SCP-4028 : ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ伝

Information

Name: ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ伝
Author: C-Dives
Rating: 138/144
Created at: Wed Aug 22 2018

注記: あなたが閲覧しているのは該当ファイルのアーカイブ版です。

当ファイルは現行文書の過去のバージョンです。そのためロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。

詳細については、この異常存在の現任の収容監督官([email protected])まで連絡するか、あなたのIntSCPFNサーバー管理者までEメールを送ってください。

— ピエール・メナール、空想科学部門 部門長

特別収容プロトコル

Fig 1.1: SCP-4028の描写 (1827年の英国版“ドン・キホーテ”表紙より)。

SCP-4028の実効的な収容プロトコルの開発が進行中です。この間、職員はSCP-4028によってフィクション内で引き起こされる原典からの逸脱を全て削除することに注力します。これを達成するため、以下の措置が講じられています。

  • 財団運営Bot(I/O-ISMETA)は西洋文学に焦点を当てた学術雑誌を監視し、原典から逸脱しているテキストについて論じている記事を審査のためにフラグ付けします。
  • 財団運営Bot(I/O-MANDELA)はオンライン上の創作コミュニティを監視し、原典から逸脱しているテキストについての議論を審査のためにフラグ付けします。
  • 確立された文学的原典を逸脱しているテキストは、それらの逸脱がSCP-4028による改変の証拠を構成しているか否かを判断するため、機動部隊ロー-1(“プロフェッサー”)によって審査されます。
  • 改変を受けたテキストが特定された場合、機動部隊ロー-1(“プロフェッサー”)、機動部隊ミュー-4(“デバッガー”)、機動部隊ガンマ-5(“燻製ニシンの虚偽”)が公的記録からそれらのテキストに関する全ての記録(デジタル・物理媒体・事例証拠)を削除します。
  • 可能であれば、改変されたテキストは本来の状態に復元されます。不可能であれば、これらのテキストは破壊されます。

説明

SCP-4028はミゲル・デ・セルバンテスが著した17世紀スペインの小説、“El Ingenioso Hidalgo Don Quijote de la Mancha”(“奇想驚くべき郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ”、通称_“ドン・キホーテ”)の主人公、アロンソ・キハーノです。“ドン・キホーテ”の作中におけるアロンソ・キハーノは、騎士道物語の読み過ぎで発狂したスペイン貴族(または郷士_Hidalgo)です。彼は遍歴の騎士を自称してドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと名乗り、純朴な農夫(サンチョ・パンサ)を忠実な従士として旅に誘います。_“ドン・キホーテ”_はセルバンテスによって前後編に分けて出版されました(前編は1605年、後編は1615年)。同作は西洋文学において最も影響力ある作品の一つと広く認められています。

SCP-4028は自らが占めるテキストと近接する架空のテキストに内在し、その内容を説話的に改変することが可能な、知性あるメタフィクション構造です。近接関係はテキスト間で共有されるキャラクターや設定によって決まります。SCP-4028は侵入した物語を、自らが抱く騎士道精神の理想とより緊密に合致する内容に改変します。これには無力と見做した登場人物を保護し、邪悪と見做した者を打ち倒し、ロマン騎士道の美徳を称賛する行為が含まれます。

補遺4028.1

改変されたテキストの例

補遺4028.2

発見と指定

SCP-4028の存在を示す証拠は2005年、それまで喪失文書と考えられていた手稿(“Historia del Huérfano”、または_“孤児物語”)が発見された後に初めて財団職員の注目を集めました。マーティン・デ・レオン・カーデナス(マラガン出身の僧侶)によって1608年~1615年の間に執筆された“孤児物語”_には、アロンソ・キハーノが脇役で登場していました。彼はこの物語がロマン騎士道の美徳に従っていないことを批判し、それらの美徳を称賛するのに数ページを費やし、フランシス・ドレイク卿に決闘を挑んでいます。3

研究者たちは、アロンソ・キハーノの登場で_“孤児物語”“ドン・キホーテ”_の間に生じる矛盾が異常現象を構成していたのか、両作品の著者が共同創作を行っていたかを断定できませんでした。この結果、空想科学部門(寓意的および/またはメタフィクション的な異常の調査・対策・収容目的で創設された架空の部門)が議論を収束させるために関与しました。

激しい討論の後、_“孤児物語”におけるアロンソ・キハーノの出演が異常か否かを断定するための、SCP-423(文章形式の物語に侵入し、その中を探索できる知的メタフィクション構造)の運用が承認されました。特記事項として、ピエール・メナール博士(“ドン・キホーテ”_研究の権威ある有識者であり、当時の空想科学部門長)は、この計画に自らが反対の立場だったことをSCP-4028の記録に残すように求めました。4

SCP-423はまず日誌に導入され、エージェント オハラによる手書きの注釈を介して任務の概要を知らされました。

SCP-423日誌より抜粋

日付: 2005/08/21
質問者: エージェント オハラ

やあ。

SCP-423、あなたはこれから孤児物語という17世紀スペインの手稿に侵入します。あなたには、そこに登場するキャラクターの1人が異常な手段で挿入されたか否かを判断してもらう必要があります。

オッケー。でもスペイン語は分からないよ。どういう本?

あなたのために英語に翻訳済です。グレナダ生まれの孤児が、アメリカ大陸のスペイン帝国領を旅するという内容です。

いいね。で、僕が調査するキャラクターっていうのは?

アロンソ・キハーノです。彼は終盤の、フランシス・ドレイク卿がプエルトリコ攻撃を敢行し、失敗するくだりで登場します。

オッケー。
待った。
アロンソ・キハーノ?

その通りです。

アロンソ・キハーノ。

はい。

ドン・キホーテ。

はい。

あのドン・キホーテ。

そうです。

僕にドン・キホーテを追えと。

何か問題でも?

いや... こう、失礼な事は言いたくないけどさ、そいつが誰なのかホントにちゃんと分かってる?
君らは僕をどっかの三文ノワール映画の書き割りとか、驚天動地のメタ喰らいとかの追跡には派遣しないだろう。彼はラ・マンチャの男だよ。第四の壁を徹底的に破壊してる。彼が登場する物語の中では彼の動向を記した二次創作が出回ってるし、そもそも大元の物語にしたって存在しない説話の二次創作って触れ込みなんだ。要するに彼はメタフィクションの中で本を書いている。つまり、言葉通りの意味で — それは彼の本なんだ。

それで、できますか?

あーもう。まぁね。ただ、その — ややこしい事になっても僕を責めないでくれよ?

気を付けてくださいね。

SCP-423日誌より抜粋

日付: 2005/08/21
質問者: エージェント オハラ

やあ。

SCP-423、あなたはこれから孤児物語という17世紀スペインの手稿に侵入します。あなたには、そこに登場するキャラクターの1人が異常な手段で挿入されたか否かを判断してもらう必要があります。

オッケー。でもスペイン語は分からないよ。どういう本?

あなたのために英語に翻訳済です。グレナダ生まれの孤児が、アメリカ大陸のスペイン帝国領を旅するという内容です。

いいね。で、僕が調査するキャラクターっていうのは?

アロンソ・キハーノです。彼は終盤の、フランシス・ドレイク卿がプエルトリコ攻撃を敢行し、失敗するくだりで登場します。

オッケー。
待った。
アロンソ・キハーノ?

その通りです。

アロンソ・キハーノ。

はい。

ドン・キホーテ。

はい。

あのドン・キホーテ。

そうです。

僕にドン・キホーテを追えと。

何か問題でも?

いや... こう、失礼な事は言いたくないけどさ、そいつが誰なのかホントにちゃんと分かってる?
君らは僕をどっかの三文ノワール映画の書き割りとか、驚天動地のメタ喰らいとかの追跡には派遣しないだろう。彼はラ・マンチャの男だよ。第四の壁を徹底的に破壊してる。彼が登場する物語の中では彼の動向を記した二次創作が出回ってるし、そもそも大元の物語にしたって存在しない説話の二次創作って触れ込みなんだ。要するに彼はメタフィクションの中で本を書いている。つまり、言葉通りの意味で — それは彼の本なんだ。

それで、できますか?

あーもう。まぁね。ただ、その — ややこしい事になっても僕を責めないでくれよ?

気を付けてくださいね。


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