4 mと推定される痩せた人型実体で、腕、手、頭部が不釣り合いに大きくなっていました。その皮膚または外表面は活発に光源を屈曲、反射して見えましたが、姿が隠されていない際は、蝋のような青い外観が観察されました。

現時点で、リー家の失踪事件が財団によって記録された唯一の確認されたSCP-986との遭遇です。リー一家の失踪から判断すると、SCP-986は積極的に人間を尾行し、捕食します。

インシデント事後概要・調査

2026/10/27、アマンダ・リーとブライアン・リーは職場に出勤せず、ハミッシュ・リーとケリー・リーは登校しませんでした。彼らは3日間姿を見せず、その時点で地元の法執行機関が調査を開始したものの、リー邸で姿を消しました。現地に潜入していた財団職員は失踪を不審なものとしてフラグ付けし、翌朝に財団が調査を引き継ぎました。SCP-986との遭遇時には収容に失敗し、エージェント S・ワードを殺害すると家の天井裏に逃げ込みました。調査では実体や一切の脱出手段を発見できなかったものの、家の浴室に隠れていたハミッシュ・リーを回収することができました。医療措置後、リー氏は経験したことについてインタビューを受けました。

インタビュー対象: ハミッシュ・リー

インタビュアー: フェリシア・ノテキス博士

前記: 対象の年齢1 とトラウマのため、ノテキス博士がインタビュー実行者に選ばれた2。インタビュー対象は部分的に鎮静され、ぬいぐるみが提供された。

<記録開始>

ノテキス博士: この話をしてくれるなんてとっても勇気があるね、ハミッシュくん。本当に立派だよ。ボルウェル博士は4日間もあのバスルームに君は隠れてたって言ってたけど。どうしてそうしたの?

リー: モンスター。

ノテキス博士: そうだね。そのモンスターについてどんなことを教えてくれるかな?

リー: ちゃんと聞くって約束してくれる? ママとパパは全然聞いてくれなかったの。

ノテキス博士: 約束するよ。君の言ったことは全部聞くし、他の誰にもこんなことはさせないから。

リー: うん。

ノテキス博士: いいね。じゃあ、話してくれる?

リー: 夜に来た。みんなベッドに入った後に。

ノテキス博士: 家の中に?

リー氏は頷く。

リー: うん。天井を通って。

ノテキス博士: どうやって天井の中に入ったの?

リー: とにかく入った。

ノテキス博士: わかった。それは入った後どうしたの?

リー: わかんない。そこにずっといて聞いてた。ケリーは、そこでクモを食べたのかもって思った。天井はクモでいっぱいなんだけど、それが入ってきたら全部出てきた。

ノテキス博士: クモがモンスターを怖がったのかな?

リー: 多分。

ノテキス博士: 君の妹もモンスターを見たの?

リー: ううん、クモだけ。僕の作り話だと思ってた。

ノテキス博士: オーケー。入ってきた後何が起きたの?

リー: みんないつも怖がってた。ママはお医者さんからお薬を多めに出してもらってて、ケリーはちっちゃい頃ママとパパのベッドで寝てた。モンスターだって僕は言ったんだけど、みんなただの悪夢だって。

ノテキス博士: どうしてモンスターだとわかったの?

リー: 夜の間ずっと歩き回ってたのが聞こえた。僕の部屋のドアの外とトイレで。ずっとトイレに行ってた。

ノテキス博士: トイレを使ってたの?

リー: ううん。行くだけ行って、匂い嗅いでた。こんな感じ。

リー氏は鼻をすする音を誇張して真似る。

ノテキス博士: 犬みたいに匂いを辿ってた感じ?

リー: 多分。すごい怖かった。

ノテキス博士: わかった、ハミッシュくん。もうそいつには近付かせないよ、約束する。

リー氏は返答しない。

ノテキス博士: モンスターは見た?

リー: 時々。パパがおしっこしてると思ったんだけど、実はモンスターだった。そっちを見てるのは見られなかったと思う。

ノテキス博士: こんな見た目だった?

ノテキス博士は、エージェント・ワードのボディカメラで撮影されたSCP-986の画像を提示する。

リー: うん。全身溶けてて、すごい臭かった。

ノテキス博士: どんな臭い?

リー: わかんない。

ノテキス博士: 他のときに見たことはある?

リー: うん、もう一回。

ノテキス博士: いつかな? 話してもらえる?

リー: 木曜日の夜。パパは僕がおねしょしたことに怒ってて、でも我慢できなかったの。でもまたやったら遠足に行かせてあげないって言われたから、おしっこしに行かなきゃいけなかった。

ノテキス博士: モンスターのせいでトイレを避けてたの?

リー: うん。あいつトイレ好きだと思った。

ノテキス博士: わかった。それでトイレに行ったら何が起きたの?

リー: トイレが終わって流したら、廊下からドンドン音が聞こえた。ネコが走ってるみたいな。ドアの前で止まって、前よりもひどい臭いがして、怖くてドアを開けれなかった。そこに籠ってて聞いてて、そいつがいない振りをしてるって思った、かくれんぼみたいに。

ノテキス博士: 君はどうしたの?

リー: ハーディー3に追い払ってって頼んだんだけど、ドアの向こう側じゃ無理みたい。それで床に座って、眠ったと思う。

ノテキス博士: 床の上で眠っちゃったの? 快適じゃなさそうだね。モンスターに起こされた?

リー: ううん。カササギの声で起きたけど、まだ暗かった。ドアの下からまだいるかどうか見たら、隙間からあいつが見てた。

ノテキス博士: それは怖かったね。どんな風に見えた?

リー: 手はクモみたいだった。こっちを見てて目がすごい大きかった。鼻の穴と、赤ちゃんみたいなベタベタの口。叫んで床に漏らしちゃったら、イヌみたいにくんくん嗅いでた。

ノテキス博士: 入ってこようとしてきた?

リー: ううん。ドアは通ってこれないってハーディーが言ってた。

ノテキス博士: いつそれはいなくなったの?

リー: ママとパパが来たとき。電気を点けたら逃げたんだけど、ママとパパは見なかったみたい。

ノテキス博士: 光でダメージを受けた感じだった?

リー: わかんない。多分。

ノテキス博士: その日にバスルームに閉じこもったの? 何があってそんなことをしたの?

リー氏は頷く。

リー: ママがママの部屋にケリーと一緒に僕を入れて、パパと一緒に床を掃除に行ったの。トイレを流したら電気が消えて、ママとパパが叫んだ。モンスターに捕まったんだ。

ノテキス博士: 君とケリーちゃんはどうしたの?

リー: 捜したんだけど見つからなくて、ママとパパの部屋に隠れた。トイレを流したせいだってケリーに言ったけど信じなかった。ケリーは大人用トイレ4に行ってトイレを流したから、僕は別のトイレに行って隠れた。

ノテキス博士: どうしてそうしたの?

リー: あいつここに入ってこれなかったから。

ノテキス博士: なるほど。ケリーちゃんがどうなったかはわかる?

リー: モンスターに捕まった。聞こえた。

ノテキス博士: 間違いない?

リー氏は頷く。

リー: 叫んでゴロゴロ音がして、しばらくしたら全部お肉屋さんの臭いがした。

ノテキス博士: それで私たちが見つけるまでそこにいたの? その間に何か起きた?

リー: ドアを嗅ぎ続けて、床をドスドス鳴らしてた。時々赤ちゃんが泣いてるか話そうとしてるみたいな音出した。お風呂で水飲まなきゃいけなくて、いっぱいお腹空いたけど、ハーディーは外に出ちゃいけないって、出たら捕まっちゃうって言った。

ノテキス博士: とっても賢い判断だね。

リー: しばらくしたら警察の人が来たけど、その人たちも捕まった。

ノテキス博士: どんな風に?

リー: トイレに入ろうとしてた。モンスターが聞いてそっち行ったの。

ノテキス博士: 警察の人は戦おうとした?

リー: ううん。おじさんの方捕まえて、もう一人を兵隊みたいに溶かしちゃった。僕はドア閉じた。

ノテキス博士: 兵隊って?

リー: 友達と一緒に兵隊のおもちゃ燃やしたら溶けたんだ。あいつお巡りさんに同じことした。

ノテキス博士: そこで君はどうしたの?

リー: 床に吐いて、戸棚に隠れた。それから眠っちゃって、優しい女の人がここに連れてきてくれてた。

ノテキス博士: なるほどね。ありがとうハミッシュくん。君はとっても勇敢な若者だ。他に言いたいことある?

リー: もう話したくない。家に戻らなきゃ駄目?

ノテキス博士: いいや、ハミッシュくん。ボルウェル博士がお世話してくれるよ。

リー: わかった。

<記録終了>

結: 本インタビューの後、数回の尋問が行われたが、これ以上の情報は得られなかった。目撃者は記憶処理を施され、観察のため財団養育ケア施設ビクトリア-19に移送された。

リー邸の法医学的調査の後、同様の失踪についての調査が開始された。パターンから、少なくとも1954年以降、オーストラリア本土全体でSCP-986との遭遇が発生しており、特に南オーストラリアに失踪が集中していることが示されている。現在までに、SCP-986に関連すると考えられる失踪が78~137件公表されている。

補遺

2027/03/12、定例電話通信が深刻な干渉により妨害され、財団養育ケア施設ビクトリア-19への監視及び通信が失われました。

財団職員全員が、防御姿勢を取ってまたはベッドの中で、身体が損壊したり一部が液状化したりした状態で発見されました。児童宿舎は荒らされ、天井裏から施設全体に破壊の痕跡が見られました。施設の児童27名全員が発見できませんでした。ハミッシュ・リーの所有物、とりわけぬいぐるみは、ドアが蝶番から引き剥がされていた共用バスルーム内で発見されました。

電話への干渉の分析では、単調に繰り返し「捕まえた」と言う若者の歪んだ声を識別することができました。


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